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広告代理店プロデューサーから和牛屋さんのマーケティング担当になった私がチャレンジしていきたいこと

皆さんこんにちは。
東京食肉市場にある和牛卸売を営んでいる会社「株式会社オーエムアイ」でマーケティング担当をしております、尾身彗斗(おみけいと)と申します。

前職は広告代理店でプロデューサーとして働いてきまして、この2023年の4月から牛肉業界に携わっています。

前回がはじめましての記事で自己紹介をさせていただきましたが、
今回から本題と言いますか、非常に重要な部分である
和牛屋さんのマーケティング担当となった私がこれからチャレンジしていきたいことについてお話できたらと思います。

まだまだnoteに慣れない中での拙い文章かと思うのですが…
よかったらお時間ある際にでも読んでいただけたら嬉しいです!

そもそも私が和牛に対して思っていたこと


前回のnoteでも紹介させてもらっていたのですが、私がいる「株式会社オーエムアイ」は私の父が代表取締役を務めている会社です。
物心ついたときから和牛屋さんの息子だった私は、想像にたやすいと思いますが、何も意識せずに自然と和牛に触れており、やはり日常的によく食べる機会が多かったかなと思います。

ただ、これはあくまでも推測ですが、たしかに通常の人よりは焼肉やBBQなどで和牛を食べる頻度は高かったと思いますが、おそらく皆さんが想像しているよりも食べていないです。
というか、「よく食べたな~美味しかったな~」と感じた記憶がほぼ残っていないのです。

何が言いたいかというと、それくらい、幼い頃の私にとっては【和牛=無関心な存在】でした。
(父に対しては、息子がこんなんでなんか申し訳なかったなと反省しています…笑)

それから大人になった後でも、和牛に対しての関心は薄いままでした。
そんなに食べたいと思わない、周りの人が食べたいなら食べる、だから美味しい焼肉屋さんとか知りたいとも思わない。
そんな状況がずっと続いていました。

少しずつ意識が変わってきたのは、社会人になって会社仲間でのバーベキューやホームパーティーがある際に、父がお肉屋さんなので、という理由でお肉を持っていった時のことです。

みんなが、私の持ってきた牛肉にすごく喜んでもらって、すごく美味しい美味しいと感動してもらえるのです。
お肉を持って行って頑張って焼いていた私の身としては、なんだかすごく誇らしい感情を抱いたのを覚えています。

そこから和牛に対しての意識が次第に強くなっていったのですが、
考えれば考えるほど、私が和牛に対して思ったのは
「和牛はもったいない存在になっているのでは?」ということでした。

【和牛=高級・特別な存在】と捉えられすぎていて、多くの人が自分向きのものではないと思ってしまい接点が少ない。
そして、“和牛”という名でありながらも、“日本を代表する食”というイメージはおそらく皆さんの中にあまりないでしょう。
ご褒美的な存在としても、寿司や天ぷらなどのイメージが強く、
せっかくの魅力ある食材にもかかわらず、すごく微妙なポジションに立ってしまっているのでは?もったいないな…!と感じるのです。
(ご褒美に「肉食べたい!」という人は一定数いると思いますが、これはおそらく“和牛”ピンポイントで食べたい!とは思っていないですよね)

もっと和牛を多くの人が身近に楽しんでもらえるように。
私のような、これまで和牛や国産牛に対して関心がなかった人に、いかに興味を持ってもらえて、その美味しさを実感してもらえるか。
美味しい和牛そのものを提供する、というよりも、そんな和牛を楽しめる体験に繋がる“きっかけ”を提供したい。
この想いを胸に抱いて、4月から牛肉業界に入り取組みを進め始めています。

調査から分かった、多くの人が抱いている和牛への距離感


マーケティング担当として牛肉業界に入ってからは、何から始めたらよいか…と最初は色々と試行錯誤していましたが、
広告業界でお世話になっていた仲間たちにも相談に乗ってもらい、まずはターゲットである世の中の生活者の牛肉に対する意識調査に力を注ぐことにしました。

多くの人がおそらくあまり牛肉に対して強く意識をしていないと思いながらの調査で、さてどんなことが発見できるだろうか…と思っていたのですが、
本当にほとんどの人の回答から見いだせたのは【和牛との距離感の遠さ】でした。

「和牛をもっと食べたいと思いますか?」と聞くと、80%以上の人が「もっと食べたい」と答えます。

ただ、「じゃあ何で食べないんですか?」と聞くと、
ほとんどの人が「高いから」「贅沢品だから」「特別な日に食べるものだから」と答えていました。

そして、同じように多くの人が答えたのが
「どうやって家で調理したら良いか分からないから」
「家で美味しく食べれる方法が分からないから」
という回答。

そして更に掘り下げて聞いていくと、
「和牛や国産牛は良い食材だから、何か調理に使うのはもったいなくて気が引けて、結局シンプルに焼いて食べてしまう」という回答が。
このように答えた人は本当にびっくりするくらい多かったです。

自ら反射的に、無意識で和牛と距離を置いてしまうんだな、そんな印象を持ちました。

この調査を踏まえてやはり私が抱いたのが、
「和牛って多くの人が食べたがっている食材なのに、その距離感の遠さから食べられていない…なんてもったいない存在なんだろう」という想いでした。

※この調査に関しては色々と発見がありましたし、まだまだ分析しきれていない部分もあるので、またどこかでnoteでご紹介できたらと思います。

和牛と生活者との距離を縮める


この調査を踏まえて、そして、私自身の原体験や潜在意識も踏まえて、私がこれからチャレンジしていきたいことが固まっていきました。

それは、
和牛=特別な存在というイメージを払拭し、より身近な存在として感じてもらえるように、普段の日常の中でその魅力を楽しんでいただける“きっかけ”を提供していくこと。
和牛の魅力を知ってもらう・体験してもらうきっかけづくりを通じて、人々の毎日においしさと喜びを提供していきたい
と考えています。

そもそも私が広告業界に入り、プロモーションなどプランニングする時に常に大事にしていた考えが【自分ゴト化】でした。

いかにその商品を生活者に自分ゴト化してもらえるか。
商品と生活者との距離を縮め、普段の日常の中に溶け込ませていく、ということに他ならないかなと思います。

(しばらく忘れていましたが、新卒で広告業界を志望していた面接の時からずっと「自分ゴト化が大事だと思っていて…」と語っていたのを思い出しました。笑)


これからの私のチャレンジとしては、
多くの人に和牛を自分ゴト化してもらい、魅力を知って楽しんでもらうきっかけを生み出すことで、
和牛=特別な存在だとか単なる高級食材、という少しずつイメージを払拭していけたら
と思っています。

その先に、和牛が多くの人に愛され、次世代まで継承される、日本らしい食文化をリードする存在になっていくような貢献ができたらなと思います。

いま弊社のホームページでは、
「OMIは食肉を通じて未来を創造」と書いておりますが、
私としては、食肉を通じて新たな体験のきっかけをつくり、多くの人においしさと喜びを提供できたらなと、そんな未来を創造していけたらなという所存です。

次回のnoteについて


また今回もあっという間に3,000字に迫ってまいりました…!
ついつい長く書いてしまいますね。。
ここまでお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました。

次回のnoteは、まさに今回お話した、和牛や国産牛に触れるきっかけを生み出せたら、という想いで開発して現在販売している「モッタイナイビーフ」についてご紹介できたらなと思います。

まだまだ慣れない中の拙い文章で恐縮ですが、よかったらお時間がある際に見ていただけたらとっても嬉しいです!

では、またお会いできることを楽しみにしています!


株式会社オーエムアイ マーケティング担当
尾身彗斗




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