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泉鏡花「外科室」は文語体ゆえに凛とした情念が感じられるのです。

実に、泉鏡花らしい静かなる情念のお話です。
この作品は、泉鏡花が明治期に発表した初期の作品。
奥ゆかしき文語体で書かれた作品です。
それ故に明治のころのノスタルジックな雰囲気にどっぷりと浸る体験ができます。
植物園で偶然の出会いをした伯爵夫人と医学生。
9年の時を経て二人は、外科医と患者として出会うことになるのですが・・・。
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医学士高峰の執刀によって
外科施術を受ける貴船伯爵夫人。

手術台なる伯爵夫人、純潔なる白衣を纏いて横はれる

だが、伯爵夫人は、麻酔はいらないと言う。

私はね、心に秘密がある。麻酔剤は譫言を言ふと申すから、
それが怖くてなりません

麻酔なしでの手術が始まる。
見れば雪の寒紅梅、血汐は胸よりつと流れて、白衣を染むる

医学士高峰が訪ねる。
痛みますか
否、貴下(あなた)だから、貴下(あなた)だから

二人の関係がただならぬものだということが
うかがい知れます。

二人にどんな過去があったのかは
読んでからのお楽しみです。


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