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ゲーム会社で過ごした3年間を語る。【爆死と過労】

気が付いたら新卒で入社したゲーム会社で3年働いていた。

小さいころからゲームが好きだった私にとって、

ゲーム会社に就職できたことは幸せなことだろう。

「FFみたいなRPGを作るぞ!」「ポケモンの新作に関わるぞ!」

昔の自分も、こんなことを思っていた。

しかし、実際は全然違う仕事をすることになる。


配属当初:中途入社研修を行う22歳

私の会社は、それなりに大きい会社だ。

入社当時、「困った時のサポートチーム(万屋)」に配属された。

「やばい!ガチャの排出率間違えちゃった!これって法律的にヤバい?」

「今度ファンミーティングやるんだけど、手伝って!」

「社内ツールの調子悪くない?なんとかしてよ。」

こういう自由な人たちの相手をする仕事だ。

新卒らしく、すべての依頼に全力で対応した結果、入社2ヶ月目くらいから中途入社の新入社員研修を全部任されることになる。

「教える側に回ったほうが、自分も覚えやすいっしょ」

知らんがな。22歳の社会人経験数ヵ月の人間が30-40代の中途入社のオジサン達に社内ツールや法律、自社SDKの仕組みまで教えるという謎の会社だ。

まぁでも。色々と勉強になったし、中途入社の人たちとも仲良くなるきっかけになった。感謝はしている。


入社3ヵ月:偉い人の下っ端になりアジア出張ツアー

突然、会社の偉い人の下っ端になる。(当時の記憶はない)

一番偉い人が集まる会議の議題調整や議事録作成、共有などを行う。

偉い人がボロクソに論破される瞬間や、数年かけて開発したゲームの開発中止を言い渡される瞬間を目の当たりにする。

そして、夏にはアジア出張ツアーを行う。

意味がわからないが、爆風に巻き込まれるような生活を行う。


入社半年:やりたくない仕事を断れなかった

偉い人「〇〇っていうゲームの担当が数人辞めるから助けてほしいって」

私「そのゲーム、オバサンしかやってないし、好きなゲームとジャンル全然違うからやりたくない」

~数日後~

偉い人「ごめん、1ヵ月だけ担当してもらうことになったわ」

私「ファッ!」

そして、1ヵ月間オバサン向けゲームを担当することになる。


入社1年目冬:唐突に決まる新プロジェクト

※この段階まで「困った時のサポートチーム」と「偉い人の下っ端」を兼務しています。

いつも通り、偉い人達の会議の議事録を記載して、日報を偉い人に送信する。

日報の最後にこんなことを書いた。

「今日の会議で起案された〇〇プロジェクトは個人的にはめっちゃ興味あります」

~翌日~

偉い人「明日から、そっちのプロジェクト行く?とりあえずプロジェクトのリーダーとランチ設定したから」

私「ファッ!」

~ランチ後~

偉い人「明日から君はそっちのプロジェクトね。今日お別れパーティやろっか。出張に来てる外国人集団の予定空いてそうだから、そいつらと一緒に飲もう。朝まで。」

私「ファッ!(英語喋れない)」

という形で新規プロジェクトに飛ばされる。

願ったり叶ったりではあるが、急すぎる。


入社2年目:プロジェクトがさらに増える

大人「キミってバトロワ系のゲーム好きなんだよね?うちのプロジェクト来てよ。」

私「ファッ!」

~数日後~

大人「この辺にゲームの仕様書まとまってるから見といてね。開発中のゲーム遊びたい場合はここからダウンロードしてね」

私「ファッ!」

こうして新規プロジェクトがさらに増える。

色々ありながらも片方のプロジェクトがリリースされる。

ありがたいことに、そこそこ最初の評判は良かった。


入社3年目:死にかける

それなりに大きい会社なので、残業が多いと強制的に定時退社命令が出る。

私は常習犯だった。

しかし、「仕事が楽しい」という感覚が芽生え始め、

出勤カードを押さずに働くようになる。

「出勤カードを押さなければ無限に仕事ができる」

体調不良が続くが、ユンケルとレッドブルと目薬、カフェインの錠剤とウイダーinゼリーを摂取し続け、無理やり仕事をこなしていく。

気が付いたら、1週間の出社停止命令が出された。(死ななくて良かった)

死にかけた代償として、1つのプロジェクトを外れることになる。

リリース直前だったこともあり、ちょっと寂しい。


入社3年目終盤:爆死&爆死

担当した2プロジェクトのサービス終了が言い渡される。

明日から無職だ。わーーーい。

担当プロジェクトがなくなるので、FA宣言をした野球選手のような形で社内で競売にかけられる。

ありがたいことにいくつかのチームからオファーをいただいた。

色々なジャンルからのオファーをもらい悩みに悩んだが、

最終的には「自社ゲームエンジンのプランナー/ディレクター」みたいな仕事を選択した。

直接ゲームタイトルを担当する機会はなくなってしまう。

しかし、「技術的な知識」と「ゲームの知識」の両方を磨いていこうと思い、この選択をした。

後悔としては、チームメンバーに女性社員が1人もいないことだ。


入社4年目:死にかける(2回目)&先輩になる

今年も死にかけた。今は薬を飲んでいるのでかなり回復している。

そして、新卒入社の子やインターンシップ生の面倒を見るようになった。

2年連続病院送りになっているセルフマネジメント能力ゼロの人間でも先輩をやらなければいけない年齢なのだ。


まとめ

憧れのゲーム会社に入社したが、2つの新規プロジェクトを爆死させた。

そして、現在は特定のゲームを担当しているわけではない。

それでもゲームに関わる職業でいられること、ゲーム好きが活躍できる場所で働けていることは、とても楽しい。

流れに身を任せながら、要所要所で自分のやりたい/やりたくないを伝えることで、それなりに楽しく仕事を続けている。

これからも荒波に巻き込まれながら頑張っていきたい。

健康にも気を付けたい。


#私の仕事

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