見出し画像

予想通り無事死亡

まあ今更何をとしか言いようがない。
結局俺はそういう人間だ。
近々俺は破産宣告をする。


プロフィールでもチラッと書いていた通り、訴えられていた裁判が終わったのだ。
俺の中の正義も頑張りも、結局何も伝わることはなかった。
そんな格好のいいものではないけれども(笑)


まずは詳しい経緯を書いていく。
子供も生まれてパチプロを辞め、アフィリエイトなどパソコンを使った仕事をすることにした。
普通のサイトもあればエロサイトもある。なりふりなんてかまってられない。

五体満足な身体があればいいのだけれど残念ながらそれはない。
本当はもっときちんとした商売をと当時いろいろ考えてもいたが、貯めていたはずの資金を嫁の両親に取られた上に、2度の借金の建て替え事件で全て泡と消えた。

そんな状況で手っ取り早くできたのが、商品をブログ上で紹介して購入してもらうアフィリエイトだった。

当時からちょこちょことブログのようなものに駄文を書いていて、それなりに応援してくれている人がいたのもあり、意外と簡単に波に乗ってしまった。
今のようなインフルエンサーではないけれど、何かを紹介したら「ここから買うように俺も紹介しとくよ」とやってくれる人がたくさんいて、ネズミ講のように紹介料が入ってきた。紹介された人が更に誰かに紹介していったのだ。

それに加えてエロサイトだ(笑)

いつもすすきのでハァハァしながら育った俺は、そっち方面も大好き。
ただ普通にやってもしょうがないから、本当に良いエロサイトを紹介したり批評したりするサイトを作った。

恨まれようが駄目なものは駄目とはっきり書き、詐欺サイトなんかは掲載することすら門前払い。
そのうち「アダルト」と検索するだけでグーグルの1ページ目の上位に表示されるようになった。

そうなれば黙っていても皆が勝手に広告を踏んで、有料サイトの会員になっていく。
どうせ有料サイトに入るなら、批評サイトで薦められてるところにしようという人が大勢いるからな。

有料サイトも実際に会員になってみて「こういう特徴があって、こういうところは駄目だけれど、こんなところはすごく楽しめた」と正直に、尚且詳しく書いたのが功を奏した。

気がついた時には俺の月収は50万、一緒に真似して似たようなサイトを運営していた嫁も月収30万はあったんじゃないだろうか?

まずは順風満帆だった。
いいスタートを切れた。


最初にコケたのはリーマンショック。
それまで上り調子だったのが明らかに下降線を辿り始めた。
あれ?今月は10万少ねーな。おや?今月は20万少ねーなと。

困ったなぁと思った時には二人合わせて収入が30万くらいだったか?全盛期の半分以下だ。

それでも暮らしていくのにはなんとかなっていた。
それ以降もジワジワと収入は減っていたが・・・それから数年後、決定的なことが起きた。

東日本大震災だ。

これで俺を紹介してくれていた人達がほぼ音信不通。
そもそもそんな中で商品なんて売れないし、紹介なんてする余裕もない。
それよりも痛かったのは俺のサイトを通じてエロサイトの月額会員になっていた人達。

有料サイトにクレジットカードを登録して、解約しない限り継続会員として更新していくタイプなんだけれども、2011年3月から4月にかけて俺はおぞましいものを見た。

大量の引き落とし不能の文字。いわば恐らくそれは・・・死亡通知。

収入が減るのは当然痛い。
ただそれよりもあまりに心が痛すぎる。やる気も削がれる。
これからまた頑張ってエロサイトの会員増やすぞ!なんて思えるかよ国がこんな状況で。

それでもやらねばならぬと無理やり立ち上がったが、この辺りから異常なほど動画サイトが増えだした。
そうなればもう有料会員サイトに登録しようなんていなくなり、無料で楽しもうとする人がほとんど。

その中には動画をまるごと一本アップしてしまう人もいて商売は上がったり。
そんなことをすれば正規品は売れなくなるし、儲からなくなれば俺のように紹介する人もいなくなる。
紹介する人が少なくなれば更に売り上げは下がり、AV業界だけじゃなく全てが疲弊していく。

先の批評サイトでもそれを口が酸っぱくなるほど書いていた。
いつか自分の首を絞める事になると。

折角の動画サイト、折角のSNS。
有効利用すればその爆発力は知っての通り。
なんとか正しい道へと進ませたい。


そこで俺は動画紹介ブログを開設し、画質を落とした短いサンプル動画を作ってその商品の正規購入サイトへの広告を貼ることにした。
そうしてその動画の良いところをブログを含めたSNS等で拡散して、欲しいと思った人に購入してもらう。

沢山の人に紹介できる上に、紹介者にはアフィリエイトとしての収入もでき、正規購入で販売元も儲かる。
AVを見たい人もパッケージだけの少ない情報だけじゃなく、ある程度のサンプル動画で内容を精査することができ、期待はずれな作品を購入することも少なくなる。まさにWin-Winの関係。

一本まるごとアップロードしてる人達にそれを訴え続け、俺自らその道標を。もっといい道があるはずだと。


そうして俺は訴えられたのだ。


そのサンプル動画が訴えられたのだ。
サンプル動画1視聴につき300円の損害賠償を払えと。
損害額は4000万円超。民事裁判での請求額は140万にしてやるときた。

唖然とした。詐欺だと思った。驚いた。

上に書いたような話もきちんと説明した。
画質を落とした8分のサンプル動画に、購買意欲をなくすような要素はないことも説明した。
正規購入サイトへのリンクも貼って買ってくださいと誘導してたことも。



画像1

その全てが認められなかった。

それはお前の勝手な正義だと言われればもう言葉もない。
確かにそうかも知れないな。残念だ。
助けていたつもりが恨まれていた。
倒れてた老人助けたら、その老人に「お前のせいだ!」と訴えられて裁判で負けて金を払わされた中国の青年のようだ(笑)

ただ一番残念なのは、今窮地に陥ってるアダルト業界を救う新しいひとつの道が閉ざされてしまったことだ。

あと一本まるごとアップロードしている、俺が一番毛嫌いしていた連中と一緒にされてしまったこと。
それに対抗すべく示した道だったんだけどなぁ。


時は流れいつの間にやら俺の収入は月1万あるかないか。
元パチプロでしかも障害者で、もうヤル気もない奴にしては上出来だろ(笑)
当然140万なんて支払い能力もなければ、何かを売ってなんとか出来る財産もない。
家賃を17ヶ月分も滞納してる身だ。

すでにブラックリストに掲載されてクレジットカードも作れない。
車もなけりゃなにもない。
つまり自力自己破産状態。

その「自力」がとれて正式に自己破産するだけの話。

裁判の結果を見て真っ青な顔しながら自己破産の条件を調べて笑ってしまった。
とっくに破産後の状況や条件と同じになっていたなんて(笑)


骨折しようが自転車で前転して顔面崩壊しようが、ゲラゲラ笑ってたのはこのため。
もう十分だ。
俺はもう十分なのだ。



頂いたサポートはお酒になります。 安心して下さい。買うのは第三のビールだから・・・