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サッカーを嫌いにさせてしまう大人、サッカーを下手にさせてしまう大人をなくしたい


ある日、公園で見知らぬ少年たちとサッカーをしていた時のことです。

「君うまいね。どこかのクラブでやってるの?」と聞いたら、

「こないだサッカー辞めた。サッカークラブでやると全然楽しくない。みんなで公園で遊んでる方が楽しい。クラブでやってもコーチとか親にうるさく言われるだけでちっとも楽しくない」

サッカー少年のそんな言葉を耳にしたとき、サッカーを好きにさせることがコーチの仕事なのにサッカーを嫌いにさせて辞めさせてしまう指導者、クラブに憤りを感じました。

しかし、こういうケースはたくさんあるのだと思います。

約20年、少年サッカーの現場を見てきましたが、サッカーを嫌いにさせてしまう大人、サッカーを下手にさせてしまう大人を何人も見てきました。

これは指導者自身が自覚していないから変わらないのだと思います。みんな良かれと思ってやっているんです。自分が間違っていると思ったことはやらないと思います。

子どもたちに上手くなってほしい、勝って成功体験を重ねて欲しいという気持ちでやっている指導者がほとんどだと思います。

問題は、指導者自身が間違っているということに気が付いていないことです。指導者として学ぶべきことを学べていないことだと思います。

他人の意見を受け入れない指導者も多いです。
自分のいうことを子どもがちゃんと聞ければ、成功できると思い込んでいる指導者もたくさん見てきました。

現場でよく目にする光景を思い浮かべると、

「シュートを打て!パス出せ!走れ!」
「あと一歩後ろだろポジション!」
「はい。サイドチェンジ!」

などと、サッカーゲームのコントローラーを握るかのようにコーチングする指導者が多いのです。

そんな光景を見ていると、サッカーが嫌いになってしまう子がいても仕方ないなと思います。

サッカーを好きにさせて、サッカーを上手くさせるには?

サッカーで大事なのは、ピッチに出ている子どもたち自身が自分で判断してプレーすることです。

コーチの指示通りやらないと怒られる…
いつもコーチの顔色を気にする子、たくさんいます。これでは楽しくないです。

子どもたちのサッカーに対する好奇心や主体性を奪ってしまっているということは、つまりサッカーを下手にさせているということです。

ジュニアのサッカーで大事なのは、自分で判断してプレーする感覚を養うことであり、その前にサッカーの楽しさ、魅力を伝えることが指導者のミッションです。

目先の勝利に躍起になってしまい、大切なことを疎かにしてしまうチームが本当に多いと思います。

子どもたちの心がサッカーから離れてしまう事態にすら気がつかず、根性が足りないとか、最近の子はなどと言ってしまう…

大切なのは待つこと

子どもたちを強制するのではなく、矯正するでもなく、表現させてあげて欲しいと思います。上手くさせることを急ぐ必要なんてないんです。勝利することを急ぐ必要なんてないんです。

子どもたちがサッカーを楽しむこと、好きになること、その気持ちを育むことができれば、上手くなりたいと思うようになります。どうすれば上手くなれるか自分で考えるようになります。

そこまで待つことが大切なのです。そこまでくれば勝手に上手くなるし、彼らの成長のサポートもしやすくなります。スポンジのように吸収していきます。

大切なのはここまで待つことだと思います。気持ちがない子どもにいくら詰め込んでもダメなんです。

私たち大人は成長を急いでしまいます。他のチームよりも、他の子どもたちよりも早く成長させたいと急いでしまいがちですが、待つことで子どもの成長は加速するのです。


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