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アンサンブルって

こんにちは♬
最近の朝の日課は植物の水チェックと霧吹きです。
動物にしろ植物にしろ結局何かの世話をするのに生きがいを感じてるんだなとつくづく思う今日このごろです笑


11月ぐらいからレッスンのうちの大半はアンサンブルコンテストのためのレッスンなのですが、それもぼちぼち佳境に入ってきています。

アンサンブルの大きな特徴として「指揮者がいない」というのが挙げられます。
指揮者がいないので各自のテンポ感や、合図がとっても重要性を帯びてきます。
そこが普段の合奏との1番の違いかもしれません。

管楽器のアンサンブルでのテンポで1番核になってくるのはメロディでもなく内声でもなく、低音です。

もちろん、メロディを演奏する人のテンポ感がブレていると他にも影響が出ますが、1番大きく重要になるのは低音だと思います。
それは同族楽器でもそうですし、音域に関係なくその時にベースラインを演奏している人、ということです。

そして、その低音パートのテンポ設定によってメロディが吹きやすいか吹きにくいかも決まります。


よくトランペットのレッスンの生徒さんが「普段吹奏楽の合奏だとそうでもないのに、アンサンブルになるとすぐバテてしまいます」と相談してきますが、もちろん個々の技術の問題でもありますが、実はこれ、低音パートのテンポ設定が原因だったりすることがあります。

アンサンブルをやっていると1番多いのが、「メロディラインに合わせて伴奏部分のテンポを決めている」というもの。
これだと、メロディがテンポを作ることを1番に考えてしまうので自分のやりたいことを表現しづらくなってきます。
これは普段の合奏でも言えることなのですが、メロディ以外のパートがどれだけその音楽の地盤を作れるかによって、メロディの演奏しやすさが変わってきます。


でも結局の所、合奏にしてもアンサンブルにしても言えるのは「全員が音楽の流れをきちんと理解していること」なんですよね。

そして「もし自分がメロディだったら」「もし自分がベースラインだったら」というお互いの立場になって考えることができたら、もっと自分たちのやりたい音楽が見つけられると思うのです。

・・・あれ?これって人間関係にも言えることですよね。
相手の立場になって考える。
アンサンブルって独りよがりではできないんですよねえ。

でも、相手の立場になりすぎて、音楽が流れなくなってしまってはいけません。そこは全員が目指す設定をきちんと話し合わなくてはいけないし、話し合わなくてもお互いがそれを楽器で表現していかないとなりません。


ジャズコンボの世界ではそういう「お互いの主張」を音で表現しています。
アドリブソロを演奏している人が主張すると、それに応えるようにリズムセクションが反応します。その逆のこともあります。
その場その場で生み出されるものは、とても心地がよく、お互いが噛み合ったとき大きな喜びが生まれます。


これはよくレッスンで言っているのですが、人間は複数のことを同時に考えているより、できるだけ考えていることが少ないほうが集中することができます。

当たり前ですが、譜読みや運指、テンポ設定や音楽の流れなどを色々と考えていると思ったとおりのパフォーマンスができなくなります。
台本を読みながら表現の仕方を考えるより、台本を覚えてそこにどんな感情を込めて話す、などをきちんと準備しておくとスラスラと話せますよね。

音楽も全く同じことだと私は思っています。
何も考えていなくても音がスラスラ出て指が回る状態であれば、一緒に演奏している人たちがどう出るかちゃんと空気を読むことができますし、観察しながら瞬時に対応することができます。

でも、楽譜通りに演奏することや、音が出るか出ないか、なんてことに脳みそを使っていたら相手のことを観察するまでの余裕が無いですよね。

暗譜をしろと言っているわけではないですが、譜読みというのはそれだけ重要なものなので、そこを適当にするとただただ考えることが増えるだけで、結果的にいいものは作れないってことなんですよねえ。

楽器を演奏するときはできるだけ頭の中がシンプルな状態を作らなくてはなりません。
それは、日頃の練習で身につけることができます。
それを簡単にするためにやっているのが基礎練習であり、トレーニングなんです。


なんてことを思いました♬

ではまた。ばいば〜い!


トランペット奏者、作編曲家の岩田恵子と申します。 お仕事の話やトランペットの奏法などについて色々と発信していきます♬