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MBAでの学び⑧「経営戦略とは、やらないことを決めること」

MBAで経営戦略を学ぶ際の重要性は、「やらないことを決める」ではないでしょうか。

私はMBAで学ぶまで、戦略構築を「経営戦略」と考えていましたが、多くの成功企業は戦略をトレードオフしながら、リソースをうまく配分しているように思います。

よって、競争が激しいビジネス環境で成功を収めるためには、「何をするか」よりも「何をしないか」を明確にすることが不可欠ではないでしょうか。

本記事では、MBAで学んだ戦略的思考の技術を解き明かし、あなたのビジネスの将来を切り開くための知見を提供したいと思います。

また、成功への道を切り拓くための、おすすめの参考書籍も紹介します。

MBAで学ぶ、戦略的思考の本質

戦略的思考はMBAプログラムにおいて中心的なテーマです。

戦略へのアプローチは、長期的な成功を確保するために必要なスキルを養うために重要です。

戦略とは、競争の中で優位に立つための計画策定プロセスです。

私は、このプロセスにおいて、どのようにして「やらないこと」を決めるかが重要だと理解しました。


経営戦略とは

経営戦略は、組織が目標を達成するための道筋を定めるものです。

MBAでは、経営戦略のプログラムにおいて、ビジネス環境を正確に分析し、効果的な戦略を立てる能力を身につけることを主眼にしています。

結論から言うと、経営戦略は企業の生存と成長の鍵となります。

なぜ戦略が必要かといえば、競争市場において方向性を設定し、リソースを適切に配分するためです。

成功している多くの企業は、徹底した市場分析と顧客のニーズを通じて、その戦略を形成しています。

この過程で「やらないこと」を決めるのは、限られたリソースを最も効果的な取り組みに集中させるため、必要不可欠な意思決定です。


「やらないこと」の選択

「やらないことを決める」という考え方は、リソースの過剰な分散を防ぎ、焦点を絞った戦略を推進する上で極めて重要です。

このアプローチにより、組織は重要な取り組みや機会に集中し、無駄を省くことができます。

ビジネスの世界では、全ての機会に等しい価値があるわけではありません。だからこそ、選択と集中が必要です。

ネットバンクの事例

「やらないことを決めること」の重要性について、ネットバンクのビジネスモデルは私たちに示唆を与えてくれるケースです。

ネットバンクのアプローチは、特にリソースが限られている状況下での戦略的決断として、経営戦略における核心的な考え方といえます。

ネットバンクのビジネスは、特定の業務にリソースを集中させることで、その分野において顕著な成果を上げることができるという点を強調しています。

まず、ネットバンクの「やらないこと」とは、リアルな店舗を持たないことです。

これにより、物理的な店舗運営に関わる膨大なコストと労力を削減し、それをオンラインプラットフォームの開発と改善に再配分しています。

この戦略は、顧客がデジタルインターフェースを通じて行う銀行取引の利便性を高めることに直接的に貢献しており、顧客満足度の向上を実現しています。

また、システムを内製するという選択も「やらないこと」の一環です。

外部ベンダーに依存せず、内部リソースを用いれば、フィードバックループを迅速にし、顧客体験の改善をよりスピーディに行うことが可能になります。

この内製化の戦略は、ある意味では時代に逆行していたかもしれませんが、顧客の声に耳を傾け、それをサービス改善に生かすというサイクルを短期間で実現するための重要な要素だと考えます。

これらの選択が示すように、「やらないことを決める」ことは、組織が持つ限られたリソースを影響力のある活動に集中させるための効果的な戦略といえます。

ネットバンクのビジネスモデルは、リソースの集中により得られるシナジーを最大化することで、市場での競争力を強化していく典型的な例でしょう。

結局のところ、「やらないことを決める」戦略は、単にリソースを節約するだけではありません。

組織が目指すべき目標達成のために、どのようにリソースを配置するかという点において、明確な方向性を示すための重要な手法だと考えます。


おすすめの書籍

「やらないことを決める」という戦略的思考に基づく、おすすめの書籍を3冊ご紹介します。

『エッセンシャル思考』 (グレッグ・マキューン著)

この本では、「エッセンシャル思考」という概念を紹介しており、多忙を極める現代人が本当に重要なことにフォーカスするために、何を選択し、何を排除するかについて詳しく解説しています。

ビジネスだけでなく、日常生活においても効果的な方法を提案しています。


『ストップ・ドゥーイング・リスト』 (ジム・コリンズ著)

『ビジョナリー・カンパニー』の著者が提唱する別の重要なコンセプトがこの本です。

この本では、成功のためには何をやめるか、つまり「やらないことリスト」を作成することの重要性が強調されています。

戦略的な放棄がいかにして効果を生むか、具体的な事例を交えて解説されています。

この書籍の日本語訳は現在販売されていませんので、英語版をご利用ください。


『トレードオフ』 (ケビン・メイニー著)

この本では、成功する製品やサービスが持つ「トレードオフ」、つまり顧客がある利点を受け入れる代わりに何を犠牲にしているかを分析しています。

メイニーは、「便利さ」と「品質」の間のトレードオフを中心に議論を進め、市場で成功を収める製品やサービスがどのようにしてそのバランスを見つけるかを探ります。

この本は、直接的に「やらないことを決める」というテーマには触れていませんが、トレードオフの概念は間接的にこの戦略に関連しています。

事業を運営する際に何を優先し、何を犠牲にするかという選択は、実質的に「やらないことを決める」ことにつながります。

メイニーは、企業が市場で成功を収めるためには、顧客のニーズに最も合致する製品特性に焦点を当て、他の要素を意図的に削減することが必要であると論じています。


ここで紹介した書籍は、戦略的に「やらないこと」を決める方法を学びたい人にとって、非常に有益な思考方法を与えてくれると思います。

それぞれ異なる観点から「やらないことの重要性」をテーマとして扱っており、戦略策定に役立つ内容です。


まとめ

私はMBAでの学びを通じて、経営戦略の本質として「やらないことを決める」重要性を理解しました。

競争が激しいビジネス環境で成功するために、組織はリソースを効率的に活用し、重要な取り組みに集中する必要があります。

元銀行員としての経験からも、資源を適切に配分し、不要な活動を削減することは、競争力を高める上で極めて効果的だと考えます。

本記事では、MBAで養われる戦略的思考の技術を解説し、経営戦略を形成する過程で「やらないこと」の選択がいかに企業の生存と成長に寄与するかを考察してみました。

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