『99%の人が気づいていないお金の正体』 #2
本日紹介する本は、
堀江貴文さんの『99%の人が気づいていないお金の正体』です。
この本は
「お金」の起源を探りつつ、「お金」についての誤解を解き、
「お金」の正体を暴く内容です。
さらに、最新の経済の動きをキャッチアップしているため、
「お金」の教科書としての役割も果たしています。
それでは、内容の要約をしていきましょう!
お金の起源を探る
まずは「お金」についての誤解を解くために、
その起源を探っていきましょう!
①狩猟採集時代
この時代は、村落が丸ごと「家族」という感覚だったため、
「お金」は存在していませんでした。
マンモスを捕まえれば、集落の皆で分けあったり、
木の実を拾えば、皆に配りに行くのが当たり前の時代です。
「助け合い」の時代には、「お金」は必要なかったようですね!
ちなみにもう少し時代が進むと、「物々交換」の制度が誕生しました。
これは村落どうしの取引の際に、
「信用」のない相手と価値交換をするためです。
現代人ならこんな感覚を持っていると思います!
「知らない人には、大切なものをタダで貸せない、、」と。
この感覚と同じです。
「信用」がない相手と取引をするから、「物々交換」するんです!
②古代〜中世
この時代には、ものやジャンルがかなり増えました。
すると「物々交換」でマッチングするのが難しくなります。
例えばワラビを売って、サザエが欲しい人がいるとします。
でもワラビが欲しくて、サザエを売っている人とは、
そんな簡単に巡り会えませんよね?
当時の人は、この問題を解決するために二つの方法を思いつきました。
一つ目が、「物品貨幣」です。
ワラビやサザエの価値を保存するために、
腐ったり劣化したりしない米や織物に交換したのです。
当時、民衆は「米や織物は価値がある物だ」と「信用」していたため
このような取引が成立していました。
そして二つ目が、「信用取引」です。
欲しがっている人に無条件でプレゼントするのです。
でも条件が一つだけあります。
それは、取引相手が「信用」のおける人であることです。
「信用」がおける人であれば、
何かしらのお返しが期待できますし、恩を返してくれそうですよね!
③15C〜江戸初期
みなさん、富本銭や和同開珎を聞いた事があるでしょうか?
これらの貨幣は7世紀後期〜8世紀初期に鋳造されたために、
「日本最初の貨幣」と呼ばれています。
しかし、これらは全国的に流通しませんでした。
その理由はいたって簡単で、
これらのお金には「信用」が置けなかったからです。
私たちだって、見ず知らずの金属に「お金」の価値があると言われたって、
そんな物信じられませんし、交換したくもありません。
でも15C〜江戸時代に日本で圧倒的に流通した貨幣がありました。
中国で鋳造された「永楽通宝」です。
なぜ中国で鋳造された貨幣が日本で流通したのでしょうか?
その理由も簡単です。
当時の明の国力が圧倒的で、
「永楽通宝」の「信用」が民衆に共有されていたからです。
④江戸時代中期〜後期
この時代には、両替商というビジネスが生まれました。
金貨や銀貨を大量に持ち運ぶのは、
重くて一苦労だったことと思います、、
そんな時のために、「預かり証」を発行するのが両替商の役割です。
「預かり証」は、
いつでも金貨や銀貨と交換できるという「信用」が担保された書類です。
「信用」があるため、「信用」に基づく「仮想紙幣」は
人々の暮らしに定着していきました。
⑤明治時代〜昭和
1871年には、とうとう「円」が誕生し、
1932年には、「円」は金と交換できなくなりました。
20世紀前半になって、
民衆は貨幣というバーチャルな存在を受け付けるようになりました。
しかし皆がご存知のように、
1945年に、日本は敗戦を経験しました。
この影響で、「円」とそれを発行する日本の「信用」は失墜しました。
戦前には「お金」としての価値があった「乙弐百円券」は、
戦後には、見向きもされない紙切れになってしましました。
ここまで「お金」の歴史を見てきましたが、
皆さん“キーワード”に気づく事ができましたか?
キーワードは「信用」です!!
お金の正体はずばり「信用」です。
「お金」は、「信用」を数値化したものに過ぎません。
つまり、お金を稼ぐことに集中する以上に、
周りの人からの「信用」を貯める努力を重ねるベきなのです!
