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人脈って言葉はイヤラシイ?私が「人脈は大事」と平常心で言える理由

経営者・フリーランスなど自分の名前でビジネスを行っていると、「人とのつながり」の大切さを実感する場面も多いと思います。

旧友や知人と面白い仕事をしたり、その知り合いを紹介してもらって仕事につながったり。

これまでフリーランスとしていただいた仕事や取材依頼の半数以上が、知人かその知人からでした。

だから、これから独立や副業をする方には、人とのつながりや人脈を増やそうとアドバイスします。

ただ、「人脈ってイヤラシイ」と感じて、躊躇する方が一定数いるんですよね。

「人を値踏みしているようで嫌」
「人脈人脈って言う人は信頼できない」と。

気持ちはちょっとわかります。

異業種交流会で名刺交換をしたら、後から怒涛のメルマガや営業連絡がきたり、怪しいネットワークビジネスだったり。久々に会った同級生から謎の勧誘をされたり。

「人脈を求める人」と関わったばかりに、嫌な思いをしたことがある人も多いと思います。

「普通の友達だったのに、利用価値があると思われてたの?」
「親しげに話したけど、金づるだと思われてたのか」

と、自分が養分になっていると感じたら、そりゃ嫌な気持ちになります。

私も、自分の肩書きや人脈を一方的に利用して使い捨てにしそうな人は遠ざけたいです。

ただ、それでも私は「人脈は大事」と、全く後ろめたさなく思い続けています。

後ろめたくない理由は、「人にしてもらったこと」より「人にしてあげたこと」の方が多いからです。

相談されたら助言して、困っていたら手助けして、いいご縁になりそうな人がいたら紹介して。

出版業界にいることもあり、「このテーマの記事を書けるライターさん、紹介して!」「○○の取材を受けてくれる方を探してます」という打診には、100人以上は紹介してきたと思います。

しかも、私は勤めている会社が副業を解禁する前の5年間は有償の仕事ができなかったので、「自分の仕事につながる」という出口戦略もありませんでした。

手数料も別の仕事ももらえないけれど、マジのほんとに100%善意のみで、誰かに誰かを紹介してきました。

紹介した方から「半年前につないでもらったクライアントから、かれこれ100万円は発注していただきました。ありがとうございます!」とお礼を言われて「よかったですね!(うらやましいぃいいぃ)」となったことも。

「情けは人のためならず」なんて諺もあるくらいだから、まぁいつか何かで返ってくるかも?返って来なくても気にしない!と思ってやってきました。即時的なリターンはなくても、周りの方が喜ぶなら嬉しいし。

そしたら、やっぱりと言うか、自分が開業届を出してから、かつて知り合った皆さんとのご縁ががたくさん私を助けてくれました。

冒頭に書いた通り、半数以上の仕事や取材依頼が人づて。営業活動をしなくても仕事が来るし、予算がゼロでもPRができます。

「私は副業もできないし、誰かのために何かしても返ってこなくて損しちゃう」と出し惜しみしていたら、多くのチャンスを失ってしまったはずです。

手助けをしてお礼も言われなかったこともあるし、時間を使って実らなかったこともある。

けれど、自分がしたことの全てを回収しようとしても無理なので、マイナスのことばかり数えて嫌な気持ちになったらもったいない。

自分にとってプラスになったご縁だけ、相手が喜んでくれたご縁だけ、大事に覚えていようと思っています。

自分が「してあげる喜び」を知っていると、人の厚意も気持ちよく受け取れます。差し伸べる手を疑わずに掴める人ほど、どんどん次のステージに上っていけるものです。

それから、もうひとつ。

私が「してあげたこと>してもらったこと」と言うのは、質ではなく回数の話なんですよね。

20代半ばの何もできない女の子(当時ね。今はパワー系30代)が提供できることなんて、たかが知れているので、何か提供したとしても、一つ一つはほんの小さなものだったと思います。

でも、そんな私に目上の方がくれるチャンスやアドバイスやご縁は、自分一人では手にできない大きなものばかり。

「私はこの人にあげられるものなんてないのに、受け取っていいんだろうか?」と戸惑うこともありました。

でも、私からみたら背中も見えない偉大なベテランも、どうやら若い時は目上の人から色々してもらったらしい、ということに歳を重ねるごとに気がつきました。

誰かから受けた恩が、自分の人生を豊かにして、それをいつかまた誰かに返す。

今目の前にいるベテランに返せるものは少ないけど、いつか私がベテランになったらまだ見ぬ後輩にご縁を受け継ぎたい。その日を考えるとワクワクします。

そうやって脈々と受け継がれてきた、縁の循環ってすてきだなぁと思います。

だから、私は人脈という言葉が好きです。

「してもらえること」にばかり目が行くとカリカリしてしまうから、「相手にしてあげられること」「いつか誰かにしてあげられるかもしれないこと」を考えて、人のつながりを大切にしたいと思っています。

あ、それでもやっぱり、利用だけしてこようとする悪い人・ズルい人もいるし、善意の関係でも時間が取られすぎて厳しいってこともあるから、すべての縁に飛びつくのがいいって訳でもない。時には選ぶことも必要!

そういう選別眼も、人脈やご縁に揉まれてみないと養われないので、かつて味わった微妙な人間関係も、今の自分の糧になっています。

悪意で騙そうとした奴はキッチリ撃退したし今も許してないけど笑、その経験があるから騙されにくくなりました。

人脈の清濁を併せ呑みつつ、すてきなご縁に期待しながら、人に揉まれて仕事をしていきたいなぁと思っています。

パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名

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