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努力を笑う人を笑う人でありたいよね

お久しぶりです。もう4年生になりました司代です。

前回のブログからもうすでに9ヶ月も経ってしまいましたね。

あれから、9ヶ月間思うように結果が出せず少し苦しんでいた時期がありました。原因は間違いなく怪我です。


最近は怪我から復帰し、2ヶ月が経とうとしており、復調の兆しが見えているばかりに、本来の調子に戻るまでの長さを感じます。
アキレス腱とかは、ほんとに放置するべきじゃないです。今更ですが…。
今後はもう怪我無しでラストイヤーを走り切りたいものです。


突然ですが、もうすぐ東京五輪ですね。僕は毎回五輪を見るのが好きです。


アスリートの超人的なパフォーマンスは、種目に関わらず人の心を動かすものがあります。それまでの努力、葛藤、栄光…生き様が乗っかっており、それが私たちの心を動かすのだと思います。


彼らが五輪に選ばれるまで、そして実際に五輪で活躍するところ。含めて全て見るのが、僕は好きです。

2016年のケンブリッジ飛鳥選手のリオ五輪での好走の裏には、日本選手権100mの優勝があるのです。そういったストーリー全てを追いたくなるのです。


今回の日本選手権はそんな訳でいつも以上に面白いものでした。

東京五輪を決める選考会でもあるので、緊張感が異様です。

その異様な緊張感の中で力を出せた選手は真の実力者として、日の丸を身に纏うことができます。

しかし、その一方で、力を出せなかった選手も多くいます。

まとえなかった誇り


一番印象的だったのが、桐生選手でしょうか。


日本選手権はアキレス腱あたりを気にしてか、いつもは見ないKTテープを貼っていました。

準決勝の後、痛そうに足を引きずっている様子を心配した陸上ファンは多かったはずです。




また、それ以外にも男子10000mでは田村和希選手が怪我の影響で棄権。



男子5000mでは市田孝選手が先頭と周回遅れに。縫工筋あたりを痛めていたのかびっこを引いていました。

5月の東京五輪テスト大会ではロングスパートを決めてトップを取っていたばかりに、今回の走りは異様に見えました。


試合はアドレナリンが出ているつもりですが、あれほど走りが狂ってしまうのは、余程痛かったのでしょう。僕も同じような怪我をして、足のバランスを悪くしたことがあったので、気持ちはとてもよく分かります。

東京五輪という大きな目標を前に怪我してしまった無念はどんな気持ちなんでしょう。さぞ辛かったろうに。

試しに箱根駅伝前に怪我をしてしまった自分になぞらえてみましたが、なんか違う気がします。

彼らは文字通り、人生を賭けてぶつかっているのです。



そう、人生を賭けてぶつかっている。でもだからこそ、こんなに怪我が多いのは少し不可解でもあります。4年間かけてトレーニングしているようなトップアスリートがなぜ、相次いでこんなミスをしてしまうのでしょう?

河童の川流れ

最も激戦区、アメリカの五輪選考会は特にその傾向が顕著でした。

トップ3がそのまま五輪代表になるアメリカは、例えるなら、上位6人がそのままインターハイに行ける地区予選のような感じです。悲喜こもごも。

3位と4位の間には明確な天国と地獄があります。

そんなハイレベルで、ドラマのある五輪選考会がYouTubeで見られるようになった時代。それを見ない手はありません。





この五輪選考会の中で僕が注目していたチームがBowerman Track Clubです。

アメリカオレゴン州を拠点に活動しているプロチームで、

男子
🇺🇸Lopez Lomong   2019 Doha 10000m 7位

🇺🇸Evan Jager       2016 Rio  3000msc 🥈 2017 London 🥉

🇺🇸Matt Centrowitz  2016 Rio 1500m 🥇

🇨🇦Mohamed Ahmed 2019 Doha 5000m 🥉

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チーム内TTは異様なハイレベル
女子

🇺🇸Shelby Houlihan  5000m🇺🇸歴代1位

🇺🇸Karissa Schweizer 5000m 🇺🇸歴代2位 

🇺🇸Gwen Jorgensen 2016 Rio Triathlon🥇

🇺🇸Courtney Frerichs 2017 London 3000msc🥈

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など錚々たるメンバーです。ケニアやウガンダを拠点に活動するNNランニングチームと並ぶ世界トップクラスの長距離チームでしょう。


彼らの強さは、コーチとの強い信頼関係、切磋琢磨による高い質の練習、完璧な練習計画などあげればキリがありません。彼らの練習を学ぼうと、何人かの日本人選手もBowrman TCで武者修行を行っており、軒並みタイムを伸ばしています。


僕は彼らがアメリカ選手権でどれだけ大暴れするのか、注目して見ていました。
しかし、そんな彼らにアクシデントが襲いかかります。

Bowerman TCの中でも看板選手の3人が、アメリカ代表から漏れてしまったのです。

L. Lomongは10000m途中棄権。ハムストリングスの肉離れでしょうか。長距離ではなかなか見ないシーンです。

E.Jagerはふくらはぎの故障でDNS。自身のInstagramで悲痛な心の声を述べています。


https://www.instagram.com/tv/CQHd2k4Bb-f/?utm_medium=copy_link



S.houlihanはまさかのドーピング検査で陽性反応。検査前に食べたブリトーにナンドロロンが入っていたとして、抗議しましたが、真偽は定かではありません。

こうして世界のトップアスリートはケガやドーピングであえなく姿を消しました。

それにしても、なんでこんなヘマをしてしまったのでしょう?

そう、なんでこんな単純なヘマをしてしまったのでしょう?


