見出し画像

複業は「プロダクトアウト」と「マーケットイン」どちらが大事?

先日の講演で「知り合いの経営者から、〇〇を手伝ってほしいと声をかけられ実践するうちに強みと実績が増えた」という話をしました。

「複業のスタート時点だとマーケットインの視点が大事なんですね」とコメントをいただいたのですが、一概にそうとも言えないんじゃないかなあと思っています。

プロダクトアウトは、自分がつくれるモノや価値をベースに、それをどう売っていくか考える手法のことです。

マーケットインは、顧客のニーズをくみ取ってそれに応えるモノや価値を提供していく手法のことです。

複業をしていく方にとっては、プロダクトアウトもマーケットインもどちらも大事!

まず、複業をしたい人・初心者は、自分が何をしていくか定まり切っていない人も多いと思うんですよ。

プロダクトが何なのか決まっていない。ウォッチすべきマーケットすらわかっていない。その状態で、プロダクトアウトかマーケットインかで悩んでも、特に何も生まれません。

会社でいえば、「食品を作るのか、ねじを作るのか、WEBサイトをつくるのか」も決まっていない状態の方も結構多いのです。その状態で、顧客の声を聴くといっても無理です。

だから、まずは「自分が提供できそうなプロダクト」の候補を挙げてください。その中で、自分が長期的に取り組めそうで、マーケットの中で市場価値がありそうなジャンルを決めましょう。

そのうえで、「プロダクトを揃える」ことと「マーケットを見渡す」ことを、同時進行で行うのがおすすめです。

プロとしての実績がないなら、声がかかった時に備えてスキルアップをしておく必要があります。

そして、あなたが売りたいクライアントがどこにいるか、何を求めているか、マーケットを観察しましょう。マーケットというと動向を数値化したものを想定するかもしれませんが、フリーランスとして動くならクライアントになりそうな経営者の話を聞く、くらいの草の根的な活動の方が、自分に必要な情報が入ってくるかもしれません。

そうやって、武器を揃えて磨き、チャンスの兆しに耳を澄ませているうちに、ある日「自分が提供できる供給と、それを求める需要」が一致するチャンスがめぐってくるものです。

「クライアントの存在なんて気にせず、自分が信じるスキルアップをひたすら行う」でも「自分が何ができるかは考えず、まず経営者の話をたくさん聞きに行く」でも、うまくいく可能性はゼロではないです。ただ、同時進行でやった方がスピードも速くチャンスも多いと思います。

「プロダクトアウトか?マーケットインか?」の二択で考えたがる人は、おそらく「ルートが見えた方が安心」なのだと思います。スタート地点を決めて、ゴールを一直線に目指した方が、確かに効率がよさそうです。

でも、キャリアや人生に正解も最短ルートもないので、わかりやすい道案内のついたルートなんていないんですよね。

「自分は何ができるか?それに価値を感じてくれるのは誰か?」を地道に考え、探す必要があります。

いるかいないかわからないクライアントのことを考えながら、プロダクトを磨くのは手ごたえもなく孤独だと思います。

誰からも褒められない期間がそこそこ続くかもしれませんが、自分で自分を褒めつつ続けてみましょう。

市場価値が一定になるまでには誰からも相手にされないけれど、一定を超え始めると急にお声がかかりはじめるものです。

その転機が、「自分のできること、やりたいこと」寄りになるか、「クライアントの声」寄りになるかは、人によって違います。

「プロダクトアウトだ」「マーケットインだ」と決め打ちせず、じっくりと自分とクライアントが出会う転機を探してみませんか?

パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名

お読みいただきありがとうございます。
TweetしてくださったらRTします♪
シェアボタンを使うか、@erinakeinoをタグ付けしてくださいね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?