STUDIOを活用した爆速クリエイティブでROI最大化を狙うマーケティング戦術〜虎の巻〜
こんにちは!デザイナーの小松(@kekenken)です。
現在「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションにした医療スタートアップのUbie株式会社でデザイナーをしています。
他のメンバーの記事もオススメなのでぜひご覧になってください。
今日は、ぼくが担当しているクリニックに向けた事業「AI問診ユビー for クリニック」のマーケティングで実践している、ノーコードツールのSTUDIOを活用した爆速クリエイティブでROI最大化を狙うテクニックを紹介したいと思います!
こんな人におすすめ!
・STUDIOに興味があるけど、どうやって活用したらいいかわからない
・STUDIOはデザイナーが使うもので自分には関係ないと思ってる
・STUDIOを使えるけど、使いこなせてる感覚がない
・探索しがいのある医療マーケットでPMMとして活躍したい未来のマーケター(もしくはBizDev!)
そんな方は、ぜひ読み進めていってください!
クリニックの事業展開をなぜユビーが行っているのか
まずはぼくが携わっている事業の説明をさせてください!
ユビーは医療機関向けのプロダクトとして「AI問診ユビー」と一般ユーザー向けのプロダクトである「AI受診相談ユビー」を展開しています。
(ちなみに2020年の日本サービス大賞をW受賞しています!すごい!)
最初にスタートさせたのが医療機関向けのAI問診ユビーで、主に専門診療を得意とする大学病院等を対象に事業展開していました。
しかし、ぼくらが掲げているミッションにある「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ためには、専門的な病気の診断や治療を行う病院だけでなく、一般診療を行う身近なお医者さんへの展開も必要でした。
この「一般診療を行う身近なお医者さん」がクリニックです。
病院向けtoBとユーザー向けtoCの間に位置しているのがクリニック
専門診療を得意とする病院と、一般診療を得意とするクリニックが、それぞれの特徴を活かし、連携することで地域医療を実現することが医療プラットフォームでは非常に重要で、クリニック事業は、ネットワーク効果のハブになる地域医療連携の要になりうる存在です。
つまり、クリニックの事業成長こそが、「人々を適切な医療へ案内する」ためには重要なピースであり、このピースを埋めるべく、2020年の夏頃にクリニック事業がスタートしました。
ぼくが担当しているのが、この立ち上がったばかりのクリニック事業になります。
クリニック事業における重要指標はリード獲得
こうして昨年立ち上がったクリニック事業で、現在追っている最重要指標はリード獲得です。
チームメンバーは業務委託含めて現在10人ほどで、かつ専任のマーケターがおらず、各メンバーが越境しながら事業推進をしています。
クリニック・診療所と呼ばれる医療施設は全国に10万件あると言われており、いかにしてこの10万件のクリニック・診療所のお医者様や経営者の方々にリーチするのか、日々チャネルの探索と試行錯誤をしています・・。
AI問診ユビー for クリニックはまだまだ知名度が高いとはいえないため、出力最大化できるチャネルの発掘が最大の鍵です。いくつかやっていることを例にあげると、
・お手紙
・FAX
・SNS広告
・GDN・YDN
・イベントセミナー
・SEO
などなど・・ちょっと変わった医療業界特有の施策(?)もありつつ、スタートアップ界隈にいるので結構バイアスかかってたのかも・・と思うような施策が実は効果あったりと、幅広く施策を試しているのですが、これを少ないリソースでかつ爆速で推進していくためには、手数が圧倒的でなければなりません。
そこで待ってましたと登場するのがSTUDIOです!(前置き長い)
UbieでのSTUDIO活用方法
Ubieでは、コーポレートサイト・採用サイト・プロダクトサイトといった主に入り口になりうるサイトで、STUDIOを活用しています。特にクリニックチームではプロダクトサイトに集客しているため、ここではプロダクトサイトにフォーカスして話を進めていきます。
そもそもSTUDIOとは
STUDIOは、ノーコードでWebサイトが作成できる次世代のデザインツールです。ノーコードとは、コーディングや公開作業といったフロントエンド業務をせずにWebサイトが作れることで、新しい開発アプローチです。
ちなみにぼくはReDesignerというサービスにも携わっているのですが、そこではReDesigner MagazineなどをSTUDIOで作成しており、個人的に得意ツールで激推し中のプロダクトです!(STUDIO DESIGN AWARDに出せばよかった・・!)
