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朝一パン屋は天国行きだ

おはようございます。
今日もエッセイご覧いただきありがとうございます。

今日はパン屋さんでの幸福体験。
大好きなんです。
いつも幸福をありがとう。そんな気持ち。



今日の食日記

こんな場所が天国だったらいいなぁ、と時々思うことがあると、大抵パン屋さんにいる。

なんだその話は、とちょっと異常な発想力を発揮してしまっている自分がいるが特に気にせずに。

小さい頃から、死を迎え入れようとするならばやっぱり天国に行きたいとかなんとか考えることがあった気がする。
小さいなりにも天国と地獄の話とか、日頃の行いが天国行きへ誘ってくれるだとか、案外染みついた日本論なのかもしれない(誠実なんだろう僕も。天国行きは諦められないから、赤信号は止まるし、食料品店の棚から床に落ちていたらすかさず拾ってしまう)。

そんな天国はいつからかお花畑になっていた。

正直にお腹空かないのかな?とすぐに現実的な疑問を抱いてしまうのだが、とにかく花が咲き誇った平野を優雅にスキップしている絵が浮かんでくる(満点の青空に100点の笑顔で)。

パン屋に行くとそこは天国だと錯覚する、
つまりは、お花畑でスキップしていると同様の感覚に陥るということだ。

なんて素敵な世界なんだろうと、目の前は白く光り、見るもの全てが憧れのその先だということに気づくのだ。
そこが僕にとってはパン屋なのだ。

朝一に早起きして、ぜひパン屋に行きたい。
そのために早起きから始まる休日をいつまでも自分の文化遺産にしていたいものだ。
きっと最も休日を感じる瞬間、今日まで頑張ってきてよかったと思える瞬間、それが紛れもなく朝一番のパン屋なのだろう。

なんせそこは天国なのだから。




今日のお店

栃木に越してきて、念願叶ってのshopain artisanに出向いた。
1ヶ月以上も前から、今日行こうと気が熟しての来訪。

満点の青空にちょっと暑いくらいの快晴。


はい、天国決定。


そこは柔らかな日が入る、黄色いオーニングのお店。

太陽のようだった。

扉を開けると右手に、目の前に、そして左手奥カウンター長く、どこもかしこにパン、クッキー、焼き菓子、パンドミがずらり。

もう思った。
「ここは天国だ」と。

突然お花畑に放り込まれたって、きっと肯定できるいまその時。
あれは間違いなく天国行きを下された、幸せの卵の中だった。


解けた笑顔のようなクリームパン

鮮やかなパンが嬉しそうに笑っている。
どれも自信に満ち溢れたひまわりのように咲き誇っているのだ。

夢でもいい。
朝一番のこの天国をとにかく逃したくない。

そんな思いが強すぎて、まあパンが決まらないのって。

カフェがあるので、モーニングに2つをなんとか選び切り、結局6個買って天国カフェに向かった(まばゆい別室に歓喜!)。

というか、ここまで手の込んだパンを並べ、ドリンクまで用意してくれるとは。
それだけで尋常じゃないホスピタリティを感じる。


さすがの選抜感だ

カフェラテに合わせるのは、クリームドーナツとあんバタープレッツェル。


クリームドーナツ
もっちりからジュワッと程よい重力を感じるドーナツはイーストを効かせすぎず程よく口どける。
どろっとクリームが冷たく解ければ、焦がしバターの風味とミルキーな優しい甘さのクリームが口いっぱいに広がる(それを天国ドーナツと名付けた)。

あんバタープレッツェル
プレッツェルの良さを感じられるあんバターだ。
プレッツェルはドイツ仕込みらしいかなり素朴でさっくりぽそぽそとした田舎風プレッツェル。
素朴さを残すようにと、あんこは甘さは控えめで風味が強い。バターのコクが全体をまとめ、休憩ひと段落ついたような、鋭さ派手さのない母のようなあんバターだ。

食べ終わった頃には、やっと天国を抜け出す決心がついていた。
気づけば踏み出す腰は相当に重たい。

でも、ここが天国だと分かった時点で、また一歩踏み出す理由ができた。

よし、また一生懸命に天国まで走り抜こうではないか。


美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。





今日のお店:SHOPAIN ARTISAN BAKEHOUSE(那須塩原市西三島3丁目183-276)



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