ジョから世界へ、世界からジョへ


これは一考に値する議題ですし、色々な仮説が出てきます。

そして、彼らの教訓を自分ごととして落とし込み、今の私たちに教訓を生かせればいいのです。

大事なことは、事実を元に考察をすることです。

インターネットの普及によって私たちは膨大な情報にほんの数秒でアクセスできるようになりました。

しかし、忘れないでください。

このような現代の様子を「情報化時代」と言いはしますが、
決して、「知識化時代」とは言わないことを。

「科学的根拠」という言葉を旗印に、さまざまな情報がSNSで飛び交う昨今ですが、大事なのはそこから自分たちが何を感じ取るか。なのです。

それでは、ここから先が僕の考察です。長いですね。こっからっす。


1分あげるので深呼吸とか、伸びとかしてください。


①緊張が普段と違う行動をさせる

僕は、2年生の時に関東学生連合に選ばれました。
しかし、予選会の順位は学連のチーム内で14番目。箱根駅伝の10人に選ばれるまで少し距離のある状態でした。

絶対に大会前に1人や2人は体調不良とか怪我で崩れるから、11番目とか12番目に入れるようにこれから頑張っていこう

これは、予選会後に保科さんに言われた言葉です。どうやら保科さんの経験上、大会直前に限って怪我とか風邪とか、普段では起きないような凡ミスが起きるようです。

実際に、保科さんの学生時代は、大会直前の12月に集団でノロウィルスに感染したりと、色々あったそうです。

では、なぜ普段では起きないような凡ミスが起きるのか

僕は、普段以上に陸上に費やす時間が増えることが原因の一つだと考えています。

大会直前は大体練習の強度が下がり、精神、肉体ともに研ぎ澄ませていく期間になります。箱根駅伝直前だと、感染症対策のために外出はほとんど制限されるので、特に時間ができます。

僕も、2年前は相当暇だったので、過去の箱根駅伝の動画を見たり、普段はしない体幹トレーニングを毎日のようにやっていたりしました。

こんな微妙な時間の隙間と、緊張感が
普段ではしないような行動を促し、「いつも通り」の歯車が少しずつ狂っていくのではないでしょうか。

②SNSが焦りを招いた

1つ目と少し関連している気がします。SNSが発達した現代では、周りのライバルがどのような練習をしているか、嫌でも目に入ってきます。

直前の合宿の様子から、練習の一環として出場した試合の結果まで。


こうしてライバルの動向が簡単に知れるようになった現代はとても便利である一方で、リスクでもあります。

ライバルとの比較は常に、「自分の方が劣っているのではないか」という疑心暗鬼に襲われるからです。
そうなると、今のままの練習でいいのか、と自分の練習に疑問を持ち始めます。


そこから先は、①とほぼ同じです。「いつも通り」という歯車が崩れ始め、普段と違う行動をもたらすのです。

しかし、だからといってSNSを断て。というのは少し違う気がします。
台風が来ても一切動じない、竹のような心を持つことが大事だと感じます。

③そもそもリスクある練習をしている

当たり前すぎる気もしますが…。
全国の舞台で戦ってきたアスリートたちが、さらに世界で戦おうとするには、リスクのある練習をして、自分自身の殻を破らなくてはなりません。

また、ここも①と関連している気がします。

つまり、ハードな練習サイクルの中で、
普段だったら途中で離脱するような足の違和感も、我慢してそのまま練習する
ということです。

先ほど述べた、3000mscの第一人者、Evan  Jagerも同じようなことを述べていました。

I started working out with the guys on the team again 
and got two weeks of running and workouts 
in before rabbiting Sean (McGorty) in the steeple at Mount Sac 
and that went well enough that I was extremely optimistic. 
I had six weeks to get in better shape."

Mount Sacの3000mscでSean(チームメイト)のペースメーカーをする前に、チームのトレーニングに合流して2週間練習をした。
計画通りだったので、楽観的になってしまった。
米国選手権まで6週間あれば仕上げられると(思った)。

Jager explained he then developed 
a calf issue following track workouts 
that plagued him for several weeks.

しかし、彼はその後、トラック練習の後にふくらはぎの違和感が増し、そのせいで彼は数週間悩まされたのだ。

うーーんなんとも悩ましいし、痛々しい。

ただ、一つ言えるのは、致命傷を避けることは、継続した練習をするためにとても大事なことです。

慶應で言えば、清水と杉浦が特にこの嗅覚に優れていると思います。

2人は、ちょくちょく練習に穴が空くものの、大きく離脱することはそんなにありません。

結局、短期的には間違いかもしれない行動が、長期的に見れば正解になることだってあるのです。また、逆も然り。


タイトル回収

ここまで読んでくださってありがとうございました!
今回の内容は、慶應にとって脅威ではある一方で、間違いなくチャンスでもあります。
他大学が崩れる可能性は未だ大きく、そこを狙えばいいんだよ、ということです。

タイトル回収といっても、そのままです。昨日の練習前にタイトルを考えていたところ、パッと思いつきました。

変化はチャンス。現状維持は後退と一緒です。

この夏で僕たちはさらに大きく変わらないと箱根に出れません。
今まで色々な逆風と戦ってきましたが、この夏に待っているのは、もっと大きな試練でしょう。

僕もこの夏、どんな練習が待っているのか、怖い反面楽しみでもあります。

慶應が箱根駅伝に行けるわけないとか、慶應は箱根は弱いよねとか、何度も言われたことはありますが、そんな人たちを逆に笑い飛ばしてやりたい。

そのためには、やっぱり結果を出すしかないですし、努力するしかないですね。

もちろん、それだけが走るモチベーションではないですが、間違いなく力になっています。

以上、ここまで5000字の文章にお付き合い頂きありがとうございました。

次は清水くんです。

清水くんの職種とかけまして、遠距離恋愛と解きます。
その心は、どちらもIT(会いてぇ)関係でしょう。


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