STUDIOのメリット・デメリット
STUDIOを使って感じているメリット・デメリットはこちらで、
メリット
・デザインから公開まで一人で素早く完結できる
・リソースが少ないスタートアップに向いている
・効果検証スピードが爆速
・CMSとフォームで動的コンテンツもカンタンに作れる
デメリット
・HTML / CSSといった知識がないと言葉の壁にぶつかる
・無邪気に変更できてしまう
・デザイン編集でページが増えると煩雑になる
・設定できる限界はある
メリットに記載した通りで、リソースが少ない、スピード感を持って施策を世に繰り出していきたいチームには最良の手段だと思っています。
慣れるとFigmaでパーツだけ作ってSTUDIOでデザインもできちゃいます!
デメリットは、当然ながら設定できることには限界があるので、例えば、SEOでもっと細かいカスタマイズがしたいときにつまづきやすいです。
貴重なエンジニアさんたちの時間を奪わずに、プロダクト開発に集中投下するためには、デザイナーだけでデザインから公開まで一連の流れができるSTUDIOはかなり重宝しているツールで、Ubieはその恩恵を活かして爆速成長しています。
プロダクトサイトを作るのに重宝したのはCMS機能
STUDIOでは、デザイン、シンボル、iframe、リッチテキスト、CMSやフォーム、インタラクション、外部連携といったカスタマイズ性のある機能が揃っており、Ubieのプロダクトサイトではすべての機能をフル活用しています。
特にプロダクトサイトを作成する際にはCMS機能を重宝しました。
具体的には、「導入事例」「セミナー」「新着情報」「FAQ」ページは、このCMS機能を使って作成しています。
STUDIOには「モデル」と「コレクション」という概念があり、例えば、モデルで作成した記事を、「ランキングとして1位〜3位で記事をピックアップして特定ページに表示したい!」といった場合に、コレクション機能を使って解決しています。
今回はモデルにフォーカスして説明しますが、モデルにはタイプ別に種類があります。
・記事タイプ
・ユーザータイプ
・カテゴリータイプ
・カスタムタイプ
記事タイプは投稿できる記事数が「1000記事」までと上限があります。(PROプランの場合です)
記事タイプで作成した記事には個別の記事ページが生成されます。
そして、ここがポイントで、記事ページを生成したい場合は記事タイプを利用し、そうでない場合はカスタムタイプを利用することをオススメします。
カスタムタイプは、ハッシュタグを作るとき等に利用するのですが、記事数に上限がないので無制限に増やすことができます。(ただし動的に記事ページは生成されない)
プロダクトサイトでは、この機能を利用して、記事ページが必要な「導入事例」は記事タイプで作成し、「セミナー」「新着情報」「FAQ」はカスタムタイプで作成しています。この方法を使うことで、カスタマイズ性が一気に上がり、できることの幅が増えるのでオススメです。
マーケティングで実践しているSTUDIOの活用方法
マーケティングでは目先でいうと、「資料DL」や「お問い合わせ」といったCVを追っており、どんな訴求軸で、どんなページにランディングさせるのか、フォームの項目は何が最適解かなど、具体の数字を見ながら改善を行っていきます。
まさに手数が重要であり、最小コストで最大限の成果につなげたい・・そしてスピードもめちゃくちゃ重要・・やりたい施策もいっぱいあるし、検証方法ももっとスマートにしたい・・などなど前のめりで事業が進んでいます。(人が足りません・・)
SNS・GDN・YDNなどそれぞれの広告からのランディング先として様々なLPやフォームを用意する必要があり、かつ前述したとおり、訴求軸など検証したいことも多いです。
そして、まさにそういったケースで活躍するのがSTUDIOです!
ランディングページを量産して手数を増やす
ランディングページ(以降LP)をSTUDIOで作成しています。
フォーマットを作成し、ヘッダー・フッター・フォーム部などテンプレにできそうな箇所はシンボル化しておくことで、複数ページあった場合に一発置換で爆速で差し替えができます。
一つでもページを作成しておけば、複製でいくらでも増やせるので、効率的です。ただし、ページが増えすぎるとデザイン編集画面が煩雑になるので、命名ルールなど注意が必要です。
フォームは、Pardot or STUDIOで使い分け
LPのフォームはいくつかパターンがあって、PardotとSTUDIOのフォームを使い分けて運用しています。
マーケティングオートメーションの観点では、Salesforceに蓄積されるように運営したいので、Pardotでフォームを用意するのが正攻法だと考えて作成しています。が、この作業をするのに慣れていない場合、かなりコスパが悪く、一定時間がかかってしまう問題があります・・。
また、Pardotのフォームは、STUDIOで作成したLPにiframeで埋め込んでいるため、読み込みまでにタイムラグが発生するデメリットもあります。
さらに、ドメインが異なるため、クロスドメイン設定をしないといけない等、正しく計測するための準備も必要になります。
上記の二点を加味し、スピード感を持って検証する際には、STUDIOでフォームまで作成して運営することにしました。
STUDIOフォームからSlack通知させるにはZapierが便利
