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戦争を無くしたいという切なる願い~「紛争の心理学」とシステムコーチング~

ロシア、ウクライナの事態について、モヤモヤと考えを巡らせたり、近しい人にはまとまらない思いも吐き出したりしてきましたが、自分の頭と心を整理するためにも、文字にしてみることにしました。

今まで政治的なことはあまり書いてこなかったし、こういったことが起きてしまう背景には政治・経済・歴史などあらゆる面から色んな事情が複雑に絡み合っていて、世界中の心ある有識者達が戦争を止めようと努力していても起こってしまった事態・・・。

そんな中、自分なりに今回のことでニュースや書籍で調べたりしているつもりでもまだまだ足りないでしょうし、自分自身の無知を露呈してしまうかもしれない。。。とか、浅はかさ・甘さから、もしかしたら誰かを不快な気分にさせたり、傷つけてしまうこともあるかもしれない。。。という不安や恐れも無いと言えば嘘になります。

それでもやはり、心にある嘘偽りのない強い思い・願いは表明しておきたいと思い、まとまらないと思うけど書き綴ることにしました。


戦争は絶対に無くしたい

先ず最初に、私の(そしてきっと圧倒的大多数が同じだと信じたい)願い。それは、戦争を無くすこと。人と人が傷つけ合う・殺し合うなんて言葉にできないくらい恐ろしい悲劇は、ウクライナに限らず世界中から絶対に無くしていきたい、と思っています。

私がコーチング/システムコーチングを学び続けている背景には、この世界観・思想が少しずつでも広がっていけば、世界平和につながるのではないかという思いがあるからです。それについては、以前以下の記事に記載しました。

誰か、または一部の人のみが悪いということはない。

システムコーチングの考え方で、「誰もが正しい。ただし、全体からすると一部のみ正しい。」という考え方があります。つまり、誰もがそれぞれの背負っている歴史や事情・立場から見ると一部は正しい。と同時に、今起きている事象に対しては、全体から見ると、誰もが何かしら責任を負っているかもしれない、ということです。

今回の件はプーチンの独裁、ロシア側からの侵略、、、というところだけ見ると、勿論法的・社会的に非難・処罰されるべきなのは、ロシアでしょう。今世界が戦争を止めるために種々打っている施策には、何の異論もありません。

一方で、プーチンがこのような決断をするに至った歴史的背景は何なのか。彼個人はどんな教育を受けてどんな影響を受けてどんな思想になったのか。ここに至るまでに聞き入れてもらえなかった彼の“願い”や抑圧された“思い”は何なのか。そこには過去から延々と続いている、無自覚な“ランク(特権)”の乱用と“復讐心”の応酬が無いか。

システムコーチングのベースにある「プロセス指向心理学」の祖、アーノルド・ミンデル博士の著書「紛争の心理学」によると。復讐の連鎖を止めるには、少数派の声・願い・憤怒を抑圧することなくしっかりと引き出し、聞き入れる必要があります。

明白に怒りを禁止する紛争解決の手続きは、結局衝突を煽ってしまう。その手続き自体が、社会的な苦悶を避けることのできる地域に住める、特権的な人々によって好まれるものだからである。紛争解決の方法の多くに見られる、主流派的な偏向を自覚しなければならない。それらは、政府側の方針に偏り、力の剥奪にまつわる感情的な側面を無視している。(アーノルド・ミンデル「紛争の心理学」より)

法的にどう整理するかはあるとしても、一旦は全ての人の声を引き出し認知(同意するということではなく、存在として認める)必要があるかもしれません。

世界は全て影響し合っている

ウクライナで起きていることに対して、私たち日本に住んでいる人達が直接的にできることは少ないかもしれない。

けれど、これもコーチング的な考え方、もっと言うとそのベースにある東洋思想・タオイズムの考え方に、「世界は全て影響し合っている」ということがあります。

古くからある禅・陽明学にも、近年注目されているティール組織やインテグラル理論の中にもこの考え方はあり、“自分”は自分でありながら、世界の一部であり、「自分と他人・世界は同一だ」という本質的な基礎は、共通しているように感じます。

一見無関係に見える場所・人々の問題でも、全体論的な考え方によれば、世界は全て繋がっていて、ある場所で起こる出来事は、他の場所での出来事と結びついていて、絶えず運動を続ける波のひとつひとつには、海の運動の全体が映し出されています。

そういう意味では、私がこの日本で目の前のクライアントのみなさんの課題解決・問題解決のサポートを微力ながらでもファシリテートしていくことは、小さな小さな一歩でも、世界全体で戦争・紛争(ロシア・ウクライナに限らず)を無くしていく動きに繋がるのではないか。そんな思いを持ってワールドワーカー(※システムコーチングを実践する人)として引き続き活動していきたいと思います。

勿論、それ以外にも直接的にもう少し見える形で影響力を持ってできることも引き続き考えていきたいと思っています。

早く全ての人に平和が訪れますように。



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