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プロボノを経て、有償案件をゲットするには?

パラレルキャリアの最初の一歩として、私は「プロボノ」という選択肢と強くおすすめしています。

仕事は実績がある人に集中するので、未経験だとなかなか仕事がきません。プロボノで、小さな実績や、クライアント候補を見つけるのは、チャンスがない状態だと有効です。

プロボノで、プロへの道が開けた

私自身、プロボノでフリーランスとしてのキャリアが開けました。

NPO法人の代表を著者に立てて編集した旅行記、「馬上の旅人」がAmazonの海外旅行カテゴリで1位を獲得(紙・電子の総合)したことで、「うちでライターしてみる?」「電子書籍発売の相談に乗ってほしい」など、有償でのお仕事の引き合いが増えました。

また、NPO法人で参加者を募集するイベントの司会を数年続けたことで、人前でしゃべる技術が上がり、現在はプロとして講演活動やファシリテーター業務の依頼をいただく基礎となりました。

その中で、私がパワポでデザインするのが得意なので、NPO法人の方から「予算がなくてデザインができないNPO向けに、パワポでできるデザイン講座を開いてほしい」と頼まれ、「パワポでグラフィックデザイン講座」を立ち上げました。初回は無償のプロボノでしたが、すぐにほかの企業から「講師料を払うからうちでもやって!」と依頼がきて、副業として成立するようになりました。

今、フリーランスとして収入を得られている活動は、ほとんどが最初はプロボノを経ていたので、「無償のプロボノを経て有償案件に結びつける」というルートは、無謀では全くないと感じています。

ただ、パラレルキャリア初心者の方からは、よくこんな悩みを寄せられます。

「プロボノを続けているけれど、プロボノ止まりで収入が得られない」
「プロボノでやってしまうと、無償でやる人認定されて逆に顧客を失うのではないか」

そんな悩みや不安に、私なりにお答えします。

プロボノ止まりの人に足りないもの

1つ目の「プロボノ止まり」に関しては、質の高さか情報発信が足りていない可能性が高いと思います。

提供している価値が高ければ、周りが放っておきません。

無償でやってくれたことに「ありがとう」と感謝されたとしても、有償で頼みたいハードルを越えたとは限りません。

もし、プロボノで手伝った相手が有償に切り替えてくれなくても、「予算があれば有償にしてあげたい」「無償でやってもらったけれどプロレベル」「有償にしてくれる人がいたら紹介したい」くらいの言葉はガンガンもらえるようでないと、残念ながら「無償ならありがたいけれど、プロとして頼むほどではないな」というのが率直な感想なのだと思います。

周りが放っておかないレベルになるまで、提供できる価値、自分の市場価値を上げるべく、プロボノで実戦経験を増やしレベルをあげましょう。

かつ、もしかしたらプロの端くれとして活躍できるレベルになっていても、情報発信が足りていなければ仕事のチャンスは訪れません。

プロボノとしてやったことを、SNSで日々発信できていますか?
発信内容は、自分が何ができて相手にどんな価値をもたらすものか、わかりやすく言語化できていますか?
あなたのスキルを求めてくれる人がいそうな場所に出かけて、連絡先を交換していますか?

この辺りをきちんとできていないと、誰にも見出してもらえません。

シンデレラが舞踏会に行かなかったら、王子様に一目ぼれされることもありません。スキルがあるはずなのに仕事が来ない、と一人で嘆いている暇があったら、自分のスキルを見せつけるべくオンラインでも対面でもいいので人前で踊りましょう。

そして、シンデレラはかなりの美女らしいので黙って踊るだけで王子様がキュンとなったようですが、「普通」「普通よりちょっと上」くらいだと即決してもらえないので、ちゃんと自分からアピールしましょう。売り込み、大事。

途中で値上げしていい

無償でやる人認定されて、今後も無償で頼まれるのが嫌だ…という人。

しかるべきタイミングで、値上げ交渉しましょう!以上!

