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ロアルド・ダールから"fat"が消えた日

みなさん、こんにちは。
Keikoです。

なんだかもやもやしているロアルド・ダールの著作の変更について、みなさんはご存じでしょうか。ちなみに、ロアルド・ダールとは、ジョニー・デップ主演の映画「チャーリーとチョコレート工場」原作などで知られるイギリスの児童文学作家です。
ロアルド・ダールと言えば、ちょっとブラックで確かに全ての人には受け入れられないかもしれない表現も含まれていますが、それも含めた上での物語全体の雰囲気が人気の作品だと思っていました。

それが今回、ロアルド・ダールストーリーカンパニー(RDSC)と出版社のパフィンブックス(Puffin Books)が、児童文学における平等や多様性を専門とする組織「Inclusive Minds」と共同で行ったと協力して、「ダールのすばらしい物語とキャラクターが、今日もすべての子どもたちに楽しんでもらえるようにする」ために変更されたということなんです。

例えば、「チャーリーとチョコレート工場」に登場する食いしん坊のオーガスタクス・グループは「太った」(fat) 少年の代わりに「巨大な」(enormous)少年に、「The Twits」では、ミセス・ツィットについての「醜くて野獣のよう」という描写から「醜くて」(ugly)が削除され、シンプルに「野獣のよう」に変更されました。また、「変なアフリカの言語」という表現からは「変な」(weird)が削除されました。

何年も前に書かれた作品を修正して出版し直すことは珍しいことではないらしいのですが、そうすることで物語全体の精神が変わってしまうし、ロアルド・ダールの特徴的なユーモアが消えてしまうと思います。そもそも、文学は驚きや刺激を与えるものなのに、表現の自由を抑制することで想像力が制限されてしまうのはとても残念です。

ロアルド・ダールがもし生きていたら、彼自身の著作品が別の人によって変更されることについてどう思うだろうか、今後もいろいろな作品から体形・性別・肌の色に関する描写などが削除・修正され、元々の作品が残されなくなっていくとしたら、、、何が正しいのか、考えれば考えるほどますますもやもやしてきます。



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