大統領選★テレビ討論会の歴史★
米国の大統領選で、このテレビ討論会は、勝敗を決める要素の1つです。
9月29日から10月22日まで3回に渡り、トランプ現大統領と、民主党大統領候補バイデン氏によるテレビ討論会が開催されます。
日本と違い、直接大統領を国民選ぶこともあり、非常に盛り上がります。このテレビ討論会は、アメリカ大統領選の60年の歴史があります。
テレビ討論会の歴史
第1回は、1960年のジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンの間で初めてテレビ討論会が行われました。ここから、歴史はスタートしています!
1960年 民主党ケネディー勝利
民主党ジョン・F・ケネディ候補と共和党のリチャード・ニクソン副大統領初のテレビ討論が行われました。
ニクソン氏は病院から戻ったばかりで、テレビ出演用のメイクも拒んだことから無精髭が目立ち、7000万人の国民は、両候補の言葉よりも見た目に注意をひかれることとなりました!「人は見た目が9割」といいますからね・・。結果負けてしまいました・・。
1976年 民主党ジミー・カーター勝利
16年ぶりにテレビ討論が行われることになりました。民主党のジミー・カーター候補と、選挙を経ずに副大統領から昇格した共和党のジェラルド・フォード大統領と対決することになりました。
フォード氏の自信満々の態度や発言により、誠実さが際立ったカーター候補が当選しました。人間味が大切ということでしょうか・・・。
1980年 共和党レーガン勝利
1980年は、カーター大統領は、独立系候補が参加しました初回のテレビ討論をボイコットしました。2回目の討論に共和党のロナルド・レーガン候補と共に出演しました。
レーガンは、カーターの発言に対して、対立候補の立場をゆがめていると批判をし討論を笑いに変えて「またやっている」という流行語まで生み出し当選しました。俳優出身であるレーガン氏の表現力の勝利といえるでしょう!
1984年 共和党レーガン勝利
1984年は、73歳のレーガン大統領に対し、民主党が指名したのは56歳のウォルター・モンデール候補でした。
レーガン氏は、「年齢を問題視するつもりもない。政治的な目的で、対立候補の若さや経験不足につけ込もうとは思わない」 という言葉を発し皮肉たっぷりのユーモアとやはりビジュアル表現力などでレーガンは勝利しました。
1988年 ジョージ・H・W・ブッシュ勝利
共和党候補のジョージ・H・W・ブッシュ副大統領と民主党のマイケル・デュカキス候補との討論は、候補者のデュカキス氏の生真面目な性格、回答が勝敗を分けることになりました。
「あなたの妻を強姦し殺害した犯人の死刑を求めるか」という質問に、「死刑にしない」と生真面目に答えたことでデュカキス候補が負けることになりました。元々「アイスマン」といわれていたデュカキス候補には不利に働きました。
1992年 民主党クリントン勝利
ブッシュ大統領、民主党のビル・クリントン候補、独立系のロス・ペロー候補の3人でテレビ討論が行われました。
クリントン大統領との討論の際、高齢のロス・ペロー氏に対して「年齢は関係ないが、問題は、彼の理念の古さだ」とし、クリントン大統領は再選されました。
2000年 共和党のジョージ・W・ブッシュ勝利
2000年は、共和党のジョージ・W・ブッシュ候補と民主党のアル・ゴア副大統領の戦いでした。
政策面や、知識、ビジュアル等すべてにおいてアル・ゴアのほうが上に思われていましたが、テレビ討論の際の対戦相手に対する傲慢且つ失礼な態度が、得票に現れた結果となりました。話が上手かったりするだけでもダメなわけでしょう。人間味というところでしょう。
2004年 共和党ブッシュ大統領勝利
ブッシュ大統領と民主党ジョン・ケリー候補の最後の討論は、ケリー候補は多くの事実を並べたて自分の正当性を論じました。国民の求めているモノではなかったということでしょう。ブッシュ大統領の再選が決まりました。
2008年 民主党オバマ勝利
2008年は、アメリカ初の黒人の大統領誕生となりました。
共和党マケイン氏とサラ・ペイリン氏、民主党オバマ氏とジョー・バイデン氏は、リーマンショックの金融危機のさなかの選挙戦となりました。
両氏とも、労働層に雇用などを約束はしましたが、バイデン氏は、マケイン氏が「経済のファンダメンタルズは強い」と発言したことを指摘ました。
世界的な金融危機に見舞われていたさなか、ペイリン氏の軽率な態度、マケイン氏の経済に対する失言など嫌気されたことによります。
2012年 民主党オバマ勝利
2012年オバマ大統領と共和党ミット・ロムニー候補との戦いでは、ロムニー氏有利との見方もありましたが、女性蔑視するような軽率な発言により小浜氏の再選が決まりました。
2016年 共和党トランプ勝利
2016年、ドナルド・トランプ候補と民主党ヒラリー・クリントン候補による1回めの討論は、米国内で8400万人がテレビで視聴しました。
大統領選に向けた討論としては過去最多であり、デジタル・ストリーミングの時代にあって異例の数値だったといえます。ヒラリークリントン氏は、1回目は真っ赤なスーツ、2回目は紺色のスーツ、3回目は、真っ白なスーツに身を包み、質問などには堂々と答え切り用意周到で挑みました。
それと引き換え、トランプ氏は、準備が万全だったとはいいがたいです。しかしながら、、ヒラリーのその計算されつくした完璧なまでのも演出に人間味は感じることが出来ず、イメージにプラスとはなりませんでした。
元々がそういったイメージですからね・・・。
結果は、トランプ勝利となりました。
言語+非言語コミュニケーションがカギ
テレビ討論では、画面上での動きや、空間の使い方、ちょっとしたしぐさや表情など、取り繕うことが出来ません。その人となりが出てしまいます。
勝敗には「プラス」にも「マイナス」にも働く場ではあります。現時点では、バイデン氏が、7%ほど優勢です。
しかしながら、テレビ討論会によって逆転する可能性もあるのです。またバイデン氏が大きく獲得票を得ることも可能なのです。
では、今日の討論会はどのような内容で進むのでしょうか?
各討論会は、90分 議題は6つ
1回目の討論会の議題は、6つあり、それぞれ15分という時間内に回答し、その後討論に入ります。
議題は下記です。
・「トランプ大統領とバイデン前副大統領の実績」
・「連邦最高裁判事指名」
・「新型コロナウイルス」
・「人種差別に対する抗議運動と都市における暴動」
・「大統領選挙における公平さ」
・「経済」
について競います。
29日日本ですと明日の朝ということですね・・。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?