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老舗パン屋は欧米派

おはようございます。
今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。

久しぶりに東京に行ってきました。

満員電車の中、人をかき分けなんとか地上に上がったら曇り空。東京に行くときはいつも曇り空な気がする。
そんなぼやけた感情が東京の朝だよなと勝手ながらに色を塗り、美味しいご飯を求めている自分がいました。

美食の街だけれど、曇り空を過ごさなければならない。
難しい選択です。



今日の食日記

最近話題のパン屋さんにいくとあまりにも洗練されていて驚くことが多々ある。
多様な個性を持つ色とりどり鮮やかなパンの数々はもちろんのこと、その華やかなパンのお花畑を作り出すその世界観に圧倒される。

ここ数年でそのクオリティの高さに拍車がかかり、アマムダコタンのような妖精のような世界観も有れば、名古屋のKISOのようなシックなカウンターにパンが君臨するお店もある。
パンはエンターテインメントともいうが、各々が異なる物語を創造しているのを受け取ると、パンどころではなくなってしまう。

そんなお店の数々、店に着くだけでもうオーラが違くって、あまりにも街に溶け込んでいないからこそパンのテーマパークにでも足を踏み入れてしまったかのような興奮に陥る。

ただ、よく考えればパンは欧米からやってきた立派な異文化で、外観内観含めフランスやらイギリス、アメリカのような雰囲気を残しておいてほしいと思ってしまうのも正直に。

やっぱりシンプルなバケットやイギリスの山形食パン、カンパーニュなどの定番商品は、異国の空気の中で買うのが勝手に本場さながらを感じられて好きなのだ(バケットを担いで街を歩いたっていいし)。

老舗のパン屋さんにいくと、そんな風に和と洋のエッセンスを絶妙に混ぜ込んでくるから味があってやめられなくなる(どう考えても見かけは欧米ちっくな街角のパン屋さんなのに、中を覗けば馴染みしかない黄色がかったトレーが積まれ、あんドーナツを取る。この感覚が生粋の日本人だと思う。またその逆も然り)。

高級街六本木の街を歩き、すっかりビル群が立ち並ぶ道を抜け、都会だなーなんて感じながら歩いていると、そのパン屋さんはいかにも昔ながらの老舗の味を出しその道沿いにオープンしていた。
ドイツで見たそれなのだ。


今日のお店

風貌はドイツやパリで見た郊外の朝からやっているパン屋さん(朝の6:00くらいからやってるようなお店)。

そうそう、こんな感じだったと外に向かってオープンな感じが懐かしく、留学していた頃を羨ましく思ったほど。本当に普通にそこにあるから驚いた。


冷静沈着にお店を続けてきたような、そんな圧倒的な重厚感がそのお店にはあって、初めての方もそうでない方も安心してお店に入れる。これこそ老舗の存在感だ。


ぎゅっとつ詰まった宝箱

これはワクワクするな。
どんなマリアージュを発揮しているのかと。


そこはやっぱり日本の老舗のパン屋さんだった(これこれ、安心した)。
一つ一つ真心とアレンジが効いたパンはいかにも日本のパン屋のようで、種類が多く素朴さもあるのが選ぶ楽しさを日常にもたらしてくれるありがたい存在な。
また白とオレンジが基調で、間違いない。

しかし、そんな日本風に欧米のエッセンスを加えたこのお店はやはり少し違った。
カヌレが並び、煌めくギフトボックスの数々が光っていた。

顔が変わったようなラインナップに驚きとその面白さにワクワクしてきた。

そんなこのお店の人気は、まさかの六本木あんパン。やはり老舗の味がしっかりと残っているのだと、期待通りにほっこりした。

もちもちチャパタのあんバターに決めた(あんパンが売りなら、とあんバター好きは唸ったのだ)。


むっちり噛むのが気持ち良い

もっちもちでふかふかの弾力のある白パン。
口に触れた瞬間にわかるほどの有塩バターがもう最高で、食べるたびに、ジュワジュワ広がる塩気とこし餡ペーストがたまらない。
素朴な味わいだが、あんバターはいつの時代だって美味しかったんだって、再確認できた。

そんなお供はやっぱりコーヒーで。

店内のギャップも束の間、こんなに幸せなあんバター朝食を頂くと、噛み締める美味しさに感謝しか出てこない。

やっぱりパン屋はいつだって夢をくれる身近なテーマパーク。
ヨーロッパを回った僕には、欧米の早朝パン屋がまだまだほっとするようだ。


美味しいひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。





今日のお店:ラトリエ デュ パン(東京都港区六本木6丁目1−12六本木ビル1階)



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