見出し画像

【Story of Life 私の人生】 第29話:六年生 Part 3 〜 日光移動教室

こんにちは、木原啓子です。
Story of Life 私の人生 
前回は、 第28話:六年生 Part 2 〜 組体操 をお送りしました。
今日は、六年生の頃の思い出のお話 Part 3、日光移動教室のお話をしようと思います。

運動会が終わり、ある意味「普通の日々」が戻ってきました。
放課後に当たり前のように行っていた鼓笛隊や組体操の練習も、もうすることはなく、何となく拍子抜けの日々になっていました。

運動会が終わって2週間後の10月下旬、小学校2度目の移動教室がありました。
行き先は日光。
今回の移動教室は、小学校の修学旅行の要素も含まれていました。
周辺の観光と、男体山登山の二本立てで、2泊3日の行程です。
運動会に向けて費やした半年間で、クラス内も、学年全体も「仲間意識」が生まれていたところでの移動教室開催。
偶然だったのかも知れませんが、今考えると、本当に絶妙のタイミングでした。

今回の移動教室では「男体山登山」が含まれているので、装備は遠足よりもしっかりしたものに。
雨合羽や、リュックに付ける鈴など、指定されたものが結構ありました。
各クラスで5人編成のグループを作り、移動教室中は全てグループ単位の団体行動となりました。
事前にグループで班長、副班長、連絡係、レクリエーション係など、各人に役割が与えられ、事前に各係ごとの話し合いなども行われました。

出発当日は、母にお弁当を作ってもらい、朝早くに学校に集合。
クラス毎に4台のバスに分乗して、出発しました。
バスの中では、レクリエーション係が仕切って、ゲームをしたり、歌を歌ったりして過ごしました。
途中休憩をしながら、お昼前に日光市内に到着。
紅葉が始まっていて、とても綺麗でした。

休憩所でお弁当を食べてから、東照宮の見学開始。
ガイドさんに説明してもらいながら、五重塔の中を見学し、三猿の説明を聞き、陽明門、唐門を通って本殿でお参りしてから眠り猫、そして薬師堂へ。
「鳴き龍」の説明を聴きながら天井を見上げ、みんなで柏手を叩いてみました。
反響した音を聞いて「へー、龍ってこんな声で鳴くんだ」と、妙に感心したことを覚えています。

東照宮の後は、お隣の二荒山神社と輪王寺を見学してから、いろは坂を登って行きました。みんなで坂の名前を見ながら、ヘアピンカーブでキャーキャー言いながらバスに揺られていると、中禅寺湖が見えてきました。
その美しさに感動!
宿は中禅寺湖畔にある区の施設で、お風呂は温泉でした。

区の施設だから、作りは下田とほぼ一緒(笑)
10人1部屋で二段ベッドだったので、2グループが同じ部屋になりました。
じゃんけんで寝る場所を決めて、布団を持ってきて、寝床を整える。
下田で経験しているから、さすがに今回はトラブルなくスムーズに終了(笑)
それが終わるとホールに集合して、開校式。
その後、45分間の自由時間になりました。
「グループ毎で行動するなら、外の散歩もOK」ということだったので、私のグループは中禅寺湖までお散歩に行きました。
紅葉に加えて、夕暮れ時の中禅寺湖は、とても神秘的で美しかった!

でも気温が結構低く、薄着だった私たちは寒さに負けてしまい、20分くらいで宿に戻りました。
身体が冷えていたから、早くお風呂に入りたかったけど、私たちのクラスは3番目なので、待つ間は部屋で毛布を被って、トランプ大会をしていました。

お風呂は温泉だったからか、温度が少し高かった(身体が冷えていたからかも知れません)気がしました。
下田の時はモジモジしていた子達も、今回は平気!
お湯のかけっこなどして、大はしゃぎしました。

お風呂が終わると夕食タイム。
配膳、片付け、皿洗いも、前回の下田とは大違いで、スムーズに完了。
1年の間に、みんな進歩が目覚ましい!
少し休憩してから、翌日の登山についての説明会になりました。
出発は午前6時半ということで、起床時間は何と5時!
今回は、遠足のような「ハイキングとは違う」から「忘れ物は命取りになる」と散々脅かされたことを覚えています。
部屋に戻って翌日の支度。部屋のメンバー全員で荷物の確認を何度もしました。
消灯は9時でしたが、起床が5時だからと、かなり早く寝た記憶があります。

翌朝は、予告通り5時起床。
布団を整えて、洗面を済ませて、ラジオ体操。
終わってから朝ごはんでしたが、私を含めて、みんな眠い目をこすりながらご飯を食べていました(笑)
朝からドピーカンで、良い登山日和となりました。

