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2021年に読んで面白かった15冊の本(Kindle編)

2021年も残りわずか。
今年読んだ本を振り返っていきたいと思います。
今回はKindle編ということで、Kindleで購入して端末で読んで面白かった本を15冊厳選してご紹介できればと思います。
サッカー関連本も結構読んだので、また別の記事で年内にご紹介できればと思います。

コーチング・子育て関連

仕事では、目標に向かってチームのみんなで成長していく上でコーチングを学ぶことは大切だと思っているので、ビジネスコーチをしている友人におすすめしてもらった本を、また日常では、我が子も含め子どもたち関わる機会が割と多いのでコーチングと子育てが両軸で学べそうな本を中心に読みました。

まずは友人に進められたこちらの本。

コーチングの醍醐味は、一緒に何かを探索することであり、発見することです。コーチが問いの発信者であり、質問の担い手なのですが、問いは〝上から下に向かって投げつけるもの〟ではなく〝2人の間に置いて、一緒に共有すべきなのです…

まさにコーチングの本質を学べる一冊。チームで仕事をする人はぜひ読んでほしいです。とはいえ自分を客観的にどのように見ればよいのかという視点も得られるなんだか生きていく上で大切なことを学べる本だと思います。


ひとことでコーチングの特徴を表現すると、「指示・命令型から質問・提案型へ」ということができるでしょう。単に「こうしろ!」と一方的に指示、命令するだけでは一定の成果しか上がらない。その選手に本当に力を発揮してもらいたいなら、相手が心から関心を持って取り組めるような質問をコーチが考える。そして、相手からその答えを引き出し、自分の提案も伝え、お互いに双方向のコミュニケーションを重ねることによって、相手の自発的な行動が生まれていく。

まさに子育てにおけるコーチングの教科書。
子育てに携わる身として、とてもとても学びが多かった本。子どもとはどんな生き物なのか、それぞれの特性を見極め、コミュニケーションを通じて理解を深めていかないといけないんですね。

子どもから遠ざかった3つのことをご存じでしょうか。それは、「自然」「親の働く姿」、そして3つ目が「家庭の笑顔」と言われています。 それだけ、親は偉大なのです。なぜなら、笑顔ひとつで、子どもに安心感と希望を与えられる…

親に必要なのは余裕です。もうそれに尽きると思いました。少なくとも子供に笑顔を見せられるくらいの余裕がないといけないと思いました。今の社会には大人に余裕がなさすぎると思います。その理由は長くなるのでまた別のコラムで書きますが、余裕がないと子どもにいい影響を与えるのは難しいと。これは大人の問題ではなく社会問題だと捉えることが大事なんだと改めて。

執筆・編集・コミュニケーション関連

2021年、この本と出会えて本当によかったと思える一冊。
世界の見方を変えるというタイトルは大げさではありません。

石や木がそうであるように、誰の中にも、その人にしかない神聖なる「才」が潜んでいるはずです。その自分だけの「才」を引き出すのは、他でもない自分の「能」です。  内側にある「才」をいかに引き出せるか。自分個人だけでなく、他者の「才」やチームの「才」、場の「才」ということもあるでしょう。  素材の内側と外側を自由に行き来する「能」としての、しなやかな編集力が必要です。  そして大切なことは、才能は自分の内面だけで完結するものではなく、環境との相互作用の中で引き出されていくもの…

編集の本質というか、コミュニケーションの本質であり、人と生きる上で大切なこと+αが学べる本です。いやそこまで抽象度を上げてしまってもいいと思えるほど読んでほしい一冊です。

ここまで紹介した本で何かしら引用してご紹介してきましたが、この本はもはやどこを引用しようかというレベルであますところなく学びしかない本でした。執筆、取材、編集という言葉を扱う仕事をしているので、この本の素晴らしさがよくわかります。気になってるけどまだ読んでない人も多いのではないかと思いますが、これは一家に一冊置いておくべき、読みつがれる本です。

一つ前でご紹介した本「取材・執筆・推敲ーー各人の教科書」がとても良くて、同じ著者の本も読んでみようと思って買った本。
これからの時代、誰もがテキストを書いて何かを伝えるというコミュニケーションが重要になります。という前提で非常にわかりやすく、文章作成のポイントがまとめられた本でした。手軽に読めるのでこちらもぜひ。

その他

「私はこういうふうに生きてきた」「君は今こういう道を歩んでいるんだね」「私と君には共通点がある。その共通点をきっかけに連帯しながらみんなで何かを起こそうよ」  自分のプロセス(生き様)を開示し共有することで、個の熱狂が集団の熱狂へと広がる…

