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土間はいろいろつながる

土間空間は今もなお日本建築の知恵です。
人やもの、風や熱を繋ぎ生活を豊かに。

魅力的な土間空間

最近のちまたの事例でよく見かけるのが
充実した土間空間での生活シーン。
リビングの延長として、ちょっとしたパーティ開いたり。
玄関の延長として、シューズインクローゼットにしたり。
私の設計では比較的後者を利用することが多いです。

オフィスのエントランス。コンクリートスラブにデッキで上げたMTGスペース。

そもそも、土間って?

むかし、町家などで玄関から裏手に出て聞く通路空間で
砂利と赤土を混ぜた三和土(たたき)で固めた素材で作られていました。
いまはモルタルやタイルが一般的かもしれません。

機能性と合理性を面積比率で考えるなかれ。

実際、玄関土間を広げていると便利なことが多いです。
半屋外的であるので、ベビーカーやアウトドア用品、
ミネラルウォーターのストックなど置くのに便利。
これはマンションでも同じ作法。

マンションリノベでももちろん活用できます。

収納だと玄関からいろんなものが見えそうですが、
玄関の脇に天井までの引き戸を設けると壁が動くイメージで
スッキリとした空間は維持されます。

玄関横にSIC。壁が動くような天井までの引き戸でスッキリと。

煩雑になりがちなこの手の場所は、ドアで仕切るとスッキリしますね。
棚だけでなく、コートなど吊ったりできる相手もがあれば、
なお使い勝手がいいものですよ。

土間空間は半屋外的ゆえ…

いいことが多い土間空間ですが、
床が上がっていないために、地面やスラブがそのまま。
熱伝導率の関係などでそのまま外気の影響を受けることもしばしば。
特にこんな冬の時期は寒さをさらに感じることに。

床も硬めなので、足に疲労感もたまったりして、
長時間いるのも案外こたえます。
マンションでもしかり。

土間はいろいろつながる

土間空間は現代の通り庭。
未だに大いに活用できる日本建築の知恵です。
人やもの、風や温熱環境を繋ぎます。

便利なこと、魅力的なこと、落とし穴があること、
それらひっくるめて、うまいことデザインしたいものですね。

土間で続くSIC。収納量確保。

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