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森の中の恋。絵本💚

あの森の奥に🎶

本日は、短い絵本を作ってみます!!

タイトル(候補)
『 MF 』
『 恋する気持ちは森の中 』
『水瓶』


💦


黄金色の映る透明な湖に、
ぽちゃん、と
音がして
魚が跳ねました



灰色の夕暮れ
彼女は
待っています
あの人が通るのを


赤く染まる芒の
揺れる村へ

彼は
疲れた足取りで帰って行きます


彼女のもといたところは
暖かな紫色の
港でした

ある日
土色の砂を運ぶ風が
ざ、ざ、ざと
吹いてきて

彼女は目を開けられなくなり

動けなくなったかと思うと
次に目覚めたときには
深い森の奥
この湖にいたのです

そこは
色のない
殺風景な場所で
彼女は途方に暮れました


ここでは
わたしが誰か
だれも知らないんだわ
わたしは誰かになれるんだろうか

彼女は幾日も
寂しさに
震え続け
誰にも知られず
朽ちていくのかと

いっそ鳥に食べられたほうが
役に立つのではないかと
思い悩みました


月夜の晩は
湖のほとりで
自分の体をキラキラと
光らせました


名前はなくても
彼女は
しなやかさと心の美しさを
持っていました







石畳みの街に
たくさんの灯りが灯りました
お祭りは
今晩です

彼は、探していました

お祭りに
一緒に行ける誰かを

村には
自分と行ってくれる
誰かはいませんでした

ずっと諦めてはいたことでしたが
その晩は
なんだか
どうしようもなく
その誰かに
会いたくなりました

とぼとぼと
湖にやってきて
彼は
芒の穂を湖に垂らしました

一匹の魚が
ぱくりと
口を開けました



「わたしは誰かになりたい」



「では、
『僕とお祭りに行く人』
になってくれる?」

「喜んで」


その言葉は
魔法のように
ふたりを
若者に変えました




お祭りは
とても盛大で
賑やかで
ふたりを祝福しているかのようでした


✩’※~あなたと会いたかった~※’✩


ふたりは
"互いの誰か"になれて
とても
幸せでした




『鹿の工房』
彼の家は
そう呼ばれています

そこには小さな水瓶が置かれ
いつも湖の水で満たされています

それが
"魔法の解けない方法"
だからです


あの秋の日
魚は
夕暮れのなかに
彼の角が
キラキラと光っているのを
見たのです


砂の嵐が
やんだあと
唯一
見えた光だったから

魚は


恋をしたのです





雲海が隠すこの森は
恋の森です


『マッチングフォレスト』
✜MF✜
人はそう呼びます






こんなアプリあったらいいな。

フッフッフ💓
幸せそうだな。
一瞬のきらめきに乾杯🍷
読んでいただき、ありがとうございます

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