起業のきっかけ 3

ミラノ生活が始まった。

ここではイタリアだけでなく、初めはセントラルヨーロッパ、次にイタリアからロシアにまたがる26カ国の事業ユニットの経営企画を担当した。

ロサンゼルスに留学した時、水を得たサカナのようにすぐ現地に溶け込んだので油断していたのだが、ミラノでは仕事も生活もなかなか慣れずにかなり苦労した。ヨーロッパ文化の複雑さと奥深さを理解するには少し時間がかかる。そして、色々なことがだいぶ不便。簡単に手に入るはずものがない、もしくはあるのかもしれないが、わからない。

それにしても、なんとまぁ、美しいところだらけなんだろう、ここは(写真はアッシジの山奥)。

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さて、外資系の EXPAT というのは、日系企業の海外派遣社員とは異なり、国籍を問わずフリーエージェントのようなもの、文字通りの片道切符である。人脈を駆使しながら、自分で世界のどこか次のポジションを探すのである。

ヨーロッパでの仕事の契約期間が満期を迎える時、次の仕事はどうしようか、半年以上悩んだ。次、そしてその次、のステップを考えた。ヨーロッパでの学びは、どうやら自分の人生観に新しい彩りを加えたようで、どうも心が踊らない。

私のミラノ生活での苦労と経験を、誰かにとっての付加価値に変えられないだろうか。

先の長い人生100年時代にむけて、違う道へ、早めに舵を切ってもいいのではないだろうか。

15年封印してきた憧れの Entrepreneurship を、今、挑戦する時がきたのではないだろうか。

そんな考えが頭をよぎる。

きっかけ 4 に続く

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