自分の体に感謝する①

この一月ほど世のニュースや、サブスクの動画、雑誌など、自分から距離のある情報と自発的に離れるようにしている。
その時間で何をしているかといえば、主に立って歩いているのだが、これで何をやってるか伝わるだろうか。今回はそんな話です。

呼吸をする、歩く、走る、座る、寝る。
人間に限らず動物のもつ基本的な動き。
幸運なことに五体満足で生まれ育ってきた自分は特に悩むこと無く出来てきた。
しかし、その何となくで出来ている事が、本当に自分の体を活かして出来ているかというと甚だ疑問である。例えば体重移動でやるべき移動を無理やり筋肉でしたり、全身を使って持ちあげるべきものを手首の力だけで持ち上げたりしていないだろうか。結果だけ見れば同じ結果であっても、こういった手癖でやる動きは本来の体の使い方ではないので必ずどこかに負担がかかる。昨年、ついにぎっくり腰をやって以来、自分の体の本来の動かし方を考えながら生きている。

30になるまで無事に動いてくれた体に感謝し、鍛えるでも、痩せるでも、ストレッチでも無く、自分の体の動かし方を学び直している途中の30才として、実際にやってみて体にいい気が動き方をメモしていく。

何より最初に正すべきは、意識の場所だろう。
あらゆるスポーツ選手が言っていることだが同じ行動、同じトレーニングでも意識の差で効果が遥かに違う。
指導者次第で、骨盤や、背筋、額などいろいろな場所を指導されるが、個人的に一番効果を感じたのは「気と生活」に書かれていた、臍下の一点だった。

氣と生活 藤平 光一 https://www.amazon.co.jp/dp/B00FXKWIHA/ref=cm_sw_r_tw_dp_A1JA38JS1HXTDF3SN1HR @ 

他のものと比べて何がいいかというと、筋肉で代替えが出来ないというところがいい。やってみたらわかるのだが、例えば腹筋、背筋などは慣れてくると筋肉でなんとかなってしまう、それはそれで悪くないのだが「自分の体を意識する」という基準で行くとよろしくない。
その点、この臍下丹田は、腹筋などと比べて筋肉としてはかなり力を入れにくい。つまり、意識し続けていることがとても大事になるので、個人的にはいい集中のためのフックとなった。

意識の次に気をつけることといえば、姿勢、そしてその為の体つくりとしての呼吸だろう。
まずはちゃんとした呼吸を学ぶために、基本を大事にしようと考えた。
目をつけたのは、尺八の練習用の呼吸である密息だ。

日本人にピッタリの呼吸法”密息”でストレス退治
https://jisin.jp/life/health/1617881/

これは、座禅やスポーツなどで言われる、腹式を大事にする一般的な呼吸法とは少し違う。長い呼吸をするための練習用の呼吸だ。
深い腹式呼吸をする為にはまず、自分の横隔膜を広げる必要がある。
そこで骨盤を後ろに倒し、肺を使い、すこし前傾姿勢で行う。
一般的な背筋をのばし、腹から深くする呼吸とは真逆の練習法で面食らうかもしれないが、やってみるとこれがかなりキツく、また自分の胸が開くのを感じると思う。
そこまで出来たところで、初めて姿勢の話になる。
こちらもまた、座禅や戦闘とは違い日常での話となるが、イス軸を採用した。

イス軸法の教科書
https://www.youtube.com/watch?v=nkx1n83mdLs

一度椅子に座り、前に倒れ、手を使わずに立ち上がるというシンプルなアクションだが、これが敵面キく。
そして、一度立ってからは、その姿勢をキープするように意識するだけで十分背筋は伸びる。


立ち方までだけでこの長さになってしまったので、歩き方はまた次の機会に…
色々やってみて思ったが、焦って飛んだり跳ねたりしないように生きるのも大変だ。

最初に書いたとおり、ここ最近はいろいろな情報から離れて暮らしている。
忙しいとか疲れてるとか色々あるのだが、一番の理由はSNSでの人間の振る舞いに嫌気がさしたというのが大きい。
戦争や疫病などが流行した結果、SNSで他人や国などを糾弾、断罪する人が増えている。その際に強い嫌悪や、怒りを持って言葉を発する人ほど、自分の生活や家族との関係性よりも、自分の正義に使命感を持っている姿がよく見られる。それが悪いということは決して無い。大事なものは人によって違うのだから。
ただ、僕はそうは思わなかった。
他人に向けて振るう正義に力を注ぐよりも、自分にとって身近な大事なことを、人を、何より自分をちゃんと大事にすべきだと思った。
なので、そういった人々の姿を見て、自分の身を振り返る機会を得たというのは幸運だと感じている。
奇しくも30にして而立(物理)を得たので、年齢に見合った思想なのかもしれないなと思っている。
頑張って生きます。
#エッセイ #体の使い方 #三十路  


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