ゼロからの経済塾

ただ一冊のマガジンを公開するために作成したアカウントです。伝えたい内容は、このマガジン…

ゼロからの経済塾

ただ一冊のマガジンを公開するために作成したアカウントです。伝えたい内容は、このマガジンに執筆していく記事に尽きます。

マガジン

  • ゼロからの経済塾

    お金や国債、経済、そして財政のしくみについて、誰にでもわかりやすく短い記事で図解していくマガジンを目指しています。 皆さんは、日本は税収が足りなくてお金がない、借金が積み上がって将来返せなくなる、といった話を聞かされていませんか。 一方で、海外には莫大なお金を配っているようなニュースが流れています。なぜお金がないのにそんなに払えるのか、不思議ではありませんか。 日本は、実は世界一のお金持ち国家だということをご存知でしょうか。なのになぜ増税や社会保険料増額で、私たちは大きな負担を強いられるのかと、疑問に思いませんか。本当にしかたがないのでしょうか。 こうした疑問に答えられる知識を得たいと思いませんか。このマガジンを読めば、専門知識なしにそれが達成できます。皆さんの知識のアップデートの一助になれば幸いです。

最近の記事

国内総生産/GDP

ここはとても、とても大事な部分です。「国内総生産」という言葉の意味するところを、しっかりと理解しましょう。 国内総生産と、三面等価の原則所得創出プロセスにおいて、財やサービスを生み出す力のことを「経済力」と呼びます。一方、実際に生み出される財やサービスの量、生産量のことを、国内総生産/GDPと呼びます。 生産量は、金額で計測するしかありません。その額は、対価として支払われた支出で評価します。 所得は、対価として支出された貨幣が生産者に分配されるだけなので、支出と同額です

    • 金融経済

      実体経済に続き、この記事では金融経済について軽く説明します。 金融経済とは、お金の貸し借りに関わる活動のことで、株式市場などもこの分野です。 銀行ローンである資金融資も、ここでは金融経済の範疇と解釈できます。貸出金と言う「銀行にとってのお金」は、基本的に付加価値との交換に使えません。日銀当座預金もそうです。これらは実体経済とは別世界のお金と捉えるのがわかりやすいでしょう。 一方で、融資によって生まれた銀行預金は、実体経済で使えるお金です。金融経済で生まれたお金が、実体経

      • 実体経済

        当初、経済と対比される形で金融が認識されていたようです。 その後、金融も経済の一部とみなされるようになったため、実体経済と金融経済という言葉で区別されるようになりました。つまり、経済とは本来、実体経済のことを指していました。 この記事では、実体経済についてわかりやすく説明します。 実体経済とは、生産者と消費者が付加価値(モノやサービス)をお金と交換する活動のことで、世の中の景況に関わる分野です。 実体経済は以下の所得創出プロセスで理解するのがわかりやすいです。 注意

        • 経済・経済力

          ここから経済の話に移っていきます。これまで「貨幣」つまり「お金」の事実について説明してきました。この基礎知識の上に、「経済」の話を乗せていきます。 経済とは​「経済」の語源は「経世済民」と言われています。経世済民とは「世を治めて民を救う」、国民を守るために公的な施策(政策)を行う、つまり政治そのものを意味します。 大切なポイントは、経済という言葉に国民を守るという思いが込められている、ということです。 経済力とは​みなさんは「経済力が高い」という表現で何を思い浮かべるで

        マガジン

        • ゼロからの経済塾
          22本

        記事

          貨幣の定理

          ここまで説明した貨幣(お金)の仕組みから、以下が導かれます。これは、算数レベルの原理です。「考え方、捉え方」では決してなく、必ず成り立つ定理であることを、しっかりと理解しましょう。 静的な側面:ストックこれまで見てきたように、お金とは、生まれるときには資産と負債が対生成し、消えるときには資産と負債が対消滅します。したがって、どのタイミングであっても、総資産と総負債は、必ず同じだけ存在します。 厳密には、補助通貨(小銭)である硬貨は資産のみで存在するため、その分は資産過多で

          国債の保有者

          発行された国債は、誰が持っているのでしょうか。正しい事実を理解しましょう。 主要国債保有者の変遷下図は、2009年末時点の日本国債保有者内訳です。 ここで注目してほしいのは、民間銀行と日本銀行それぞれの保有率です。 民間銀行(青色):37.0% 日本銀行(黄色):7.8% 2009年末時点では、まだ民間銀行が最も多く国債を持っており、次いで生命損害保険会社、社会保障基金でした。 2024年末時点では、内訳は以下です。 民間銀行等の預金取扱機関(水色):8.6%

          国債の利回り

          発行される国債の殆どは固定金利であり、その金利のことを表面利率などと呼びます。一方で、国債の取引では利回りと呼ばれる金利もあります。金利に2種類あってややこしそうですが、仕組みを知ってしまえば単純な話です。この記事では、国債の利回りについて平易に解説していきます。 国債は、自由取引市場で売買されます。株や投資信託などの市場取引と同じで、オークションのようなものです。 先の記事では、国債は利息付きの金券あるいは定期預金のようなものだと説明しました。つまり、国債は未来のお金な

