シリアとパレスチナのお母さんの味
レバノンでシリア難民とパレスチナ系シリア難民のお母さんたちから、家庭料理を教わる機会があった。
①モロヘイヤスープ(Molokhiya)
シリアやパレスチナ、エジプトやレバノンでも食べられるモロヘイヤスープ。家庭料理なので、少なくともベイルートでは、レストランで見かけることはなかなかない。大好きなモロヘイヤスープ。ずっと食べたくて、作り方を知りたくて、今回リクエストしたものだ。
モロヘイヤは、今の時期がちょうど旬。普段は乾燥モロヘイヤを使うが、この日はフレッシュなモロヘイヤが手に入った。乾燥モロヘイヤとフレッシュなモロヘイヤ、両方で作り、味を比較することに。
チキンやラム肉と具にするが、私が健康上の理由からお肉が食べられないので、私用にベジタリアンバージョンも。
新鮮なモロヘイヤ。
切り方が、特徴的。
カットした後は、こんな感じ。
こちらは、乾燥モロヘイヤ。水に浸して、戻しておく。
たっぷりの油に、みじん切りにした玉ねぎを軽く炒め、みじん切りにしたガーリックを加える。少しだけ、コリアンダーを加え、モロヘイヤを投入する。コリアンダーを入れるのは、乾燥モロヘイヤを使う時。乾燥するとモロヘイヤの香りが落ちてしまうため、フレッシュコリアンダーで、少し香りと味に深みを持たせる。
先ほどの楕円のナイフで刻んだフレッシィモロヘイヤを投入。通常は、モロヘイヤ投入の前にお肉(この日は鶏の胸肉。ゆでて、ささみのようにする)を入れるが、ベジ用も作るため、先にモロヘイヤを投入し、鶏肉は最後に加えた。
写真の中央が、下茹でした胸肉。
生のモロヘイヤを投入。
できあがり。フレッシュモロヘイヤスープ。
こちらは、乾燥モロヘイヤを使ったスープ。
フレッシュを使うと粘り気があり、甘くもったり。乾燥は、独特の触感と少し苦みがある。どちらも違った美味しさ。
②タッブーレ(Tabbouleh Salad)
一番手前のフレッシュなパセリを使った、中東の代表的なサラダ。
ナイフでひたすら細かく刻む。
レモンジュース、小さなダイス状に切ったトマトとスプリングオニオンお塩、ふやかしたバーガー麦と混ぜる。
ふやかしたバーガー麦。
レモンは、手のひらで転がすと、柔らかくなって絞りやすいという。
手で混ぜるのが、ポイント。
③バタタ・ハラ(Batata Harra)
ダイス状に切ったジャガイモを揚げたもの。コリアンダーと唐辛子のペーストで、味つけをする。
唐辛子のペースト、コリアンダーをたっぷりの油の中に、入れる。
そして、じゃがいもを入れ、揚げる。
一度、揚げたものを取り出し、2回目はオリーブオイルで2度上げをし、カリっとなるように仕上げる。
④アラブ・ライス
ナベに油を敷き、Kataifi と呼ばれる短いパスタ(バーミセリ、Vermicelli)を揚げる。
揚がってきたら、バスマティライスの生を投入、炒める。
お米に火が通ったら、水を入れ、お鍋のふたを閉じ、ゆっくり炊いていく。
⑤デザート バスマ・アシュタ(Basma Ashta)
使うのは、お米と一緒に揚げた?炊いた?Kataifiの生。ふわふわっと柔らかく、少し穀物の甘みがある。
これをたっぷりの油を敷いたフライパンに広げs、素揚げする。
きつね色に、かりかりとなるように。奥で作っているのは、シロップ。お砂糖3倍にお水を加え、少しだけレモンジュースを入れて煮込む。
揚がったKataifiの上に、アシュタ(Ashta)と呼ばれるクロテッドクリームを広げる。伝統的な作り方は、牛乳にパンを浸し、お砂糖やコーンスターチを入れ、沸騰させたもの。ヨーグルトを煮込み、
そして、上に、またKtaifiを重ねる。
シロップを、たっぷりかける。
たっぷりのピスタチオとバラのジャムで飾り付け。
バラのジャム。
完成!
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大人数で、テーブルを囲む。食事の時間は、一日の中でも、大切な時間だ。
Sa7ten(Sahten)!!
デザートは、カルダモン香る、アラビックコーヒーとともに。
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テーブルを囲みながら、彼女たちのレバノンでの生活の話を聞いた。
シリアでは、公立の病院は無料だったけど、レバノンは全てが有料で高い。診察も、必ずしも良いとは言えない。職を探すことは難しく、生活は厳しい。
また、彼女たちは、今日、通訳もしてくれたレバノン人の男性が、自分たちとちゃんと向き合い、話を聞いてくれたこと、キッチンで一緒に料理をしてくれたことに、すごく嬉しかったと言葉にした。そういう男性は、なかなかいないと。
シリア人、パレスチナ人として生きること、そして、母、女性として生きることの大変さ、辛さを、彼女たちの言葉から感じられた。
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貴重な、アラブの、シリアとパレスチナの母の味。
一口一口を味わいながら、自分に何ができるだろうか、考える。
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