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ピケティの「21世紀の資本」を読めばサラリーマンの人生観が変わる

トマ・ピケティの『21世紀の資本』は、資本主義の不平等を解き明かす一冊であり、私の人生観を大きく変えました。

本書が示す「r > g」というシンプルな不等式が、資産を持つ者と持たない者の間にどう格差を生むのかを理解すると、労働だけに頼る生き方への不安が生じました。

この記事では、ピケティの理論を初心者にもわかりやすく解説し、私が投資を始めた理由とその重要性をお伝えします。

資産形成に興味がある方、将来の経済的不安を軽減したい方には、必見の内容です。

読後には、きっとこの本を手に取ってみたくなるでしょう。

ピケティの「21世紀の資本」とは

トマ・ピケティの『21世紀の資本』は、資本主義がもたらす所得と富の不平等について分析した書籍です。

この本の中で、ピケティは過去300年以上にわたる経済データを用いて、不平等の構造がどのように進展してきたかを解き明かしています。

特に注目すべきは、ピケティが示す「資本収益率(r) > 経済成長率(g)」という不等式です。

現在の資本主義のもとでは、資本を持つ人々が、労働者よりも早期に富を増やす仕組みを構築していることが分かります。

当時(2015年頃)、私がこの本を手に取った理由は、「資本主義の問題点を知りたい」という興味本位でした。

しかし、読み進めるうちに、自分の人生観が大きく変わり、実際に投資を始めるきっかけとなりました。


「21世紀の資本」における不平等のメカニズム

ピケティの分析によれば、資本収益率が経済成長率を上回ることは常態化しており、資本を持つ者が富を集中させやすい世の中が既に作られています。

この構造的な仕組みが、現在の格差社会の背景にあります。

例えば、不動産や株式といった資産を持つ人は、その収益を再投資すれば、さらに資産を増やすことができます。

一方で、労働収入だけに依存する人は、日々の生活費に追われ、資産形成する余裕はありません。

ピケティが示した「r > g」という不等式は、シンプルながらも非常に強力でな数式です。

現代社会においては資本収益が労働収入を上回る確率が高いため、資本主義の下での格差拡大は自然な結果として生じます。

この考えを理解したとき、私自身「自分も資本を持たなければ」と感じ、投資の第一歩を踏み出すことにしました。

約10年前に投資を始め、少しずつですが、資本収益が増えてきました。


「r > g」とは?

ピケティが提示した「r > g」という不等式は、資本主義において格差が自然と広がる仕組みを簡潔に表現しています。

まず、この不等式が何を意味するのかを分かりやすく説明します。

r:資本収益率
資本、つまりお金や資産を元手に得られる利益を表します。例えば、100万円投資して、年間5万円の利益が出るなら資本収益率(r)は5%です。

g:経済成長率
経済全体がどれくらいのスピードで成長しているかを表す割合です。例えば、経済全体が毎年2%成長するなら、gは2%です。

この不等式「r > g」は、資本(お金や不動産)が生み出す利益率が、経済全体の成長率を上回っている場合、資本を持つ人は持たない人よりも富を増やせることを示しています。