男体山は二荒山神社の御神体。
バスで二荒山神社中宮祠入口まで、そこから神社まで行ってお参り。
神社の横から登山開始しました。
初っ端から急な石坂で「ずっとこんな急坂が続くのか」と、不安になりました。
一人だったら絶対にめげていたけど、5人の団体行動だから、お互いに声を掛け合い、励まし合いながら、ひたすら登るしかなく。
坂を登り切ったら一合目でした。
そこからは、少しなだらかな林の中を歩く感じで、最初の石坂よりは楽しく、おしゃべりしながら歩き続けました。

四合目で休憩。おやつを食べたり、水分補給をしました。
ここからが本番。坂がどんどんきつくなっていきました。
五合目を過ぎたあたりで、中禅寺湖が顔を出して、あまりの美しさに大感動!
「あと半分頑張ろう」と、テンションが上がりました。
が、ここから八合目までが、かなりの地獄でした。
岩場は多いし、足元も良くないし、狭いし…
怖くて足がすくむ場所も多くて…

ここでグループの結束力発揮です。
みんなで声を掛け合い、励まし合って、助け合って、少しづつ登っていきました。恐怖心の少ないグループに追い抜かれながらも、必死で登っているうちに、気がつくと八合目到着!
もう足はパンパン、息はゼーゼー状態で、みんなヘロヘロ。
水分補給して「あと少しで頂上だ」と、気合を入れて出発。
この辺りから木がなくなり、道も少し広くなりましたが、まだまだ急坂が続く。
真下の中禅寺湖を見ながら登っていくと、二荒山神社奥院の鳥居が見えてきました。
その上が頂上、剣のあるところが終点です。

山頂から見る景色は、本当に美しかった。
中禅寺湖だけではなく、戦場ヶ原も見えました。
あの景色は、約半世紀経った今でも目に焼きついています。

山頂で1時間のお弁当タイム。
ご飯が終わると、今度は下りです。
来た道をどんどん下っていきます。
一度通っているから、少しは安心感も出て来ました。
でも、やっぱり狭いところは怖くて、グループでゆっくり降りていきました。
途中休憩しながら、3時間くらいで神社まで戻ってきましたが、もう足は棒の状態。
バスで宿に戻った時には、長い緊張から解放されて、気が抜けた(笑)
翌日、極度の筋肉痛だったのは言うまでもありません。

その日のお風呂は2番目だったので、身体が冷える前に入ることができて、ラッキーでした。
みんな疲れ切っていて、前日のようなお湯かけごっこをする気力も無かったです。

夕食が終わり、キャンプファイヤー。
10月下旬の日光の夜は、かなり寒かったので、火の周りから離れたくなかったです。
キャンプファイヤーは、レクリエーション係が仕切って、クイズをしたり、ゲームをしたり、歌を歌ったり、フォークダンスを踊ったりして、楽しく過ごしました。
消灯になり布団に入った途端、みんな爆睡状態でした。

最終日の朝は、前日より1時間遅い6時起床。
洗面を済ませて、布団を片付け、ラジオ体操をしてから朝食。
荷造りして、午前8時半に宿を出発しました。

3日目の最初は、龍頭の滝上流からスタートです。
バスで山を少し上がっていき、滝の横の遊歩道を30分くらい歩いて降りていきました。バスを降りたところからだと、滝の水の流れと、周りの紅葉、中禅寺湖が一緒に見えて、絵葉書のように美しかったです。
滝の流れを見ながら、紅葉の遊歩道を歩きましたが…
筋肉痛でかなり辛かった(笑)

バスに乗って、次は湯滝へ。
竜頭の滝とは違い、かなり勢いのある「ダイナミックな滝」

しばらく見学してバスに乗り、最後は華厳の滝へ行きました。
ここが一番落差が大きな滝。有名どころなので、お客さんも沢山!
エレベーターで下まで下っていき、滝を真正面から見ることができました。
中禅寺湖から落ちてくる水の勢いが凄かった!

華厳の滝からバスで戦場ヶ原展望台へ。
そこでお昼タイムになりました。
お昼が終わったら、いろは坂を下って、一路東京へ。
バスの中では、ほぼ全員撃沈状態(笑)
夕方に学校に着き、閉校式をして解散になりました。

運動会に向けて濃い半年を過ごし、団結した後の移動教室。
お互いを思いやる気持ちや、助け合うことの大切さを教えてもらった3日間でした。
また、まるで絵葉書のような、紅葉の日光の景色の素晴らしさは、あれからほぼ半世紀経った今でも、脳裏に焼きついています。

男体山は、日本百名山の1つ。
今の私の体力では、きっと登れないだろうなぁ。
体力がある小学生のうちに制覇していておいて良かった(笑)
せめて、登山口の二荒山神社にご挨拶に行きたいと思います。

〜続く。

今日はここまでです。
次回は、第30話:六年生 Part 4 〜 水泳競技大会と音楽発表会 に続きます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?