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「さらなる“働きやすさ”を目指して」:女性スタッフ座談会

女性としての働き方や子育てとの両立、社内の制度などについて、様々な部署で活躍中の女性スタッフ5名にお集まりいただき、それぞれの視点でお話ししていただきました。


(左から)

  • 土方さん 経営管理部 総務担当 副支配人
        (2001年入社、2008年育児休職、2009年復職)

  • 松田さん 宿泊部 宿泊サービス担当 マネージャー
                (1993年入社、2002年育児休職、2003年復職)

  • 伊藤さん 宴会料飲部 料飲サービス担当 〈あきず〉ホールスタッフ
        (2020年入社)

  • 上家さん 営業戦略室 企画広報担当 マネージャー
        (2007年入社、2018年育児休職、2019年復職)

  • 佐藤さん 宴会料飲部 宴会料飲予約担当 アシスタントマネージャー
        (2013年入社、2021年育児休職、2022年復職)


キャリアアップも育児と両立できる環境

編集部
今日はお集りいただきありがとうございます!「女性の働き方」をテーマに皆さんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
まずは、皆さんが普段どのように働いているかをお伺いできますか?

伊藤
ホテルの地下1階にある「ろばた・すし・北のめし〈あきず〉」でホールスタッフとして働いています。
1ヶ月ごとのシフト制で、出勤時間は日によって違います。お休みの希望が出せるのでプライベートの予定は比較的に立てやすいです。

佐藤
レストランの予約状況の管理や電話対応をしています。2022年に育児休職から復職して、ようやく育児と仕事の両立に慣れてきたという感じです。
勤務時間の短縮、いわゆる時短制度を利用しながら働いています。

上家
私はクリスマスコンサートやシマエナガなどの小動物に関するイベントの企画、それらの情報を社内外に発信する広報を担当しています。私も2019年に育児休職から復職して、今は時短で働いています。

松田
私はロビーでコンシェルジュをしています。宿泊されているお客様に観光情報をお伝えしたり、飲食店のご案内をしています。マネージャーとして打ち合わせや会議に出席することもあります。
今はフルタイムで勤務していますが、私も育児休職を利用したことがあります。

土方
総務を担当しており、主に人事に関わる業務が多いですね。今はちょうど新卒採用の時期なので面接や説明会などで忙しいです。
基本的に平日勤務、土日はお休みなので、子どもの行事などに参加しやすくて助かっています。

編集部
これまでのご自身のキャリアを振り返って仕事のやりがいなどを伺えますか?

上家
子どもが生まれる前は宴会セールスでいわゆる外回りの営業をしていました。セールスは、ご宴席の何カ月も前からお客様のもとへ足を運んで何度もお打合せをして当日を迎えるものもあります。ご宴席が滞りなく終宴を迎えられるとやっぱりホッとしますし、やりがいもありました。ご宴席の立ち会いなどで遅くまで仕事をすることもあり大変さもありましたが、やりがいや責任ある仕事にチャレンジさせてもらえて、良かったなと感じています。

佐藤
以前の部署ではブライダル担当として、新規のお客様との商談や披露宴のお打合せ、ブライダルフェアの運営等に携わっていました。
特別な日のお手伝いをさせていただくプレッシャーもありましたが、一緒に何か月もお打合せを進めてきた新郎新婦の感動の瞬間に立ち会い、直接「ありがとう」のお声を頂けることは大きなやりがいとなっていました。
様々なお客様や他部署・他企業の方とも広く関わる業務だったので、電話やメール応対のスキルは現在の部署でも役立っています。

土方
総務担当に配属されてから、長く採用の仕事に携わらせていただいています。新卒や中途、パートアルバイトなど、雇用形態は様々ありますが、この会社のよさを説明して、それに共感して入社していただけたときの喜び、また、自分が採用に携わった人が活躍している姿を見るのは非常に嬉しく、大きなやりがいです。
だからこそ、その人たちが長く働いていけるような、働きやすい職場づくりをしていかなければならないな、と感じています。

伊藤
レストランで働いていて、お客様からお褒めの言葉をいただいた時が一番やりがいを感じます。お客様に、私が薦めたお料理やドリンクを注文していただけて、さらに「美味しかったよ、また来るね」などのお声掛けをいただけるととても嬉しいです。
最近はアルバイトスタッフの指導を任せてもらえることも増えました。アルバイトの方にも、楽しくやりがいのある職場と思ってもらえるといいなと思い、声掛けなどを工夫しながら指導にあたっています。

編集部
土方さん、松田さん、上家さん、佐藤さんは育児休職のご経験があり、子育てと両立しながらキャリアを積み重ねていらっしゃいますが、大変なことなどはありますか?

