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経理の仕事はAIでなくなるのか?

前段

※本ページはプロモーションを含みます。
経理マンXです。
本日は経理の仕事とAIについて書いてみます。
経理歴10年以上の経理マンが考える結論は「経理はAIに淘汰されることはない」です。
OB訪問などでたまに質問されるこの質問、具体例を用いながら解説します。
下記が目次となります。


経理の仕事がAIでなくなる?

ホリエモンのこの動画で経理はAIでなくなるのか?と思った方も多いのかもしれません。

この動画の内容はさておき、大事なのはポジショントークという概念です。
堀江氏はエンジニア出身(営業?)の社長であり、経理の実務経験は少ないでしょう。
経理がAIでなくなると考えるのは、おそらく経理以外の仕事をしている方が多いでしょう。
逆に経理をやっている人からすると、そんなわけないじゃんと考える人がほとんどでしょう。
もちろん、ポジショントークが悪いという話ではありません。
経理をやっている人ほど「経理が複雑である」と考えている傾向があるということです。

タクシー業界とAI

ここからは、具体的な話をしていきます。
私はタクシー運転手はAIによって仕事が減っていくと予想しています。
ここで言うAIは自動運転を指し、自動運転が当たり前になればタクシーの価値は変化するでしょう。

まずはタクシーで考える

自動運転には様々なメリットがあります。
例えば、
・事故が起こりにくい
・深夜・早朝、いつでも利用可能
・渋滞が減る
特に大きいのは意図しない事故が減るという部分です。
煽り運転を除けば、事故を起こしたいという人はいないでしょう。
それでも事故が起きるのは人が運転しているからとも言えます。
こういった課題解決の可能性を考えれば、車のAI化は政府からしても進めるべき課題とも言えるでしょう。

経理の仕事との違い

一方で、経理の業務はどうでしょうか?
経理には会計というルールがあり、それに従って仕事を進めていきます。
そのルールは原則ながら、各社によって経理の仕事は様々です。
当然ながら、会計のシステムも異なります。(大企業はSAPが多い、クラウド会計ならMFやfreeeもある)
Excelがメインという場合もあれば、小さな会社ならグーグルのスプレッドシートというケースもあるでしょう。
最適な答えは会社(組織)の長(社長)が決めるということです。

そして経理の目的は決算の完成と報告です。
上場していようが、非上場であろうが、1年に1回は決算をして税金を計算する必要があります。
上場企業なら四半期決算と言って、3ヶ月に1回決算を発表する決まりになっています。
目的から考えると、経理のAI化は政府が進めるできことではないでしょう。
もちろん、経理や会社の不正は防ぐべきものではあります。
つまり、AI化によるメリットはその会社にしかないということが言いたいことです。
一方、自動運転によるメリットはタクシー会社にはほぼありませんが、多くの利用者にとって大きいという意味で違いがあります。

経理をAI化してどうする?

経理の仕事を全てAI化することで得られるものは何でしょうか?
経理の人の人件費がなくなるや決算の信頼性が上がる?などがあるかもしれません。
ここで大事な考えが、日本の会社は年功序列で従業員を首に出来ないという点です。
経理の仕事が仮になくなったとして、今まで経理の仕事をしていた人材を営業部門に異動させて活躍出来るでしょうか?
若手ならまだしも、40代や50代から営業初経験は厳しいでしょう。
結局の所、自社の経理をAI化するか否か(完全に出来るかはさておき)はその会社の判断ということになります。
経理をAI化してそれで終わりという話ではないので、AI化によって経理がいなくなることはないでしょう。

AIは歓迎すべき

そもそも経理のAI化とはRPAを指していることが多いのではないでしょうか。
RPAとはEXCELのマクロの延長のようなイメージで、経理業務を理解している人がRPAのプロセスを考える必要があります。
経理を理解していないと、RPAを運用することは出来ませんし、会計ルールが変わる可能性もあります。
近年で言えば「代理人取引」という概念が表に出てきたように、会計の決まりも固定ではありません。
つまり、RPAの運用において最新の会計ルールを理解している人材が必要となり、経理が一人もいない会社だと、RPAの正しいルールが設定出来ない可能性が高いということです。
ただ、経理の人にとってAIは友達のようなものになるはずです。
同じような作業を繰り返すならAI化するに越したことはありません。
AIは正確に設定さえすれば、ミスなく永遠に作業を繰り返してくれるからです。

外資ならあり得る?

日本の企業なら経理の仕事がAIによって完全になくなることはないでしょう。
それなら外資系の会社ならあり得るのでしょうか?
これもNoだと思います。
理由は経理の仕事の複雑性とRPAの特性です。
上記のような経理がいないとRPAのメンテナンスが出来ないというのもあります。
そもそも経理の仕事は複雑なものもたくさんあるので、全てをAI化すること自体がハードルが高すぎます。
外資の場合、日本法人という形で支社を置いているケースが多いでしょう。日本特有の会計処理や法人税のルールもあるはずなので、日本の会計に詳しい人材が必ず必要となります。
つまり、外資の日本法人で経理部門だけなくすということも考えにくいです。

そしてRPAとは広く考えるとEXCELのマクロの延長と言っても良いです。
マクロの機能は昔からあったものなので、それでも経理の仕事はなくなっていないことから、経理がAIに淘汰される可能性は低いでしょう。
もちろん、経理の仕事がAIによって部分的に減るという可能性は外資でも日本の企業でも考えうることだとは思います。

経理の仕事で価値が高いのは?

では、これから経理を目指すならどうすべきでしょうか?
単純に言えば、複雑で面倒なものほどAI化が難しいので、市場価値にもつながるということです。
下記は経理業務の一例です。

独断と偏見による評価

赤字にしているものが負荷が重いものだと私は考えています。
連結決算や税務調査などの面倒な仕事をしていくことで、経理としての市場価値も上がっていくハズです。
逆に買掛債務管理などは、AI化される可能性があるということです。(もちろん、会社によりますが)
そう考えると、経理の一般職の方や派遣社員がやっている仕事がAI化のターゲットになる可能性もありそうです。

まとめ

経理の仕事が全てAI化されて経理がいなくなるとは考えにくい。
なぜなら、経理は複雑であり、RPAの特性からして全てをAI化することはほぼ無理で、経理ルールも変化するからとなります。
加えて日本の雇用制度も、従業員を守る仕組みになっているです。
経理志望の方は安心して経理を目指して良いと思います。
実際に経理に配属になったら、なるべく複雑な仕事をした方が市場価値も上がりやすいと考えます。
そもそも、若手社員には面倒な仕事が回ってくる可能性の方が高く、仕事は選べないかもしれませんが。
同様に、公認会計士の仕事もAI化されるのはかなり先でしょう。(20年後に会計士がいなくなる可能性はゼロ)
ちなみに経理の仕事をしているのは日本で200万人ほどいるらしく、一方でタクシーの運転手は26万人ほどらしいです。
政府主導のAI化で仕事がなくなるとすれば、影響が小さい領域から攻めるのでは?と思います。(失業のリスクがあるから)
会社主導でAI化を進めるなら、効果が最も大きい部分から着手するでしょう。
おそらくそれは経理という間接部門の一端ではなく、営業部門などの手間がかかる事務作業の部分ではないかと予想します。
そうなれば尚更、経理の仕事がなくなるとは考えにくいです。

経理を本で学ぶならこちらもどうでしょうか?

最後までお読み頂きありがとうございます。
また次回の記事でまたお会いしましょう。
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