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【Story of Life 私の人生】 第28話:六年生 Part 2 〜 組体操

こんにちは、木原啓子です。
Story of Life 私の人生 
前回は、 第27話:六年生 Part 1 〜 鼓笛隊 をお送りしました。
今日は、六年生の頃の思い出のお話 Part 2です。
運動会では鼓笛隊と組体操という大きな役割を担うことになっていた六年生。
今日は、もう一つの一大ミッションだった組体操についてのお話をしようと思います。

組体操は、鼓笛隊のように学年全体でパフォーマンシを披露するのですが、あくまでもクラス毎のチームワークが最重要となりました。
4月の最初の体育の授業から、逆立ちの練習がスタートしました。
週2日の体育の授業は、体育館で、クラス全員が壁に向かって立ち、ひたすら逆立ちの練習です(笑)
全員が逆立ちをクリア出来ないと、全く先に進まない訳です。
パッと出来る子もいましたが、他の子が3回で出来ることに、大体10回を要するくらい鈍臭い私。
なかなかコツをつかむことが出来ず、ここでかなりの苦戦を強いられました。
普通の学科の勉強とは違った意味での「自助努力」が必要な訳です。
学校の練習だけでは絶対に無理なので、家でも毎日、逆立ちの練習をするしかありませんでした。
同時進行で、鼓笛隊のオーディションに向けて、漬物石で練習する時間も必要だったので、ある意味かなりハードな毎日を送っていました(笑)
仲良しのN子ちゃんも運動が苦手だったので、私たちが最後の2人になったと思います。
みんながどんどんクリアしていくのに、なかなかクリア出来ず、焦りと悔しさでいっぱいになり、涙を流す日々。
家で練習していると、母から「鈍臭い」と大笑いされ、ますます泣けてくる。
やっと「逆立ちが出来た!」と大喜びしても、いざ学校の授業でやると失敗してしまう事も多くてかなり苛立ちましたが、4月の最後の授業では何とかクリア!
やっとのことで皆に追いつけました(汗)

5月に入ると、2人技の練習が始まりました。
まずは補助倒立からスタート。
パートナーは、身長の順番となりましたので、そこそこ背丈が同じ子と組みます。
壁に向かう逆立ちはクラス全員クリアしているのですが、人が相手だと、逆立ちする方も、受け止める方も怖い!
相手が壁じゃないから、蹴っ飛ばして怪我しないか心配になって尻込みしたり、受ける方も怖いから、避けてしまったりする訳です。
ここでは、どれだけ「パートナーを信じることが出来るか」が、かなり重要になってきました。
1度でクリアしたペアはなく、最初の2週間くらいは転倒だらけでしたが、練習しているうちにコツが分かってきて、5月中にはどうにか全員クリア出来るようになりました。

6月からは、他の2人技の練習がスタート。
肩車、ボックス、サボテン、シャチホコなど…
組むパートナーは補助倒立と一緒なので、どのペアもすでに信頼関係ができていて、6月中には2人技は難なく?クリア出来ました。

7月に入ると、3人技の練習がスタート。
背の順でチームが決まることには変わりないけれど、新たにチーム編成することになります。
今までの自分のペアに1人加わることが多かったのですが、「新たに加わる1人」に当たってしまうと、元々のペアと引き離されてしまうことになります。
私は幸い、元々の自分のペア+1人でしたが、新たに加わった子と3人で、新たな信頼関係を築くことになりました。
カシオペアや、3人ピラミッドあたりは、あまり怖くないけれど、山、飛行機、ミニタワーは、誰が支えて、誰が上になるか。これは当然、「体重が一番軽い子が上になる」のがお約束(笑)
高いところが好きな子は別として、冗談抜きで、上になる子は「落とされちゃうのではないか」と、本当に怖かったと思います。
私は支える側になりましたが、上になる子が「高所恐怖症」だったので、どうするか悩みどころでした。
先生とも相談して、とりあえず屏風で出来るかどうか、やってみることになりましたが、「怖くて立てない」となり、私の元々のパートナーに変更。
彼女も最初は怖かったと思いますが、2人技での信頼関係が功を奏したのか、何とかクリア出来ました。
他のチームも苦戦していましたので、人数が増えた時の信頼関係構築がキーポイントだったのかな?と思います。

夏休みの間は、週に1日学年全員が集合しての練習会となりました。
8月のお盆までは、2人技と3人技の、全体フォーメーション練習。
8月後半は、5人技の練習になりました。
ここでまたメンバー変更!
ただ、みんなかなり慣れてきていたせいもあるし、3人技で「誰が一番上に上がれるか」も分かっていたので、割とスムーズに進むことが出来ました。
割と簡単な扇からスタートし、5人技のカシオペア、ブロッケン、5人タワーまでをこなしていき、夏休み最後の練習では、2人技から5人技までの流れとフォーメーション練習になりました。