          高頻度な範囲の可視化

          はじめにこの記事を藤江氏に捧げたく。 藤江氏が2024/2/7に投稿された動画「やっぱりアレをして1~2週間後に?」を観て、もしかしたら役に立つかも知れないと思った統計手法について解説します。 動画では、17のデータについて、(ワクチン接種)した日から、○亡した間隔(日)を示しています。また動画内では、同氏がこれまでの経験上、10日前後でアレするケースが多いと感じている、と語っています。 こうしたデータをうまく可視化できれば、より説得力が上がると思いました。この記事で

          高頻度な範囲の可視化

          国債

          国債が実際どういうものなのか、よく知らない人が案外多いのではないでしょうか。この記事では、国債についてわかりやすく説明していきます。 なお、以降の記事では日本の国債について説明しますが、主要国の自国国債も基本的には同じようなものです。 国債とは国債は、国庫債券の略です。債券とは「債(借り)を約束した券(チケット)」つまり負債証明書=お金です。政府が政府預金(日銀当座預金)を調達するために、政府が発行するお金です。 国債は有価証券でもあるので、国債そのものを「国債証券」と

          国債発行による貨幣供給

          「当座預金と小切手」の記事では、小切手は単なる媒体として、支払いのために預金を振り込む流れを説明しました。 前記事では国債による公的支出を説明しましたが、そこでも政府小切手は単なる媒体であって、結局やったのは以下です。 政府の日銀当座預金(政府預金)を、民間銀行の預金に振り込んだ 民間銀行は、自分の持っている日銀当座預金を顧客の預金に振り込むことはできません。 しかし政府は、公的な支出をするために、自分の持っている政府預金を支払先の銀行預金に振り込めるのです。 そし

          国債発行による貨幣供給

          国債による公的支出

          国債発行とは、政府による貨幣発行です。 なぜ国債を発行するのかというと、政府が日銀当座預金(政府預金)を調達するためです。 なぜ政府預金を調達するのかというと、政府が公共投資や公務の支払いをするためです。 政府が国債を発行してどのように公的な支出が行われるのか、お金の流れを紙芝居で解説します。知ってしまえば単純な話なので、何度も繰り返して見てみてください。(実際の順番は必ずしもこの通りではありません。わかりやすくしています。) 公的なサービスというのは例えば、行政サー

          国債による公的支出

          日銀当座預金から銀行預金への振込

          日銀当座預金から銀行預金にお金を振り込むことは、基本的に不可能です。下図をみながら考えてみましょう。 日銀当座預金の資産の一部を、顧客の預金の資産に振り込みたいわけですが、そのような手順は存在しないのです。 万が一、何らかの手順で資産を移動できたとしましょう。民間銀行からすれば、日銀当座預金の資産が減り、預金の負債が増えます。振り込んだ分の倍の額の負債が増える(あるいは資産が減る)ことになります。そんなオペレーションはありえないわけです。 つまりいくら日銀当座預金が増え

          日銀当座預金から銀行預金への振込

          貸金業

          銀行業務のうち、お金を貸し出す「貸金業」をもっぱらに営むノンバンク(サラ金/サラリーマン金融、消費者金融など)は、銀行預金を発行できません。ノンバンクがお金を貸し出すときは、そのお金を事前に持っているか、調達してくる必要があります。 名前の通り、銀行(バンク)とノンバンクは、全く異なる業種です。 この記事は、以下の記事からの脱線です。

          事実と真実

          正しい事実のことを「真実」と呼ぶ人もいますが、真実は神のみぞ知る「真理」、誰も検証できないが正しい事実、を意味することがあります。 映画「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」の冒頭、考古学の授業でジョーンズ教授がこんなことを言います。 裁判でも「真実」を追い求めることはしません。「検証不可能」だからです。裁判とは、検証された「事実」だけを「認定」して有罪無罪を決める、というのがあるべき姿です。 「この人が犯人に間違いない!」などという、個々人の「意見」をもとに判決が下さ

          お金を刷りすぎるとインフレになる??

          世の中では、お金を刷りすぎるとお金の価値が暴落し、物価が暴騰/インフレになって大変なことになる! との言説が信じられています。これは本当なのでしょうか? ・ ・ ・ 「貨幣」の記事では、現金紙幣が発行されるプロセスについて図示しました。 これは現金の市場流通をかなり端折った表現です。「日銀当座預金の役割」で書いたように、実際には日銀は市場に直接現金を配れません。日銀当座預金を引き出す形で銀行が現金を調達し…… ……銀行預金を引き出すことで個人や企業が現金を入手します。

          お金を刷りすぎるとインフレになる??

          日銀当座預金の役割

          日銀当座預金の重要な役割を3つ紹介します。これらは、日本銀行の存在意義でもあります。 1.銀行間決済日銀当座預金は、銀行間で預金を振り込んだときに活躍します。下記スライドショーをご覧ください。 より詳細な説明が全銀システムの「内国為替取引・資金清算の仕組み」にありますので、参考までに紹介します。 2.現金購入現金は日銀が発行していますが、個人や企業はどうやって現金を入手するでしょうか。民間銀行から引き落として入手しますよね。 では銀行はどうやって現金を調達するのかとい

          日銀当座預金の役割