佐藤
今、私が勤務しているレストラン予約は、限られた人員の中で皆で工夫して業務にあたっています。他のスタッフの負担を増やしてしまうので、子どもの病気などで急に休ませていただく時は本当に申し訳ない気持ちです。

松田
でも、子育て中のスタッフが早退しなくてはならない場面で、男女関係なくどのスタッフも「すぐ帰っていいよ、大丈夫だよ」という言葉が自然に出るところは素敵だと思います。それが普通だという空気がありますよね。理解してくれる方が多い土壌だなと思います。

土方
会社全体に「周りのスタッフがきつい、しんどい場面では普通こうするよね」という雰囲気があるかもしれないですね。ホテリエという職業柄、自然と思いやりとか優しさが出るというか、お客様にサービスを行う感覚の延長線上かもしれません。
心理的なハードルがないのはもちろん、人事としても育休を取ったことでキャリアに支障がないようにサポートしています。

伊藤
そういうお話を聞くと安心感がありますね。育休のことなどはまだ私にとって遠い話ですが、子育てと仕事を両立されている皆さんのお話を聞いてすごいなと思います。私もそうなりたいという目標になりました。

より働きやすく変化するサポート体制

育休について

編集部
育児休職・時短制度というところに着目しますと、私たちのホテルの育休取得第1号は松田さんと伺いました。その時のエピソードをお話しいただけますか?

松田
私は妊娠した当時、宿泊部でフロント業務を担当していました。上司や同僚などに育児休暇の希望をお伝えした時は、皆さんとても理解してくださり快く応援してくださいました。
まだ「育児休職規程」が整っておらず前例のないことだったので「京王プラザホテル(新宿)」の規程などを参考にしながら、総務や社会保険労務士の方などと相談しつつ進めていきました。

編集部
第1号となると、やはりご苦労が多かったですよね。

松田
そうですね。フロント業務は制服を着る必要がありますが、だんだんサイズが合わなくなってしまって。当時はマタニティ専用の制服がなく、制服と色を合わせたワンピースにジャケットを羽織るなど、工夫させてもらいました。
妊娠中は足がむくみやすくてパンプスを履くのもかなり辛かったです。もう少し楽なものを履かせて欲しいと上司に相談すると、すぐに「もちろんいいよ」と言ってくださって助かりました。

私の時は、休職前にいた部署に復職することになっていました。当時はまだ時短勤務の制度が整備されていなかったので、すぐにフルタイムに戻りました。

佐藤
そうだったんですね。私の時は、復職時に土日に休みが取れる、時短勤務でもフォローしやすい部署にしてもらえるような配慮がありました。もともといたブライダル担当は土日が特に忙しく、お客様の都合で急なシフト変更もあり、子育てしながら働くことはやや難しい部署でした。
復職後から配属されたレストラン予約は時短勤務でも働きやすい部署で助かっています。他のスタッフも、もともといた部署ではなく土日に休みやすい部署で復職される方が多いですね。

編集部
伊藤さんご自身は育休取得の経験はないそうですが、部署内で育休を取られた方はいらっしゃいますか?

伊藤
実はまだ周りにいらっしゃらなくて。パートの方の中には、妊娠中の方や子育て中の方はいらっしゃいますね。お子さんの熱などで当日突然お休みになってしまうこともあります。
もちろんしょうがないことだとは理解しつつも、人手不足の時は他部署からでもフォローに入っていただければ嬉しいなと思うこともあります。

松田
すごく共感できます。ただ、今は部署ごとにスペシャリストがいる状態なので、部署を横断してのサポート体制というのは少し難しいですよね。総務からフロントにサポートに来てすぐチェックインできるかというと難しいし、私がいきなりレストラン予約を取ることも難しいです。

土方
そうですね。部署にもよりますが、できるだけ「特定の人にしかわからない仕事」を減らして、ヘルプに入りやすい体制づくりを進めたいと思っています。そのためには作業量の見直しや、作業内容の切り分けも必要ですね。サービスの質は保ったまま、急に誰かが抜けても大丈夫だという状況を作らないといけないので。

これまで男性の育休取得を推進しようとしても、「休むとその間の業務が不安」というような答えが返ってくることが多くてなかなか取得する人がいませんでしたが、近々男性で初めて育休を取得するスタッフがいるんです。
ヘルプに入りやすい体制づくりを進めることで、男性の育休取得も推進できるかもしれませんね。

制度について

編集部
子育てと仕事の両立を支援する制度の中で、特に助かったものはありますか?

