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ひなたライフプロジェクト、始動します!

宮崎県立正寺副住職、森下です。

2回目の投稿ですが、今回は、まさに、このnoteを始めるきっかけの1つとなった

ひなたライフプロジェクト
~共創する寺子屋~

について、お伝えしたいと思います。

何かと申しますと、4月からわたしの自坊(自分の所属するお寺)で様々な取り組みを行うにあたって、3つの価値を提供し、共通したビジョンを目指して、宮崎に貢献していこうというプロジェクトです。

感染症流行で大変な時期ですが、こんな時期だからこそ、宮崎を盛り上げるプロジェクトを進めたい。そんな思いで書かせていただきます。


宮崎(地域)は疲弊している

宮崎ってどんなイメージでしょうか?

これは、県外の方と県内在住の方とで多少イメージが分かれると思います。

私はしばらく東京にいましたので、県外の方に宮崎のイメージを聞くことが多かったですが、県外の方に聞くと大体、
・マンゴー
・どげんかせんといかん
・実は行ったことがない
というのが頻出ベスト3の回答(私調べ)です。
この回答が多いということは宮崎を知らない人が多いということかもしれません。

では、実際にはどうなのか。

県内に住む者としての体感は、
・陸路交通の便がとても悪い(新幹線不通、どこに行くにも時間がかかる)
・空路交通の便は割と良い(宮崎空港に多くの航空会社が乗り入れている)
・食べ物が美味しい
・サーフィンの聖地
・観光地が多い(かつては新婚旅行のメッカ)
・車社会
・店で並ぶということがほとんどない(県民はみんな並びたくない)

でしょうか。

加えて、宮崎県の統計データ(県HP、平成27年国勢調査より)では、私の気になる部分を特筆して挙げると、
・人口約107万人(社会動態、自然動態ともに減少傾向)
・老年人口(65歳以上の人口)が32.2%(令和元年時点、増加傾向)
・1世帯あたりの人口が2.28人(令和元年時点)
・単身世帯、夫婦のみ世帯、ひとり親世帯の増加傾向(国勢調査)
・自死者(ここでは自殺ではなく自死と書きます)の人口に対する割合が19.8%

(人口動態などは県単位でみるとちょっと規模が大きくて精度が悪くはなるのですが、大体、傾向として書いておきます。)

これらの体感やデータによって、私が持っている印象は、宮崎は高いポテンシャルを持っています。
しかし、その宮崎の中でも、人口減少、少子高齢化は着実に進んでいて、さらに、いわゆる核家族よりも進んだ、「世帯」が「個」となる状態に向かっている、そして孤立化も進んでいる。
人口に対する自死率が高いという状況も見逃せません。この宮崎の中にも確実に、悩み、生きづらさを感じ、居る場所がなくなってしまった人たちがかなりの割合でいます。
経済状況の悪化も伴い、このまま行けば、宮崎でも機能不全を起こすコミュニティが増えてくることは自明の理です。


「宮崎」を主語に

少し話が逸れますが、ここでお伝えする宮崎の課題は、大体の地域に共通することだとは思います。これは社会課題でもあり、全ての課題が根の部分でつながっているということになるのだと思います。

しかし、私は「地域」ではなく「宮崎(県)」を主語として考えることに重きを置いています。
(このプロジェクトのタイトルはあえて「ひなた」にしていますが、中身では宮崎を主語にしています。)

その理由は、もちろん私は宮崎に根っこが生えている人間ですし、自分の行動が社会を変えるような話になると過信していないのもありますが、何よりマクロに考えすぎると、ミクロな部分が目に入らなくなりそうな危機感を覚えています。
プロジェクトの課題意識としては、やはり「宮崎」を主語として考えるのが適正規模と思います。

異論はあるかもしれませんし、結局のところ、宮崎のためにすることは、微弱かもしれませんが、九州に広がり、日本に、世界に伝播するということになるのかもしれません。

とはいえ、まずは主語として分かりやすい、イメージしやすい範囲として、宮崎を主語とします。


お寺から宮崎に貢献したい

話を戻しますが、このような状況にある宮崎をどうするのか。
私はお寺の人間ですから、お寺を拠点にして考えます。

お寺は宗教活動を行ってきましたし、これからも仏教に基づいて行っていくことは変わりません。
その上で、お寺の本来持っている機能、それを改めて起動していこうと考えました。

それは、
・お寺は本来、抜苦与楽(苦しみを抜き楽を与える)の場である。
・お寺が地域の健康に寄与することが、求められている。
・お寺は世代を問わず多くの方が集まり、地域コミュニティの結節点(つなぎ目)となることができる。
・お寺は家でも職場でもない、第三の居場所(サードプレイス)になり得る。

こうした機能は、お寺が本来持ちながらも、失われていることが多い機能です。
この機能を再構成しながら、宮崎に、宮崎の方々に価値を提供したい、そこで、このプロジェクトを提起します!

