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読書感想文 ソウアイの星を読んで
ソウアイの星。
相愛の星。
お互いに愛しているのに、お互いにお互いを星のように光輝いていると思っているのに、それが交わりそうで交わらない、ふたつの星。
傍から見ればじれったいけど、それが成長のためだと割り切り、離れることの出来る2人。
しかし、しっかりと心は繋がっていて、お互いを必要としていて、常に存在を感じ、尊敬し続けている。そんな一定の距離で居続けることの出来る2人。
朔也が一番輝く瞬間はステージにあることを知っているからこそ、距離を保って接していた。同い年で、親しい関係にあっても、決して踏み入ってはいけない領域を意識していた。
また、主人公、琉香の中にはもう一人の人物、ルナがいて自由に意志を持ち、自立している。琉香の気持ちは、ルナとの会話で深く伝わってくる。推し、朔也との関係の迷いや決意もそこから読み取れる。
そして朔也は、琉香の心に触れているからこそ気づくルナの存在。
ただ、流香はたまに流香じゃない・・・・・・ときがあった気がして、なんだったんだろうって
ルナは自分をタルパマンサーだという。二重人格ではないんだ、と私は思わずググッてしまった。
タルパマンサー。想像上の友人を大人になっても生みだす人のこと。
この、タルパマンサーを生みだす琉香の過去が明らかになれば、もしかしたら物語はもっと深くなるのかもしれない、と感じた。
でもしかし、物語の内容がブレるかも。。。とも。
朔也のいるグループCALETTeは朔也の体調によりライブ中止、活動休止となり、手術を前にした朔也の不安な様子、それを見守り支えようとする琉香。期待に応えようとする朔也の葛藤。そしてやっと行動できた琉香としての、琉香自身の正直な気持ち。
「銭湯で髪を乾かさない、石鹸の香りを全身に纏った人に会いたいと思ってたから」
朔也は笑った。
「いる? そんな変なやつ」
朔也の眼差しは穏やかで、優しくて、無垢な素直さを持っていた。
「いるよ。わたしの大好きな人」
そして、術後初めて書いた新曲の作詞。
琉香を詞にのせた。
『ソウアイの星』
カクテル二杯で
クッションの海に 沈んだ
星も見えない ブルーグレーの空
夜の池 眺めながら歩く
目を閉じて バラード
六月のアコースティック・ナイト
星はいつも見えてる
強い光を放つ キミ
ソウアイの星
遠回しに
当たり障りないこと 話す
恐る恐る
上目遣いな キミ
人は自分の光 見えないから
ソウアイの星
一等星みたいに 光ってた
そこで結ばれるのかな?と期待したが、しかしそれでも尚、ファンとしての立場を貫く琉香。
本当にじれったい。
でも、コレが本当の推しとファンの姿なのかもしれない。と、推しのいない私にはそう感じた。
一言で言えば「美しい」
きっと今でも朔也は毎日、
一本一本、ただその日のステージを大切にしたい。そこに全力。余力が残らないくらいに集中できたらいいな
この言葉の通り、一つ一つに全力を注いでいるのだろう。
相思相愛。
ソウアイ。
お互いの光しか見えないふたつの星。
毎日更新された⑯話。
あらすじからあとがきまで足すと19話。https://note.com/aomame_nono/n/nddfa5815ef3c
物語は2万字という。
毎日少しづつ読んでいたら気づかなかったが、改めて最初から一気に読んでみたら結構な量だった。
大作だ。
初めて読み終えた直後に感じた、中学生、高校生の宿題である、読書感想文というものがまだあるのなら、この『ソウアイの星』を題材に書いて欲しい、という気持ち。この気持ちに確信を持った読み返しだった。
ぜひ、読む時にはLUNASEAの『LUCA』を聴きながら読んで欲しい。
若い人に読んで欲しい。きっとまた、別の感動があるはずだから。
青豆ノノさま、お疲れ様でした☆。.:*・゜
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