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「考えすぎて動けない」は実は考えてない。不安を武器に前に進むには?

パラレルキャリア(副業・兼業・プロボノ)に関する講演を3年ほど続けてきましたが、「考えすぎて行動できない」というタイプの方が一定数います。

「こんなことが起こったらどうしよう」「この選択がベストかどうかわからない」と考えて、足が止まってしまうのだそうです。

でも、最近気づいちゃったんです。

考えすぎて行動できない、という言う人のほとんどが、あんまり考えていないという事実に…!

立ち止まっている人がすべきは

ほんとに考え尽くしている方がいたら、失礼なこと言ってごめんなさいね。

でも、もし考え尽くした結果「行動しない」という選択をしたなら、モヤモヤはしていないと思うんですよ。行動は起こしていなくても、積極的な選択をした訳ですから。

「考えすぎて行動できない…」とモヤモヤしている人は、思考パターン・行動パターンを変える必要があると思います。

オススメしたいのは、「不安を細分化して、情報を集めて、一つ一つ解決する」こと。

不安が先立ってしまう場合、その解決策が手近に見当たらないので、「この不安がある限り前に進むと危険なのでは」と思ってしまうのではないでしょうか。

まず、何が不安なのか言語化してみてください。

初期投資が回収できるかわからないから?
成功までの道筋が全く見えないから?
市場に優秀な人材が多すぎて太刀打ちできないかもしれないから?
スキルはあるけれど営業に自信がないから?
開業までの手続きがわからないから?
税金のことがわからないから?
トラブルやクレームが起きると嫌だから?
自分のモチベーションが続くかわからないから?

思いつく限り、具体的に書き出してみましょう。

そして、「解決法や周辺情報を調べる」ことで、不安を一つ一つ解消してみます。

たとえば、成功までの道筋が全く見えず足がすくんでいるなら、自分がやりたいことに近いことをやっている人・会社の事例をたくさん集めます。

成功事例の共通点や、自分が活用できそうな点を列挙するうちに、調べる前よりは自分が行くべき道筋が見えてくるはずです。

お金のことがわからないなら、税理士さんに相談するなどプロの力を借りることもできます。

市場のことが掴めておらず、市場調査をする予算もなければ、ユーザーになりそうな知人に片っ端から相談してみるのも手です。予算がないなら、足を使えばいいのです。

自分が悩んでいることは、だいたい先人たちも悩んできたことです。そして、ネットがある今、検索すれば比較的簡単に情報にたどり着くことができます。

もちろん、調べてもわからないこともあります。正解がなく、リスクを取らなければ前に進めない場面もあるでしょう。

そこで調べ尽くして考えつくして引き返すなら、建設的な撤退と言えます。

そのだいぶ手前で、大して調べもせず、検証もせず、漫然と停滞しているのは本当にもったいない!

モヤモヤとした不安をそのままにしておくと、実際以上に巨大で不気味に思えてしまうものです。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんて言うように、全容が見えないものに人は恐怖心を感じます。

その不安を、細分化して、言語化して、一つずつ解決すれば、最初に思っていたよりも不安はかなり小さくなるのではないでしょうか。

不安って、悪いもの?

そして、不安は「解決策のヒント」になるので、決して悪者ではないのだと思います。

不安を感じることができなければ、徒手空拳で歩き出し、トラブルが起きてすぐ撤退、といったことになりかねません。撤退するだけならまだマシですが、初期投資分を失ったり、人に迷惑をかけて信頼を失うこともあります。