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3つの価値

このプロジェクトでは3つの価値を提供します。

・心と身体の健康

・生きがい 生き方 探求

・新たな交流の創造

あえて書きますが、この3つの価値は、決して新しい考え方ではありません。
全て、どこかしらで学んだり、得た価値です。反対に考えれば、ある種全てエビデンスが得られているとも言えるのかもしれません。
「3つの価値」という言い回しも、どこかであったなと作ってから思ったところではあります。それは私の語彙力の問題です。

これらの価値は全て社会課題に対応させて考えています。

・心と身体の健康
これは、最近、一般社団法人寺子屋ブッダさんが、ヘルシーテンプル構想というものを打ち立ててくれました。
お寺から地域の健康習慣を発信していこうという構想であり、取り組みです。
高齢化が進む中、健康寿命を伸ばすことは常に命題となります。
私もその重要性を感じて、ヘルシーテンプル講師養成講座を受講しました。

・生きがい 生き方 探求
Well-beingという言葉があります。ここでは生きがい、生き方という表現をしていますが、そのまま訳せば幸福な状態となります。
そして、一般には、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する、と定義されます。

そうすると、先に書いた心と身体の健康と重複するように思えますが、これは我々が、自分はどういう状態であれば幸せなのか、満足できるのかを思い描いてみる、目標設定をすることになります。

幸せはメーターなんてありません。人が推し量れるものでもなければ、人と比べられるものでもありません。
自分にとって何が幸せか。それはそれぞれ異なります。

その幸せ、幸福へのルートマップを、ここでは生きがい 生き方 探求とさせていただきました。
自分にとっての幸せ、幸福を再確認して、それに向かうルートマップ、生きがい 生き方 探求の道筋を導き出す。
そうすることで、日々感じる悩み、生きづらさを解消するルートを見つけることに寄与できれば、と思います。

そうやって作成されたルートマップに基づき、心と身体の健康を実践する、ことになります。

・新たな交流の創造
世帯人口が減る中で、宮崎を含めた社会では、孤独・孤立の問題も増えています。

このプロジェクトにおける様々な取り組みにおいて、それぞれの参加者がそれぞれのコミュニティとつながり、コミュニティ同士も交流する
それが、孤独感・孤立感を解消することに寄与するでしょうし、また、様々な方が集まることにより、ビジネスアイデアなど、新たなアクションが生まれる場も創りたいと計画しています。

以前、宮崎で有名な九州パンケーキの生みの親、村岡浩司さんが、経済においても地域循環させることの大切さを説かれていました。
お寺がコミュニティの結節点になる。そうすることで、人も、アイデアも、経済も循環し、コミュニティの健全性が高まるのではないでしょうか。


これら3つの価値を提供し、目指すビジョンは何か。

目指すビジョン

それはシンプルです。

「ありたい私たちの生き方」(個人の健全化)

「あるべき宮崎のすがた」(社会の健全化)

この2つが何か、常に考えて目指す取り組みを、3つの価値の視点からどんなに小さなことでも行うだけです。

小さな取り組みでも、いくつもの取り組みがそのビジョンを目指して行えば、いずれ大きな力になる、そういうプロジェクトです。


では、実際に何を行うか

3つの価値を提供し、ビジョンを目指して、何を行うか。

具体的な取り組みをいつ行うかについては、また別で触れたいと思いますが、今ある程度考えているものとして挙げると、

まず第一弾として、「生きがい 生き方 探求」に該当する、死の体験旅行というワークショップ(また別の記事で触れます)を計画しています。

その他にも、特に「心と身体の健康」は、既に何名かの方から健康に関する取り組みをご提案いただいています。

「新たな交流の創造」は、ゲストスピーカーにお話いただいて、ディスカッションを行ったりするような取り組みを考えています。

他にも色々と計画していますし、また、こうしたイベント系の取り組み以外にも、日頃のお寺の取り組みで行うことも考えています。

感染症流行の問題があるため、開始時期だけは今現在も検討しているところです。随時告知致します。

「割と最近多くのお寺でやってるよな」という取り組みも多いです。
まずは、3つの価値とビジョンを共有することが、大事です。

なお、それぞれの取り組みが、3つの価値全てを提供するのではなく、
「3つの価値の中から、いずれかの価値を提供できる」
というところで十分だと考えています。


みんなで行いたい

このプロジェクトについて、私は、自分だけで行いたい、自分が中心にいないといやだ、等とは全く考えていません。

お寺以外の方から「おたくのお寺でこういうことやりたいんだけど」というご提案があれば、積極的に話したいと思います。

まずはその方とお話をして、その取り組みの内容を聞き、その方のビジョンとここで挙げたビジョンとを共有できれば、ぜひ行いたいと思います。

場の設定や、補助など、できる限りのサポートはします。

でも、それぞれの取り組みについては、お寺以外の方が主体になるご提案があっていいと思います。むしろ欲しいです。

双方向の提案があってこそ、コミュニティが健全に運営されると私は考えています。そうして、何か新しいものが創り上げられていく。

そうした意味で

~共創する寺子屋~

と副題を付けました。


宮崎の未来を宮崎の人たちと一緒に創りたいという願いを込めて。

「わたしこういうことやりたいんだけど」

「それならこういう面白い人がいるよ」

とか何でも構いません。


このプロジェクトが気になった方は、ぜひ、お気軽にご連絡ください。


森下 恵王 合掌
―――――――
身延山宮崎別院 立正寺 副住職
宮崎県宮崎市末広1-6-1
℡0985-27-1121


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