見出し画像

サイエンスコミュニケーションに経営学の視点を

このnoteを書き始めるきっかけは、最初の記事に書いたようにライターの佐藤優子さんとの雑談でした。私が「サイエンスコミュニケーターも人材不足で社会のニーズに対応できていない」と、茫洋とした無念さを吐露したら、優子さんが「最近関わった仕事なんだけど、ちょうどこの記事が中村さんの悩みにピッタリかも」と紹介してくれたのが、立命館大学で観光学のMBAが来年度から開講するにあたってのインタビュー記事でした。

2024年開講、立命館大学MBAが目指す「稼げる観光」に必要な人材育成
卒業生と企業間で起こるミスマッチ、その正体は「足りない経営学」だった

やまとごころ.jpのインタビュー記事

この記事の「観光」という言葉を「サイエンスコミュニケーション」に置き換えて読んでいただければ、優子さんがなぜ私にこの記事を薦めてくれたのか、なぜ私がnoteを書く気になったのかおわかりいただけるかと。この立命館の記事にピンときた方! 一緒に飲みに行きましょう!!w

さらに、この「足りないのは経営学だった」の話は、観光とサイエンスコミュニケーションに限らず、専門教育と社会現場の人材ニーズとのミスマッチが起きているあらゆる分野に言えること。(小中学生から経営学の基礎を教えてほしいし、教わりたかった)

観光学がどちらかというと社会学として教えられてきたように、サイエンスコミュニケーションもまた経営学に触れずにいます。
経営学は「個人または法人が競争に勝って儲ける方法」と思われがちですが、「ひと、もの、こと、かね」の社会基盤づくりとイノベーションの話です。
観光学MBAの対象がコアな経営者だけではなく関連する社会全体であるように、サイエンスコミュニケーションにも広いステークホルダーを対象とした「経営学の視点」が必要だと感じました。

サイエンスコミュニケーションを学んだり経験できる講座や、取り入れたカリキュラムが増えても人材不足状態なのは、経営学の視点が抜け落ちていることが要因のひとつなのだと、優子さんの話を聞いて膝を打ちました。

誤解してほしくないのは、だれもが経営学を勉強して事業経営したらいいとか「個人的経営のありかた」の話をしたいわけではありません。それはそれ。
ここでは、ビジネスの視点でサイエンスコミュニケーションの仕事を点検することで、巡り巡って活動環境、人材育成、人材不足が改善されるのではないかと提案したいのです。

自分の会社経営の統計を会計士さんに手伝ってもらっている程度の私がケタ違いのことを言っていることは自覚しています。それでも、立命館の記事を読んで、私は経営学の視点で仕事を見てこなかったことを反省しました。ましてや、業界全体の活性化なくして、いち企業の繁栄もないのだと納得し猛省しています。

私がひとまず取りかかれそうなことは、実践からこうだったらいいんじゃないかと思っていることを、場末ながらもこのnoteに書きながら点検していくことかと。サイエンスコミュニケーションのビジネススクールがいつかできる(だれかがつくってくださるw)日を夢見ながら。

いや〜、立命館MBAに潜入したくなっちゃいます。サイエンスコミュニケーションのインパクト評価とかできるようになってみたいなあ(←妄想)

この記事を書いていたら、優子さんから続編記事のお知らせをいただきました。これも身につまされるう。

パラダイムシフトの渦中にある観光業に経営学を、理論と実践で長期を見据える力をつける立命館大学MBA
経営者を育成する観光人材プログラム、業界の人材不足解消の一手に

やまとごころ.jpのインタビュー記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?