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Struck by the rain

徹底的に打ちのめされたい夜がある。

体を叩く雨粒が、地球の重力の存在を教えてくれる。
目を開いていることだけに全エネルギーを使い切ってしまう物理の授業よりも直感的かつ煽情的に。

徹底的に打ちのめされたい夜がある。

どういう角度からも自己弁護なんかできず、サンドバックに転生させて一生パンチングマシンの刑に処してほしい気分。

雨に歌いたくても、歌える歌も、歌う才能も無い。
踊りたくても、踊りだせるほどの度胸も、動く体もない。
そんな人間に許される唯一の手段は、せいぜい奇人よろしく雨を笑顔で受けること。

頬を濡らす液体が、身からあふれ出たものか、空から落ちてきたものか?で
今この瞬間の役名が変わる。
「激痛メンタルヘルス爆弾女」か「マッチ売りの少女」くらいの落差で。

徹底的に打ちのめしたい夜がある。

アトピー性皮膚炎の患者が、患部を搔きむしって浸る快楽に似た自傷と自己愛の願望。
そこにいる自分になんの遠慮も、配慮も、ましてや考慮もなく、全身を濡れほそばせて、体温を奪っていく。
それが心地良い。

Struck by the rainは、緩慢で到達性の無い自殺衝動。
Struck by the rainは、自己愛とひっそりと見せびらかす自慰。
Struck by the rainで、今日を死んで明日を生きる。


おわりー、どうぞよろしく、よろしくどうぞ。

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