気持ちをシャアするイタリアン
おはようございます。
今日もご覧いただきありがとうございます。
今日の朝は、海老の出汁塩なる石川のお土産で炊き込みご飯を炊きました。
それだけで、目覚めが良いものですね。
朝ご飯は命。
今日もエッセイ書いていきます。
今日の食日記
イタリアンには精通していない。
僕はイタリアンが好きだ、と言うほどイタリアンに馴染みはないし、お決まりのメニューもこれといってない。
僕のグルメ経験値の中でも、リピートするほどのイタリアンがあるわけでもなく、大学の近くにイタリアンレストランがあって、そこには4度ほどお世話になったと言う思い出くらいだ。
パスタは好きだし、ピッツァも好き。
チーズにガーリックを効かせたサイドメニューの数々も申し分ない。
上げればイタリアンに嫌いな料理はないし、むしろ好きなラインナップに唸ってしまうほど。
だが、イタリアンに思い出がそうないのは、一人でディナーをする僕の特性にあるのかもしれないと思う。
イタリアンやスペイン料理は特に、コースというより誰かとシャアしましょうというような、お酒があってバルの中で楽しむ文化の一つという認識が強い。
だからか、一人ディナーを細々と楽しむ僕にとっては遠い親戚のような存在なのだ(ランチの五右衛門パスタと、年に一回くらいのドミノピザはファストフードの部類だ)。
自分にとっては珍しく、友人がディナーを誘ってくれた。
本当に嬉しかった。
またとないディナーの機会、僕は食事も会話も全てを受け入れようと決めてその機会に臨んだ。
だって、美味しいの価値観が似ているその人。
人に気遣う人生観だって似ているその人。
美味しいも、語り全ても間違いなくシャアできるその時間が、今の僕には必要なんだから。
今日のお店
黒磯駅近く、明るいランプが宿るそのお店は、クリスマスツリーのオーナメントのようなお店。
まだ肌寒いこの時期は、春の陽気も冬の寂しさも味わってしまう。
そんな冬の寂しさに寄り添ってくれるようなクリスマスムードにほっこりした。
お店は一人で切り盛りされているらしい。
だからか、明らかに僕らのスピードが身勝手でいられる心地よさがあった。
まだドリンクを頼まないのか?なんて声も空気も届かない。
それは語り始めたら止めることができないのだから。
もう一次会済みましたか?くらい時間が経過し、ドリンクと食事を頼んだ。
イタリアンと言っても、豊富なラインナップに空腹が先に進んでしまう。
とりあえずのノンアルドリンクと共に、どっさりとサラダがやってきた。
葉野菜はシャキシャキと爽やかなサウンドを刻み、僕たちの会話は加速していく。
これまでのこと、これからのこと。
今の悩みを打ち明けては、共感の花火が何度も打ち上がる。
ここまで連発できると気持ちが良いものだ。
と、時を同じくして、お店自慢の炭火ローストポークにスパニッシュオムレツ。
炭火の香ばしいしっとりのグリルドポークは、素朴な味わいとじっくりと閉じ込められた旨味がとても落ち着く味わい。
頬張る自分も比較的冷静で、会話も味わいもどちらもきちんと尊重しながら、心から食べきった(じんわり)。
ペースは変わらず、ドリンクが進み、気づけばお皿は空っぽに。
そんなんことも気付かぬうちに、僕らはまた話し込んだ。
だらだらじゃない、しっかりと。
お互いが意思を持ってきちんと向き合って話し込んだ。
だから、お店の方もしっかりとした眼差しで見守ってくれていたのだと思う。
食欲を思い出した頃はラストオーダー、流石に驚いた。
濃厚なモッツァレラがたっぷりと絡みつく、トマトパスタを飲み込んだ。
もったりなチーズは芳醇で、チーズ欲は一気に120%。
まだ終われないと、ダメ押しのグリルドチキン。
パリッとお手本さながらのクリスピーな鶏皮は、シズル感にやられる。ジューシーで旨味が凝縮したチキンの美味しさが喉元を潤した。
止めどない会話と食の断続的な会合は、いつまでも続くのでは?とノンストップで止まらない。
そんな一瞬のイタリアンは、美味しくなんだかすっきりした。
僕にとってはそれは珍しく、そして最大の幸福だった。
あまり人と食べる時間に、味わうと話すを共存できない僕。
でも、シャアするイタリアン。
流石の味わいと、取り分けるシェアスタイルは、気づけば気持ちまでシャアしていたではないか。
これが気持ちまでシャアするイタリアンなのか。
そんな夜から、そのお店にその店主に、そして共にした友人に、シェアした全てを覚えておいてほしいと勝手ながら祈ってしまったのだ。
美味しいひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。
今日のお店:rustico(ルスティコ)(栃木県那須塩原市錦町2−3)
*Instagramでは暮らしにある食をすきなだけ発信しています*
暮らしのヒントになれば、と。
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