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サッカーファンになるきっかけは、ピッチ外の楽しい空間、関わる人たちが生み出す最高の空間はコミュニケーションで生まれる

近所の緑地公園に子どもたちを連れてよく遊びに行くのですが、その公園の管理ボランティアをされている方(Oさん)と、たまに世間話をするんです。お互いに少し時間があったタイミングでちょっと長めの立ち話をしたのですが、その時にOさんが素敵なお話をしてくれたんです。

私がOさんにこんな話をしたのがきっかけです。

「公園がもっと交流が生まれる場にできたらいいですよね。自然とコミュニケーションが生まれる空間というか、地域の人との交流の場にできたらいいなと。僕は小さい頃、知らない大人に遊んでもらった記憶がありますが、今ってほとんどそういうのがないのが寂しくて」

すると、Oさん(推定60歳)がこんな話をしてくれました。

僕が小さかった頃の話をしましょう。
小学生の頃、父親と兄と巨人と阪神の野球観戦に甲子園球場に行ったんです。 僕らは巨人ファンだったのですが、巨人ファンの層と阪神ファンの層のちょうど境目にいました。阪神ファンがすぐ後ろにいる位置だったんです。

阪神ファンのおじさんたちが本当に面白くて、ちょいちょい後ろからちょっかいだしてくるんですよ。

「お兄ちゃん、巨人ファンかいな。阪神におもろい選手おるで、○○とかな浮気ばっかしよんねん。でも、たまーにごっついやつ打ちよんねん」

とか

「お兄ちゃん、上手いもん食わしてやるからちょっとだけ阪神ファンになってみいひん?」 って、

みんな楽しそうにちょっかい出してくるんですね。
巨人ファンの人たちもそんな面白いおじさんたちとのやりとりを見て笑ってるんです。野球も好きだったけど、球場のそんな楽しい空間が好きだったんです。

今井さんの言うようにコミュニケーションすごく大事です。楽しい空間って人を楽しませるコミュニケーションで生まれる可能性がありますよね。関西と関東は文化が違うから難しいかもしれませんが、このおじさんたちのおかげで僕は阪神ファンにはならずとも阪神にはいい印象がずっとあります。子どもにこんな楽しいコミュニケーション取れる文化って素敵ですよね。

もう一つ面白い話をしましょう。
これも小学生くらいの時の話、関西の某強豪野球大学の試合を父と観に行った時のことです。
試合後に、父親がその大学野球部の監督と知り合いだったのですが、僕がそのチームの一人の選手のファンだったので、父が「ちょっとうちの子と写真撮ってやってくれないか」って掛け合ってくれたんです。
そしたらその監督が、ええでって言って僕を選手たちが乗ってるチームバスに乗せてくれたんです。少しの時間だったけど、選手たちがバスの中で写真撮ってくれて、遊んでくれたんです。もみくちゃにいじられながらワイワイ楽しい思い出で、今でも鮮明に覚えてます。
こういうコミュニケーションって一生記憶に残るんですよね。

素敵なエピソードですよね。
人を楽しませるコミュニケーションってすごい可能性があるなと思いました。

サッカーファンになるきっかけは、競技以外の空間だったりする

サッカーが好きになるきっかけって、プレーヤー目線だと、多くの場合サッカーをやってみて、ボールを蹴ってみて楽しいと感じた瞬間から始まります。
だからこそ、子供のサッカーに関わる指導者、保護者の関わり方の重要性を問い続けているわけですが、それ以外にもサッカーが好きになるきっかけはたくさんあります。

W杯やJリーグを観戦して面白い、カッコいいと感じてファンになる人など、プレーする視点以外にもサッカーを楽しむ人がたくさんいます。

サッカー協会やJリーグ、サッカークラブもそんな空間の充実、体験の充実を目指していると思います。

でも、本当に大切なのは、その空間にいる人たちが生み出す雰囲気、コミュニケーションなんだろうなと思いました。

今回ご紹介したOさんのエピソードのように、人の記憶に一生残る温かい体験を生み出すのは、選手たちのピッチ上の表現だけではなく、スタジアムにいる人たちが生み出す雰囲気やコミュニケーションがすごく大事なんだと思いました。

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