「信用」さえあれば、困ったときに誰かが助けてくれますし、
人とのつながりがあれば、必ず再起できます!
さらに「信用」が貯まれば、
「お金」も仕事も後から自然とついてきます!
これが本書の主張です。
ではここからは、
「お金」の誤った常識や時代錯誤な制度を見ていきましょう!
間違っている「お金」の常識
学校教育は、いまだに誤った「お金」の常識を教えています。
今回は、選りすぐり誤った常識を2つ紹介します。
①貯金、②保険の2つです。
①貯金
学校教育だけでなく、家庭でも、
「人生何があるかわからないから、いざという時のために貯金しておきなさい」
と、言われた事が一度はあると思います。
しかし、貯金はリスクがある危険な行動です。
インフレリスクを完全に無視しているからです。
簡単に例を出しましょう。
現在、100万円の貯金があるとしましょう。
これはいざというときのために、頑張って貯金したお金です。
しかし30年後、インフレしたとします。
現在であれば100万円あれば自動車一台を購入する事ができますよね?
しかしインフレした30年後、100万円ではニンジン一本しか買えません。
ハイパーインフレが起こるリスクがある以上、
この「極端」な例は実現するかもしれません。
頑張って貯めた100万円でニンジン一本ですよ!
それでも貯金しますか?するべきではありません!
先ほどから再三言っていますが、
本当に貯めるべきは「信用」なのです。
親が言う「いざという時」のために、
「信用」という無形固定資産を貯めましょう!
②生命保険
生命保険は、人が亡くなったときに、
月々支払っていた保険料から保険金が支払われるビジネスです。
しかしこのビジネスは「情弱向けビジネス」です。
なんと言っても、人生の幸・不幸は誰にも予測できません。
予測がつかない未来にお金を賭けているのって、
ギャンブルと同じじゃないですか?
つまり、生命保険は歩留まりが悪いぼったくり金融商品なのです。
ここから得られる教訓は、
「常識に振り回されず、自分で事実について調べるクセをつける」です。
時代錯誤な「お金」の制度
学校教育や家庭環境だけでなく、
国家主導の制度の中にも、時代錯誤な「悪法」があります。
今回は、本書の中でも①年金制度、②終身雇用制度を取り上げます。
①年金制度
2019年6月、金融庁による報告書の発表によって
「年金以外に老後資金が2000万円必要」というニュースが波紋を呼びました。
現在の年金制度は、「賦課方式」を採用しています。
これは、現役世代が支払った年金保険料が、
同時期の対象者に支払われる方式です。
現在、少子高齢化が進行しており、
この方式下では、現役一人が老人一人に仕送りをする形になる日も近いでしょう。
これは、現役世代にとってかなり重い負担ですが、
2000万円必要な老人にとっては、さらに心配になる状況です。
しかし心配している暇があったら、年金の受給額を気にするよりも、
何か面白い「ビジネス」を始めた方がよっぽど有意義です。
これからの時代、
一生働き続ける生涯現役が増えたり、単純労働はロボットやAIが担います。
だからこそ、受給額のことなんて考えないで、有意義に時間を使いましょう!
②終身雇用制度
1938年、「国家総動員法」により、
雇用の流動化にストップがかかりました。
さらに戦後、労働争議によって、
簡単に社員をクビにできない終身雇用制度を会社に約束させました。
そして現在、日本のサラリーマンは、
不満があるのに転職もしようとせず、会社に飼い慣らされています。
この状況ははっきり言って、異様な光景です。
給料が安かったり、職場環境が合わないのであれば、
転職したり、副業を始めれば良いのです。
何か新しいことを始めずに、不満をタラタラ言うのであれば、
我慢せずに勇気や行動力を持って、ドロップアウトしてみてください。
脱輪してみれば、外の世界には仕事がたくさん転がっている事が分かります。
今やAIやオートメーション化が単純労働をするため、
会社はこれからかなりの人員が削減される事でしょう。
本当に会社が必要としている存在は、
主体的に、仕事や利益を生み出す事ができる人です。
つまり、終身雇用制度にしがみついて、
会社に飼い慣らされる必要なんてどこにもないのです!!
では、ここからは最新の経済の動きについて見ていきましょう!