フリーランスでも企業でも、何か理由があれば値上げ交渉します。一度この価格でやったから、未来永劫同じ価格でやらなければいけない道理なんてないのです。

予算が取れないから、以前と同じように無償で、とゴネられたら断ればいいだけです。

他の案件でお金が取れるようになってきたら、「最近は有償にしているので、〇〇円なら対応できますがいかがでしょうか?」と打診すればいいだけです。

ここの交渉ができなければ、副業ベースだろうとフリーランスとして受注していくのは難しいので、「フリーランスたるもの値決めの交渉は避けて通れない」と腹を決めてください。

また、無償=プロボノと呼ぶ風潮もありますが、無償の全てがプロボノという訳ではありません。

企業だって、営業努力の一環として、無償のモニターを募集したり、サンプルを配ったりすることがあります。

無償のものがすばらしいから自動的に有償になるわけではなくて、ちゃんと無償の先に、有償案件への出口戦略が用意されているのです。

自分がやりたい業態で、企業がどのように受注につなげているのか、一度研究してみては?

私がスムーズに値上げできた理由

具体例があった方が理解しやすいと思うので、私がどのようにプロボノ→有償→単価アップの道をたどったか、簡単にご紹介します。

プロボノで実践してから、マネタイズまでの時間が最も短かったのは、「パワポでグラフィックデザイン講座」でした。かつ、有償案件の最初は8000円、次に10000円で、半年後くらいには数万円の報酬が得られるようになり、金額アップのスピードが速かったのもこの講座です。

1コマで10万円以上いただけるかどうかが、「人気講師かどうか」の基準の一つかなあと個人的には思っていますが、私が最初に10万円以上の報酬をいただいたのはこのデザイン講座でした。

プロボノから有償に切り替えるまでが早かったので、ポッとはじめてトントン拍子にうまくいった感じを受けるかもしれません。

スピードが速かったのは、プロボノでやった初回からある程度質が高かったのはあると思います。

編集者として働いてきた5年間(当時)で身につけた、デザイン・色彩・パワポに関する知見の全てを詰め込んだので、質が高いコンテンツをつくる下敷きはあったんですよね。

日々触れるデザインやアイデアのストック、書籍で学んだこと、上司にすっごい怒られたミスとその防止策…などなど、私が職場で垂れ流しまくった汗と涙の結晶を、ギュギュっと90分にまとめた訳なので、内容は充実していたと思います。

かつ、それをSNSで積極的にシェアしました。すると、知り合いのコワーキングスペース経営者から「うちも!」と声が挙がり、別のイベントスペース経営者からも「うちも!」とお声かけいただきました。

スムーズに横展開できたのは、「需要があるテーマだったこと」と、「イベントページに内容がよくまとまっていたこと」が大きかったと思います。

講座の場合は、イベントページをシェアするだけで、そのページの文章に「誰に何を提供できるどんな講座なのか」がしっかりと載っていれば、クライアント候補が見たときに検討する材料がだいぶそろっています。

あなたがシェアしたい実績が、そのような対外的にアピールできる文章がないものなら、シェアするときに丁寧に説明することが必要になります。

そんな感じで、市場価値があるコンテンツをつくり→そこに価値を感じるクライアント候補に情報を届ける、という流れで収入を得るに至りました。

有償案件を得たらプロボノは卒業?

なお、一度有償案件をいただくと「もう無償は受けません」という方がいますが、個人的には「有償案件でスケジュールがびっしり埋まるまで」は、無償のプロボノを続けて損はないかなあと思います。

たまたま、予算があって自分にハマるクライアントが見つかっても、他のクライアントから相手にされるレベルに足りていなければ、仕事が増えていきません。

特に駆け出しの時期は、出し惜しみせずにレベルアップする場にはどんどん参加した方がいいと私は思います。

フリーランスに関する情報は結構ありますが、プロボノを経てフリーランスになるというフェーズについての情報は少ないので、今回の記事がお役に立てれば幸いです。

パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名

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