そして、現在の世の中はこの不等式で成り立っています


具体的な例で考える

たとえば、Aさんが1,000万円の資産を持っているとしましょう。

この資産を運用して年率5%(r = 5%)の利益を得るならば、1年間で50万円の収益が出ます。

これに対して、経済全体の成長率が年2%(g = 2%)しかない場合、Aさんが得る利益は一般の労働者の収入よりも増加するスピードは大きいといえます。

一方、資本を持たないBさんは、労働収入が増えたとしても、経済の成長率2%にしか影響されないため、収入増加がAさんに比べて当然遅くなります。

つまり、資本を持つ人の収益は、労働者の収入を上回るため、富裕層と一般の労働者の格差は、年々広がっていくというわけです。


格差が広がる理由

この不等式が示すように、資本の集積は富裕層にとって有利です。

資本が資本を生むという循環が存在し、これが富の集中を加速させます。

特に現代では、テクノロジーの進化やグローバル化により、資本の集積が以前にも増して容易になっています。

私は、このような資本の集中に対抗するためには、資本を持つ側に早く立つ必要があると強く感じました。

また、富裕層は資産を再投資すれば、さらに資産を増やし続けることができます。

しかし、労働者は収入のほとんどを生活費などに充てるため、資産を増やすことは難しいのが実状です。

この「資本が資本を生む」サイクルにより、富裕層はさらに豊かになり、労働者との差はどんどん広がっていきます。

サラリーマンのままでは、一生懸命働いても資産は増えないと改めて理解しました


投資を始める意義

『21世紀の資本』を読み、この仕組みを理解したとき、「自分も資本を持たなければ」という気持ちになりました。

なぜなら資本を持つ側に立つことが、格差の広がりから自分を守る手段となり得るからです。

たとえ少額からでも、投資を始めることで、資本収益率の恩恵を受けることができれば、将来の経済的安定につながる可能性が高まると考えました。

つまり、「r > g」の考えを理解すると、資本を持つことが単なる富裕層だけの問題ではなく、個人が経済的安定を目指すための重要な手段であることが見えてきます。

少額でも資本を持ち、運用すれば、自分自身の未来に投資する価値があるといえます。

ちなみに、銀行への預金は運用ではなく貯蓄です。

そのため、資産形成に該当しません。


人生観を変える「21世紀の資本」の教訓

この本を読んで最も強く感じたのは、資産形成の重要性です。

以前は「労働を頑張れば報われる」と考えていましたが、それは間違っていたと思います。

ピケティの分析を通じて、資本を持つことの強さを実感しました。

そこで私は、少額からでも良いので、まずは株式投資を始めることにしました。

資産を持つことで、労働収入以外の収入源を確保できるようになり、経済的な不安は若干和らぎました。


資本主義の構造的問題を知る

『21世紀の資本』を読めば、現代の資本主義がどのような構造的問題を抱えているかを知ることができます。

私たちが努力だけでなく、経済全体の仕組みを理解することが必要であると改めて感じました。

資産形成が単なる選択ではなく、将来の経済的な安定を図る手段であることに気づかされた覚えがあります。

当時は銀行員で、そこそこの収入もありましたが、そこに止まっていては、いつまで経っても「資本を持つ側」にはなれない感覚がありました。


ピケティの理論をどう生かすか?

ピケティの理論を一般の労働者が活かすために、最初に取り組むべきことは「資産形成のスタート」です。

これは、ピケティが示す「資本収益率(r) > 経済成長率(g)」の不等式が現実の中で格差を広げる要因であることを理解し、その中で自分も「資本を持つ側」に立つための最も現実的な手段だからです。

以下、私が実践しているステップを紹介します。


1. 現在の収支を把握する

まず、投資を始めるには資金が必要です。

そのために、自分の現在の収入と支出をしっかり把握し、どれだけの余剰資金を投資に回せるかを確認します。

家計簿アプリなどを使って、月々の支出を見直すことから始めます。無駄な支出を削減することで、投資に回せるお金を作ることが可能になります。


2. 少額投資を始める

資産形成は一気に大きな金額で始める必要はありません。

少額からでも投資をスタートすることが重要です。

例えば、1,000円単位で積み立て投資ができる投資信託や、株式投資の一部を少額で行うサービス(例えばロボアドバイザーやインデックス投資など)が利用可能です。

こうした投資方法は、リスク分散をしながら少しずつ資産を増やしていくのに適しています。


3. 長期的な視点で考える

ピケティの理論は、資本が長期的に成長しやすいという点にも着目しています。

労働者が資産を持つためには、短期的な利益ではなく、長期的な投資を意識することが重要です。

積立型の投資信託や株式投資を行えば、資産が時間とともに成長していくことを期待できます。

特に、複利の力を活用することで、時間が経つほどに資産が増える効果が得られるため、焦らずコツコツと続けることが大切だと思います。


4. 金融リテラシーを高める

投資を始めるにあたって、基本的な金融知識を身につけることも大事です。

資産運用の方法やリスク管理、経済の基本的な動きを理解することで、より効果的な資産形成ができるようになります。

本やウェブサイト、オンライン講座などを活用して、投資の基礎知識を学びましょう。


5. 節税対策を活用する

日本には「NISA」「iDeCo」といった税制優遇制度があります。

これらの制度を活用すれば、投資による利益にかかる税金を軽減し、資産形成をより効率的に行うことができます。

特に長期投資を考えるなら、これらの節税対策は非常に有効です。


まとめ

トマ・ピケティの『21世紀の資本』は、私の人生観を大きく変えた一冊です。

資本主義の持つ不平等の構造を理解し、資産形成を始めることで、将来に対する見通しが広がりました。

この本を読んで、投資を始めるきっかけが生まれてのは良かったと心から思います。

皆さんもぜひピケティの理論に触れて、自分の人生における経済的な選択肢を考えてみてください。

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