活性化する「お金」革命
近年は、従来の「フォーマット」にはまらない経済の営みが、
どんどん活性化しています。
その例として、
①シェアリングエコノミー、②YouTubeを取り上げます。
①シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーは、
必要なものは誰かとシェアするという考えです。
つまり物を「所有しない」のです!
例えば、Amazonプライムビデオもシェアリングエコノミーの一つです。
月額で一定の金額を支払えば、無制限に映画が見放題になりました。
DVDをいちいち購入することも、ビデオレンタルに行き来する煩わしさも
Amazonプライムビデオのおかげでなくなりました。
もう一つ例を出しましょう。
「エアビ」で知られる、Airbnbも、
物を「所有しない」という考えのもと生まれたサービスです。
高級ホテルに行くと、無駄なサービスを受けることもあれば、
混雑の中待たされる事もあると思います。
しかし「エアビ」を使うと、
めんどくさい契約をすることなく、安価で豪華別荘を借りる事ができます。
「所有する」という発想を切り捨てると、
身動きが軽くなり、自由になることができる時代になりました。
②YouTube
YouTubeとテレビ番組を比較してみましょう。
テレビ番組は、撮影後、時間内に収めるため映像をかなり削ります。
さらに、テレビ番組としての体裁を整えて視聴者に届けられます。
しかし、このやり方では、出演者にデメリットがあります。
本当に伝えたかった部分を、
テレビ側の事情で、カットされる可能性があります。
一方、YouTubeはどうでしょうか?
番組としての体裁を整える必要がなく、
自分が面白いと思えるコンテンツを自分で作って、収入まで得られます。
この形は、まさに
「やりたくない仕事をやめて、自分のやりたいことを仕事にしている」象徴です。
先ほども述べましたが、
主体的に、仕事や利益を生み出す事ができない人は社会から必要とされません。
その点、YouTubeは、
人から指図されずに、自分のやりたいように仕事を生み出しているため、
社会から取り残されることなく、活躍できます。
「信用」があれば、「お金」はいらない
本書の最も伝えたいことを覚えいるでしょうか?
「お金」はずばり「信用」であるから、
「お金」を貯めるより「信用」を貯めよう!
この言葉に尽きます。
では最後に、信用を得る方法として①コミュ力と、
信用があれば後から「お金」がついてくる例として②クラウドファンティング
を紹介します。
①コミュ力
今やネットにアクセスすれば、
オープンソースの情報を誰もが手に入れられる時代になりました。
では、情報が均一に得られる時代に、どのように差別化していくべきでしょうか?
その答えが「親密なコミュニケーションをとる」ことなのです。
コミュニケーションのプロである一流の営業マンは、
以下の二つのことに注意しているそうです。
一つ目が、30秒以内に話の核心を簡潔に説明すること、
二つ目が、第一印象をよくすることです。
営業マンは、話している「内容」と話している「姿」だけで、
その業績が変わるそうです。
このように、対人コミュニケーションの能力を持つことは、
ネット時代に差別化をする上で、「武器」になるのです。
「親密なコミュニケーション」によって得た「信用」を携えていれば、
周りが助けてくれる「世渡り上手」になれること間違いなしです。
②クラウドファンティング
活動方針に賛同したネット上の群衆から投げ銭を募るサービスのことです。
このサービスが浸透すれば、
面白いことにどんどん挑戦できる社会になりますし、
面白いことが実現しやすい社会になります。
ネット上には、「お金」が有り余っている人はたくさんいます。
でも彼らだって、誰彼構わず投げ銭するわけではありません。
では誰に投げ銭をするのでしょうか?
ここまで読んでくれた人なら、わかると思います。
顔が見えない環境だからこそ、
「信用」のある人が実現しようとしている、面白そうなことに投げ銭します。
だから「信用」を貯めれば、後から「お金」がついてくるのです!
最後に、ここまで読んでくれた方々には、
これだけでも覚えていって欲しいです。
「お金」とは、ずばり「信用」である。
「お金」ではなく、「信用」を貯める。
「信用」があれば、必ず誰かが助けてくれる。
「信用」が貯まれば、「お金」も仕事も後から自然とついてくる。
以上で、『99%の人が気づいていないお金の正体」の要約は終わりです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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