9月に入ると、大ピラミッドの練習がスタートしました。
各クラス男女1つづつの大きいピラミッド、高さは6段です。
となると、下で支えるのが一番大変。
一番上に乗る子も、それなりの高さがあるのでかなり怖い。
これは流石に身長順という訳にもいかず、フォーメーションに苦労しました。
上になる程高くなるので、単純に体重だけでは決められない。
上が怖いからといって、下になればなるほど、支える重量が増すので、どこまで耐えられるかにかかってくる…
落下や、潰される心配があるので、いきなり校庭で練習せず、まずは体育館でマットを敷いて、練習スタートしました。
何度も試行錯誤を繰り返し、どうにか自分の位置が決まりました。
私は、意外と重みに耐えられたので、一番下のど真ん中に抜擢され(笑)
役割は「ひたすら重みに耐えること」と、下の段の励まし合いでした。

もう一つの大技が、大タワー。
これはピラミッドよりも楽だけど、高さはピラミッド以上になるので「高いの大好き」さんしか、上にはいけない(笑)
何度も失敗を繰り返して、なんとか出来るようになると、次は校庭で練習。
校庭は小さな砂利敷きだったから、ピラミッドの一番下はとにかく痛い!
当時、プロテクターなんてないから、フェイスタオルを膝と手のひらに当てて良いということになり、ほっとしました。

9月は、鼓笛隊のマーチ練習も佳境に入っていたし、組体操も全体のフォーメーションを覚えなければならず、頭の中はパンパン状態、身体もヘロヘロ状態でした。
「本番まで1ヶ月しかない」という焦りと「絶対に失敗したくない」という緊張が相待って、クラスの雰囲気もピリピリしていました。

10月に入ると、鼓笛隊、組体操ともに、毎日校庭でリハーサル。
組体操は、クラス毎のパフォーマンスになるから、自分のクラスの失敗は許されない雰囲気。鼓笛隊以上の緊張感がありました。
当然、普通の競技もあるのですが、誰もそんな練習をする余裕もない状態。
クラス対抗の全員リレーもありましたが、バトン渡しを失敗しないように、休み時間になると、走る順番に整列して、バトン練習をしていただけ。
私のクラスは、リレーは「ビリにならなきゃいいや」程度になっていて、走る練習は全くしませんでした(笑)

さて、いよいよ運動会当日。
朝一番で、大緊張の鼓笛隊演奏。
六年生は、午前中に徒競走、午後にクラス対抗全員リレー。
リレーは、毎日続けていたバトン練習が功を奏して、私のクラスは誰も落とすことなく、なんと優勝してしまい…
これには、正直なところ全員ビックリ!
40人が走るのだから、バトンを落とす回数が少なければ少ないほど良い訳で。
完全にそれに特化したことで、走るのが遅くても、一人もバトンを落とさなかったのが勝因でした。

喜びに浸っている暇もなく、最後の種目の組体操。
一発勝負だから、全員大緊張!
先生の吹く笛に合わせて、フォーメーション。
ここまで半年近く練習してきたことと、仲間を信じてやるのみ!
フォーメーション移動で若干の失敗はあったものの、学年全体で演技そのものの失敗は1つも無く、無事に完了しました。
終わって退場した後、全員で喜びあったことが忘れられません。

組体操が終わるとすぐに、最後の鼓笛隊演奏。
朝一番で一度演奏しているし、組体操も無事に終わったこともあって、全員どことなくリラックスモードで演奏することが出来ました。
鼓笛隊の模様は、前回お話ししましたので、ここでは割愛します。

鼓笛隊では、学年全体のチームワークが生まれましたが、組体操では、クラス全体のチームワークと絆が強くなったと思います。
今思い出すと、六年生の時は、あまり「いじめられなかった」気がします。
やること満載で、それどころで無かったのかも知れませんね。
「一致団結」して一つのことを成し遂げるという、貴重な体験を積んだ半年間だったなぁと感慨深く思い出しました。

最近では、事故が多いということで、組体操をしない学校が多くなっていると聞きます。
確かに危険だとは思うのだけど…
私は、組体操を通じて「人と信頼関係を築く」ことと、「信頼して委ねる」ことを、身をもって学んだと思っているので、少し残念に思います。
鼓笛隊も、組体操も、今の私を作ってくれた、大きな要素の一つだったなと思う今日この頃です。
まあ、考えは人それぞれです。
危険なことをあえてする必要もありませんしね。
昭和教育を受けた者の戯言と受け流してくださいませ。

〜続く。

今日はここまでです。
次回は、第29話:六年生 Part 3 〜 日光移動教室 に続きます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう♪


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