上家
いわゆる時短制度は、厚生労働省が「3歳未満の子どもを育てる従業員」のためとしています。その年齢以降は企業努力とされていますよね。当社では「幼稚園が終わるまで」と育児休職規定の中の「勤務時間の短縮」という条項に定められています。
同じ歳の子どもがいる他の企業の友人が、既にフルタイムで働いている中で、私はまだ時短で働かせてもらっています。とてもありがたいと感じています。

あと、会社のすぐ近くに企業主導型保育園と提携してもらったことも嬉しかったです。その保育園に通うかどうかは別として「受け皿がある」という安心感を感じました。産後の復帰を支える制度を整えてくれているのはありがたいです。
もちろんご自宅の近くに預けられる方も多いですが、札幌でも保育園が決まりにくくなっているので、企業主導型保育園という選択肢があることが大きいと思います。

企業主導型保育園とは、企業が従業員の働き方に応じた柔軟な保育サービスを提供するために設置する保育施設や、地域の企業が共同で設置・利用する保育施設のこと。2018年度に提携。2021年度の対象従業員の利用率は22.2%。 

伊藤
色々な制度があるのですね。今まで産休や育休を取れることしか知らなくて、その他の制度や取り組みを何も知らなかったので勉強になります。

松田
子どもが生まれたら出産育児一時金が受けられるとか、そういったことを知らない方も多いですよね。

土方
調べられるような何かがあったらいいかもしれないですね。育児に関してだけじゃなく「病気になった時は?」とかそんな情報もあれば良いですよね。

佐藤
私も、いざ育休を取得するとなった時に「どうやったら良いか」が全くわかりませんでした。すでに取得された先輩方にいろいろ話を伺って進めていきました。

上家
短い期間の中でも制度がアップデートされていて、内容が変わっていることもありますよね。会社側から発信があったり現行の制度を確認できるような体制があったりすると、心構えができて良いですね。
プライベートなことですし、堂々と聞きにいくのもためらわれる時は正直あるかもしれないです。たとえば、社内のグループウェア上で見られたら嬉しいですね。
 
伊藤
そういったものがあるととても助かると思います。他の企業のとある制度を知って「わーこんなものがあるんですね!」と先輩に聞いてみたら「それならうちにもあるよ」と言われたことがありました(笑)
 
土方
人事としても、どんな制度があるのか、知ってもらえる機会をもっと増やしていきたいですね。

これからの働きやすさ

編集部
他に制度やルールなどで、こういうものがあれば今後もっと働きやすくなるというようなアイディアはありますか?

松田
育児休職に限らず、男性スタッフももっと家庭の用事で休んでいいよ、という空気が広がるといいですよね。子どもが小さい時は予防接種などで何度も病院に行く必要があるし、パパとママが協力して負担を分散できたらいいと思います。それに向けて、管理職の男性が率先して休んだり早く帰宅したりするのもいいなと。

佐藤
あとは、育休を取得する方だけではなく、支えてくれている他のスタッフへのフォローがもう少し手厚くされていると嬉しいです。やはり、長期間休職したり急なお休みをいただくとなると心苦しさがあるので。
他の企業ではどなたかが育児休職した場合などに、その同僚の方にインセンティブを与えるという制度があるという記事を読んだことがあり、もしそんなことができれば理想的だなと思いました。

編集部
大事な視点ですよね。働き方についてはどう思いますか?

伊藤
今回お話を聞いた中だけでも、松田さんの時から佐藤さんの時でどんどん社内の体制や制度が新しくなっていることが分かりました。これからも色んな制度が作られて、もっと働きやすい環境になっていくのかなという期待感が持てました。

上家
しっかりキャリアを積み重ねたい人も、育児や介護と両立しながらバランスよく仕事を頑張りたい人も、それぞれ働きやすいのが理想ですよね。

土方
オープンした当初は「妊娠したら辞めるのが当たり前」という時代でした。キャリアの長い女性がほとんど残っていないため今は女性管理職が少ないですが、そこはまさにこれから変わっていくといいですよね。長く働ける制度は整ってきていると思うので。

2023年5月16日現在 
正社員に占める女性の割合:35.5%
管理職に占める女性の割合:4%

松田
そうですね。今は出産・育休を経験して復職するスタッフが増えているので、女性として目指すキャリア像の一つのモデルみたいになっていければいいですね。
これからも皆さん頑張っていきましょう!


今回の座談会では「働き方」について女性スタッフ5名のお話を伺いました!
育休から復帰したスタッフ本人だけでなくサポートする他スタッフへのフォローや、制度などの情報をいかに行き渡らせるかなど、今後に向けた課題もあがりました。

ホテルは勤務時間が不規則なイメージを持たれがちですが、特に妊娠出産や介護などをされている方にとっては、柔軟に働きやすい環境とも言えるかもしれません。

今回お話を伺った5名はさらなる働きやすさを目指しながら、お客様に喜んでいただけるよう今日もそれぞれの場所で活躍しています。


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