見出し画像

台湾映画「弱くて強い女たち」を観て

2024年1月は台湾音楽と映画強化月間。(個人的な話です)
映画はなかなか本数を観ることが出来なかったのですが、気になった映画
「弱くて強い女たち」(2020年)は観ました。
簡単にまとめると母と、その母が一人で育てた三人姉妹との家族映画。何十年も音信不通だった夫が亡くなったことをきっかけに、娘や兄妹、夫の恋人との関係が変化する様を淡々と綴るような映画でした。

「国民おばあちゃん」ことチェン・シュファンは屋台から大きなお店を建てる程頑張った母親として、時には娘との争いで動揺したり、ここぞという時は正面から向き合う強い女性として描かれており、とても素敵な母親役でした。他の出演作も気になる。

長女役としては日本でもお馴染み、ビビアン・スー。
しっかり者の長女として妹たちや娘、母に対してもちょっと強めな態度で接する役柄。
好きなシーンは夫の浮気を疑い、離婚を切り出されるならこちらからとばかりに話す態度と、娘が留学を嫌がる本音を話した時に部屋を飛び出すも入り口で中の会話を聞いているシーン。
長女であるが故に求められるどこに出しても恥ずかしくない子供として期待されるプレッシャーと、それに応えてきた時間を誰かにわかって欲しい気持ちを言葉にはそれほど出すことなく演技で語っていた気がします(自分も長男なのでちょっとわかる)他の兄弟には理解されない気持ちも上手く表現していたな、と思いました。
映画のエンディングテーマも彼女の曲です。

自由奔放に見える次女と、母にお店を任されるも父を知らないが故に求める気持ちを演じた三女のお二人も素晴らしかったです。

終盤、母はある決断をします。それは娘たちも納得する結果になったと思います。
それと同時に現れるあの人。こちらまで救われた気持ちになりました。

実は自分の母の人生と共通する事が多い気がして、この映画はちょっと特別なものになりそうです。母は数年前に他界してしまいましたが、一緒にこの映画を観たかったなと思いました。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?