物語を紡ぐ才能が欲しい、と思った話
最近になって、物語についてよく考える機会があったので、今回はその話だ。
ここ数日、影山ヒロノブ氏の「僕達は天使だった」が脳裏で流れている。鳥山明先生の訃報から五日経ったが、この調子だ。
でも私と似たような状況にある方は少なくないと思う。
彼の作った作品は、世界共通の価値観であり青春そのものだと断言してもいい。それぐらい『ドラゴンボール』は影響力のある作品だと思う。
それとは別に、ひどく個人的で悔しい思いをしたことがある。
別名義でオンライン上に書いている長編小説を絶筆した。とても情けなくて、今後二度と同じことを繰り返さないように、振り返る必要があると思った。
この場を借りて、今回はその話をする。
ほとんど個人的な暗い反省会というか、愚痴のような内容が満載になると思うので、とある小説が途絶えた例として、気になる方だけ読み進めてもらえればと思う。
反省点
①見切り発車で書き始めた
失敗したと思っていることは、ストーリーや人物設定を充分に決めておかないまま、創作意欲の衝動に負けて書き始めてしまったことだ。
もちろんある程度は考えていたが、あとは書きながら考えていけばいいのだと思っていた。
断言する。実力不足だ。
ついでに言うなら、ある程度書き溜めてから少しずつ掲載していかねば、ほぼ某週刊少年誌の連載漫画家のような、過密スケジュールで書かなければならなくなる。ネタ切れになったとき、相談できる相手もいない。
向こうは給料をもらっているプロだが、こちらは無報酬で書いているアマチュアだ。モチベーションの維持や緊張感の差異は、比べるまでもない。
②方向修正が利かなかった
途中で物語の進む方向が思い通りに行かなかったが、オンラインに少しずつ掲載している手前、今までのものを大幅に書き直すということもできず、方向修正も難しかった。
ある程度、経由していく物語の要点やポイントは踏襲していたが、そこへたどり着くまでの道中(骨組みや肉付け)は思いつきで書いている傾向があるので、これは思考不足だった。
もっと深いところまで練って、書き始めたほうが良かった。
③余計な設定や描写を盛りすぎた
また設定を、自分の創作力以上に膨らませてしまったという失敗もある。
思いついた設定をすべて盛り込む必要はなかった。
書いているうちに詳細な情景を書くことに夢中になってしまい、情報過多でいらない描写の多い文章になってしまった。
例えば、この主人公が腰掛けていた椅子がどんなものかといった、過剰に装飾した描写が大量にあり、後で同じ椅子を使って描写するときに、
「はて、この椅子は何色で何の材質でできた物だったか」
といった疑問が、大量に湧いてきた。
読者にとっては本筋に関係ない雑多な情報だったと思うし、書く側にしてみれば小物の描写に時間を取られすぎて物語が進まない。
やってもいいことがない、余計なことだった。
④添削が足りなかった
私は書き上がった嬉しさから、書けたものはすぐにアップロードしてしまう傾向があるが、これは直していった方がいいと思った。
誤字や脱字が多く、描写過多、思いつきで書いた文章の傾向が強い。
また、週一でオンラインに更新するという目標を掲げていたため、締切に追われて、日付が変わるギリギリに掲載することもあった。
できれば一晩寝かせたり、文章を印刷してペンで添削し、修正を繰り返した方が良かった。スケジュールが甘かった。
とても、もったいなかったと思っている。
良かった点
①リアルタイムで感想が読める
ではオンライン小説連載は悪いことばかりなのかというと、そんなことはない。
良かった点も、もちろんある。
まずひとつ目は、連載しながら読者の感想が得られるということだ。
良いことも悪いこともたくさん書いてもらえる。自分の文章の長所に気づくこともあるし、欠点を思い知らされることもある。
時には詳細な設定を訊かれたり、今後の展開を探られたり、困ることもあるのだが、素直ないい感想をもらえるということはモチベーションに繋がる。
ブックマーク数やいいね数もモチベーションにはつながるのだが、数字だけではない生の肉声というのは、心に響く。
作者も血の通った人間だ。やる気になれば創作力も上がるものなのだ。
②自分で〆切が作れる
期限がないと人間はなかなか動かないというが、その通りだと思う。
自分で掲載日や曜日を決めてしまえば、もうタイムリミットが目前になって、動かざるを得なくなる。
このnoteも、週に二回更新(水曜日、土曜日)と自分で決めているからこそ書けているのであって、いつでもいいとなったら、いつまで経っても完成しないかもしれない。
自分の体調やスケジュールと相談しながらになるのだが、ある程度は更新頻度は早めがいいと思う。
③他人と見比べて自分の欠点を知れる
ブックマーク数やいいね数に関係する話だが、オンラインに掲載するとなると、人気作品は数字で判断されがちになる。
それを指標にした荒療治があるのだが、自分よりもブックマーク数が多い作品をあえて無視しないという方法もある。
自分よりも人気の作品は、何かしら理由があってそうなっている。
それをあえて直視するのだ。
より良い作品にしたいと思うのなら、なにかしらブラッシュアップが必要になる。
自分で勝手にリスペクトしている人を見つけて、理由を徹底的に考えてみる。自分にはない強みがそこにはある。
他人とのブックマーク数やいいね数でキリキリしたくないという人は、それでもいいと思うのだが、より良い作品を作りたいと思うなら、数というのも一つの指標として利用するのはありだと思う。
自分で考えるだけでもこれだけ反省点と良い点が出てくるのだが、これを作品に反映させられるかどうかが、腕の見せ所だと思う。
形にならなければ意味がない。もっと良くしていきたいと思う。
ほぼ一人反省会のようになったが、最近の出来事としてこれらで頭がいっぱいになっていたので、文章にして落ち着いてみようと思って記した。
次の更新は十六日(土)の予定です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。よかったらまた次回もお会いしましょう。
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