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歌詞「五山送り火」

1.今夜送り火見いひんか?
  あなたの誘いは気まぐれで
  母の残した博多帯(はかたおび)
  小千谷縮(おぢやちぢみ)を合わせましょう

  初めてふたりが会ったのは
  朱い鳥居の続く道
  曲がった先が見えなくて
  足のすくんだ石畳

  うなじに当てたカミソリが
  うっかりすべって血がにじむ

  五山送り火 燃え尽きて
  最期は真白い灰になる
  あなたにきれいと言わせたら
  今夜消えても もう いいの

2.上賀茂橋(かみがもばし)でつまずいて
  あなたが差し出す掌(てのひら)を
  ひとりじめには出来ぬよと
  根付(ねつけ)の鈴が鳴りました

  いつの間にやら母に似て
  人に言えない恋をする
  五山送り火 空の上
  きっと笑って見てますね

  引くに引けない戻れない
  襦袢(じゅばん)の内に火照(ほて)る肌

  五山送り火 天を衝(つ)き
  燃える炎に身を投げる
  あなたが涙を見せたなら
  それでわたしは もう いいの

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締切: 7月17日

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