STUDIOの公式でもZapier連携の方法を紹介しているのですが、STUDIOで作成したフォームにスプレッドシート連携をしておくことで、CV発生時にデータがスプレッドシートに貯まるようになります。
そのスプレッドシートとZapierというサービスを連携することで、Slackに通知を飛ばすことができるので、リード発生した際の即レスも問題ありません。
Slack通知する際はメンションの設定(ユーザーネームじゃなくて固有IDです)もしておくと良いです。
施策が安定したタイミングでPardotに移行していければいいので、初手としては、このオペレーションが現状だと最速な印象です。
YDN審査用に会社概要をページ内に埋め込むのもお手軽
YDNに入稿するには、LP内に会社情報が入っていないといけません。そういったケースでも、さくっとモーダルで会社情報を作成し、フッターにリンクを入れて公開ボタン押すだけで対応できちゃいます。15分もあれば十分対応できるでしょう。爆速です。
緊急事態宣言を受けて、爆速対応した「AI問診ユビー for クリニック」の1年分無償提供ページ
ここで爆速対応の事例をひとつ紹介します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、2021年1月7日より緊急事態宣言が1都3県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)を対象に発令されました。
そこでUbieとして医療機関の皆様に対して出来ることはないのかと考えた結果、全国のクリニックを対象にAI問診ユビー利用料1年分を無償提供をすることにしました。
1月7日の発令を受けて、8日に全国のクリニック様に届くようにプレスリリースを打つ、その検討開始からリリースまでにかかった時間は約1日です。
このスピード感で実現できたのは、STUDIOだったからだと言えると思います・・!
当時のやりとりはここからスタート・・
実際に出したプレスリリース
STUDIOで作成したLP
STUDIOで作成するにあたり、一連の流れはこちらで、
・情報設計
・コンテンツの作成
・Figmaでデザインのラフ作成
・STUDIOで実装しながらデザインを固める
・フォームを作成し、Slackに通知を飛ぶように設定
・各種導線の用意
・OGPやメタの作成
・ページ&プレスリリース公開!
とにかく、一日でも早く出すことが求められた施策だったので、メンバーが一丸となって取り組みました!
2021年2月末までのご契約で、全国のクリニックを対象にAI問診ユビー利用料1年分を無償提供しているので、ぜひご検討中の医療機関様はお気軽にお問い合わせください。
うっかり対応漏れしがちなSEO観点の罠
最後に、僕自身がはまってしまったSTUDIOの罠を紹介します・・涙
1.htmlタグの変更は忘れずに
テキストを追加すると、デフォルトはpタグが生成されます。このため、意図的にタグを変更しないとh1タグなどのhtml最適化の対応漏れをしやすいです。
2.metaのnoindex設定に注意しよう
metaの設定でnoindexにしたページを複製して新規ページ作成すると、本当はオーガニックで表示させたいページだったのに、検索結果に表示されない・・といった凡ミスもしやすいので要注意です・・
noindexページを修正した場合は、忘れずにGoogle Search Consoleでインデックスの手動登録をしましょう。
3.フォントの多用は注意が必要
特定ページでしか使用していないフォントもSTUDIOの仕様だと全ページのheadに追加されます。そのため、不要にレンダリングが発生し、表示速度が落ちる・・といったケースがあり、また、Webフォントの場合だと描画に時間がかかるので、SEO観点だとあまり相性がよくないと感じています。
4.sitemap.xmlを忘れずに
STUDIOでは、sitemap.xmlをトグル一つで生成できるので、生成を忘れずにして、Google Search Consoleでサイトマップを送信しましょう。
おまけ:インタラクションの罠
おまけで弊社のデザイナーがつまずいたインタラクションの罠も特別に紹介しましょう。
画面外からアニメーションさせる設定をする際に、アニメーションが動作しないという事象が何回が起きたのですが、これは&appearの初期値が画面外になっているため、動作しないということなので、ちょっとでもいいので画面内(描画エリア内)に入れて設定しておくことで回避できます。
----------✂︎----------
最後に:絶賛採用中です!
いまクリニック事業では、リード獲得のためにマーケティングに力を入れています。圧倒的に掘るには、まだまだ力が足りません・・!
ちょっとでも興味を持った方はぜひ話しを聞きにきていただけるとうれしいです!
さらに、リード獲得と平行して商談数も増加傾向なので、ここも一緒に固めていってくれるインサイドセールス・フィールドセールス・オンボーディングをごりっと推進してくれるメンバーの力も必要です!
ぜひ一緒に地域医療連携の要であるクリニック事業を爆速クリエイティブでROI最大化させて成長させていきましょう!
採用ページはこちら!あなたのポジション空いています!
オープンポジションもあるので、まずは気軽に話しを聞きにきてください!
皆様からのご応募お待ちしております!
🐯