適度な不安があるからこそ、必要な対策を講じることができ、何かを失うリスクを減らせます。

高い山に、地図も持たず軽装で登ったら、間違いなく遭難してしまいます。

「きちんと準備しないと危ない」という不安があるから、安全なルートと登山計画、十分な装備を準備するのです。

「自分は不安になりやすいから、いつも行動できないんだ」なんて決めつけるのは早とちりです。

不安を感知できる能力があるのはいいことで、問題はその不安を放置して行動に移せないことです。

そして、不安をバネに行動するのは先天的な才能ではなく、経験によって伸ばせるスキルだと思います。

新しい挑戦ができるようになったきっかけ

今思えば幸運でしたが、19歳の時に「不安は解決策の種だ」と気づけたできごとがありました。

大学生だった当時、「早稲田祭」という学園祭の実行委員をしていたのですが、1年生の終わりに新規プロジェクトを立ち上げたいと思いました。

学園祭というと様々な出し物がありますが、やはり目立つのは飲食の屋台とダンスなどのパフォーマンス。学生の内輪の盛り上がりに終始している感が否めず、「もっと、社会に向かう早稲田祭にしたい」と感じました。

早稲田が掲げる「進取の精神」「地球市民の育成」という理想を体現する何かをしたいと思い、企業のCSRにヒントを得て、FSR(Festive Social Responsibility/学園祭の社会的責任)という新規部門を立ち上げようと決めました。

早稲田祭がすでに行っていた地域貢献、バリアフリー、環境対策などの広報にさらに力を入れるとともに、公式グッズを販売してその利益をカンボジアの学校建設資金として寄付するという構想を練りました。

2年生になった4月、組織の中で提案すると、信じられなくらいの大反対。

早稲田祭は、かつて政治団体が運営の中心になり金銭問題を起こして中止になった経緯があり、「物販」という金銭を扱うだけで絶対にNGと考える人が多かったのです。限られた予算は、参加するゼミやサークルのためだけに使われるべきだと主張する人もいました。

また、「俺たちは3年間、自分の希望よりも全体を優先してきたのに、なんで代表でもない2年のお前が早稲田祭の改革をしようとするんだ!」と怒る先輩も何人かいるなど、感情的な反発もかなり大きかったです。

反対派の声が大きく企画書が組織の中で否決されてしまったので、アンケートを取って反対者の理由を言語化してもらいました。そして、特に反対意見が強い80人と1か月かけて一人一人と直接会い、何が懸案事項なのかと、何を解消すれば実現が見えるかを話し合いました。

「物販で収支が合わなかったらどうする」「寄付先は信頼できるのか」「参加サークルの理解が得られないかもしれない」など、不安を挙げれば切りがなかったのですが、逆にその不安の解決策を真剣に考えることで、実現可能性が高まってきました。

不安を解消するプロセスで、企画成功までのロードマップが見えたのです。

その後、時間をかけて承認を通し、FSRという部門を立ち上げ、グッズ販売や寄付、広報も成功しました。

もし、企画がすんなりと通って、一人で計画を立てていたら、こんなにもたくさんの「不安の言語化」はできなかったはずです。

巨大な不安も、細分化してみれば「解決できる小さな課題の集合体」でしかないことも知りました。

「本気の反対派」の「本気の不安」が集まり、彼らを説得する必要があったからこそ、網羅性が高く隙の少ない解決策を考えることができました。

当時は大変でしたが、とてもいい訓練になったと思います。

不安を武器に前に進む

あれ以来、私は「漠然とした不安」におびえなくなりました。

「新しいことに挑戦したいなら、不安があるのは当たり前。
前例がなくて対応できないなら、ひとつひとつ解決策を考えればいい。
不安は敵ではなく、解決策を考えるためのヒント。」

そう感じているので、淡々と不安を細分化して、淡々と対処することにしています。

「あ~この不安、知ってる知ってる!対処法も知ってる!地道に潰すのみ!」と落ち着いていられます。

不安を少しずつ切り崩し、それを踏み台に企画成功の道筋が見えてくるのは、快感ですらあります。

不安を感じていることに悲観的になる必要はないし、「この不安があるから、安全に前に進めるぞ!」くらいに捉えてよいのではないかと思います。

もし、あなたの周りに「ものすごい行動力で真似できないな」なんて人がいても、言わないだけで実はその人だって最初は不安もあり、チマチマと解決策を考えて一つずつ実行しているのかもしれません。

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