オンラインコミュニティが流行りましたが、プロセスエコノミーの本質を理解しない運営者は淘汰されていきました。単なるお金目的での運営で想いも熱量もなければ当然離れていくよなと思いながら読んでいたのですが、この本はより深く、プロセスの価値を社会の価値観の変化と人間の本質的な心理を踏まえて書かれていてとても面白かった。

文化人類学は「異文化」を理解するための学問というよりも、異文化との出会いをとおして自分たちのことを理解しようとする学問である。
「かれら」との差異のなかで、はじめて「わたしたち」の姿が浮かび上がる。 こうして文化人類学は、異文化の研究から「異文化」と「自文化」とのつながり方を考える営みへと大きな変化をとげたのです。

日本人は島国で生きるがゆえに、自分たちのことを客観的にみることができない傾向があると思っていて、例えばグローバルスポーツであるサッカーにおいて、自分たちのサッカーを語る前に相対評価をした上で自分たちの強みが浮かび上がり、どのように強化すべきか考えていく必要があるのですが、その解像度が低すぎるがゆえに日本のサッカーがなかなか前に進まないのかもしれないなどと考えている矢先に出会った一冊で、こんな視点で読んでもとても面白かったです。ただ本書の本質は多様性や自分とは異なる他者とどのように生きるかのヒントを与えてくれる内容です。


先生が手をかけ過ぎてしまうと、一時的に学力が上がったとしても、自律できなくなってしまうんです。自分でやることを見失って、受け身になってしまうから。そういう子どもは必ず人の文句を言うようになる。先生の教え方が悪い、環境が悪い、学校が悪いって。そして、将来、世の中に出てからも人のせいにしかしないから不幸になってしまう…

世界はどんどん多様な価値観を許容する方向にシフトしてきているように見えるけれど、世代間価値観ギャップは逆に広がっているように感じます。学校教育はどのように変わっていくのか気になって読んだこちらの本。とてもとても面白かった。学校教育の在り方を根本的に問い直すお二人の対談は、教育に興味のある方にはとりわけおすすめしたい。1時間ほどで読めてしまう短い内容ですが、教育の本質が詰まっていると思います。

理性的なものが強い価値をもつこの知的な社会にあって、感情というものは一段低くみられる対象にあることは否定できない。  ほとんどの人にとっては、理性や知性は感情より重要なものなのだろうが、私はそれとは反対に、感情こそ理性や知性より数段も重要だと思う。  それは、理性や知性よりも感情のほうが「自然」に近いところにある…

感情よりも理性を重要視した結果、失ってしまったものがある。サッカーを見ていても、目に見える論理的な情報ばかりが優位になり、内側の感情が殺されていないだろうかと。サッカーに限らず、日本という同調圧力社会+αで更に感情が蔑ろにされてしまうことで失われてしまうものが少なくない気がする。

小説

「教えないとは言ってません。『わからない』という言葉を使えば大人が丁寧に全部教えてくれるということに慣れすぎてしまったら、子供の考える力は育たないと言っているんです。彼らが『わからない』と大人を頼る問題の大半は、自分の力で何とかできるものです。そういうものに対して丁寧に解説してくれる塾が世の中では『いい塾』って言われますが、私はそうは考えていません…

塾経営者の物語。共感と学びが多すぎて小説なのにかなりのメモを取りました。喜多川さんの本は「運転者」を読んでから著書を読み漁ってますが本当にハズレがなくて毎回心が温まります。

東京下町の純喫茶トルンカの物語。
いや、めちゃくちゃ良かった。読み終えるのが寂しくなるほど、本当に素敵な物語でKindleで買ったけど文庫も買おうかな。

他の人が持っていても、自分の人生に必要なければ追い求めない。逆に誰も持っていないものであっても、自分の人生に必要ならば、何としてでも手に入れる。そういった自分なりの価値観を持つ必要がある。   他人となんか比べなくても、昨日の自分よりも一歩でも前進しようと努力しているとき、人は幸せを感じるようにできている…

上京した若者が社会で生きていく上で大切なことを学んでいく物語。人生で大切なことが散りばめられていて、もうアラフォーの自分にも改めて自分と向き合うきっかけをくれた本でもあります。これは若い子にぜひおすすめしたい一冊。

運動神経がよく何でも器用にこなす主人公は、ハケン部員として、様々な部活の欠員を埋めるという面白い設定で引き込まれて、数時間であっという間に読み切ってしまった本なのであまり細かいことは書かないのですが、めちゃくちゃ面白かったです。

スピーチライターの物語。
大好きな先輩がおすすめしていたので読んでみたのですが、いやこれは今年読んだ小説の中でも3本の指に入る名作。また読み返すこと間違いない一冊です。

ここで紹介した本以外にも、ビジネス・マーケティング系の本や、サッカー関連の本も結構読みましたので、それはまた年末年始の時間のあるときにまとめようと思います。


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