見出し画像

誤認逮捕と裁判

また、大阪府警で誤認逮捕の事実が明るみになりました。

大阪府警だけの話ではありませんが、検察・警察は真犯人が誰なのかは特に関係なく、逮捕した被疑者が有罪になればそれでよいのです。それが私が刑事事件で被告人になってからの感想です。
勿論、本当の犯人が判ることに越したことはありません。しかし実際にはある程度犯人の目星がつくと、まずは被疑者を逮捕して捜査機関が描いたストーリーを無理に押し付けてみることから始まります。そこには確実な証拠がある場合とない場合があります。

ニュースで「不起訴処分」という言葉をよく聞きます。

逮捕してから<証拠が違っていた>というケースや、逮捕はしたが<本当に犯人なのか間違いなのかわからなかった>というケースはゴロゴロあるようです。勾留まではされなくとも実質的に任意の取り調べで犯人扱いされているケースまで含めると大変な数にのぼります。これが警察の実態です。
私が留置されている時に耳に入ってきた誤認の話も数多くあり、当時の私は大変驚いたのを覚えています。これも報道されているのはほんの一部です。

確かに、日本の警察の能力は世界と比較すると相当な実力を持っています。

そのような引き返せない状況の中、否認を続ける被疑者に対して警察はどのような対応をするかご存じでしょうか。

証拠の中で「自白」が最大の直接証拠となります。

なので、検察を含む捜査機関はこの最大20日間ある勾留期間中になんとか自白させる強引な取り調べを行うのです。

この大阪の事件でも、長時間の違法な取り調べの中で「お前がやったんだろう」「犯人はお前しかいない」「正直に話した方がいいぞ」などの言葉を怒鳴るなどの強圧的な形で言われ、必死に被疑者の心を折ろうと仕掛けてきます。

犯行を裏付ける上で、被害者の供述が重要になってきます。
捜査機関も「被害者は嘘をつく必要もなく、言っていることは正しい」という間違った前提の上で捜査は進んでいきます。この考えは、のちの裁判にも検察から共有され、裁判官への心象形成に用いられます。だからこそ、今回の公判で検察は大勢の関係者を証人尋問で出廷させるという戦略をとってきています。

私の事件も会社内の内部犯行といわれ、「一番怪しいのはあの人です」と会社の人間が証言したことから、私の犯行説がたったようです。

すぐさま、私が犯人であるという前提で捜査が進みました。
疑わしい証拠をいくつか用意した上で、私を逮捕し、家宅捜索を行い、そこでも疑わしい証拠をいくつか押収していきました。でも事件発生からまもなく丸2年になりますが、私が犯人だと断定する証拠は何一つとしてありません。

警察は「間接証拠だけで有罪にできる」と私を脅し、自白を迫りました。
「今話せば罪も軽くなり、あなたの人生における影響は最小限で済む」
そんなことも言われました。でも、やっていないものはやっていません。

そして私は、捜査機関の脅しや誘導に屈することなく勾留期限を迎えることができました。

先の大阪の事件ですが、犯人性を確実に否定する新証拠が出た為、警察は誤認逮捕を認め、謝罪するに至っています。

私の事件もそういう形になれば良かったのですが、100%否定できるものは今のところありません。ただ、いくつかの証拠には普通では考えられない疑問点や矛盾点も出てきています。

それとは別に、絶対許すことができない大きな問題があります。
【違法収集証拠】の存在です。
私を犯人にするために、捜査機関が故意に用意した証拠のことです。

どこまで、この国の捜査機関は卑怯なのでしょうか。
ここで声を上げ、牽制しなければ、こんな違法捜査が永久に続くことになります。

人が人を裁くからには、不正があってはならないのです。
そして、間違いは正さねばいけないと思います。

我が国の司法が公平な裁判を建前とするなら、それは尚更のことではないでしょうか。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

★★★ 本記事は「投げ銭」形式です ★★★ 価格設定をしていますが、記事自体は全文無料で読めます! 頂いたサポートにつきましては、裁判傍聴や各種調査等の活動に使わせて頂きます。よろしければ、サポート頂けると嬉しいです。