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あの事件

ここの読者さまも、「和歌山毒物カレー事件」について覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

被告人は最高裁まで争って、<死刑>が確定しています。
しかし、この死刑囚に冤罪の可能性があるのはご存知でしたか?

私も報道された内容がそのまま脳裏に焼き付き、勝手に事件の犯人だと決めつけていました。マスメディアもこぞって犯人に仕立てあげた事件です。

そうして、つい最近までこの人が犯人なのかと思っていましたが、自分の事件で色々調べていくうちに、「これって私の裁判に似ているかも?」と感じました。

この事件、結論から言うと、動機も自白も証拠もないのに有罪になっているんです。(それも死刑・・・)

え?と思われる方も多いかと思います。
「だって、その事件、毒物を入れたのはあの死刑囚以外にはいないでしょ?」

ところが、現実は違うんです。判明している事実はこうです。

・過去に保険金詐欺を画策したことはあるが、この被害者の中に死刑囚が保険金を受け取る対象者はいない。目立った恨みもない。(=動機がない

・カレーを作る場には知らない人も出入りしていた事実があり、ヒ素を入れた人物は、この死刑囚以外にもあり得る。(=第三者の犯行可能性

・唯一の物証で決定的な証拠とされていたヒ素の鑑定において 
① 犯行に使われたとみられる現場付近で見つかった紙コップに付着していたヒ素 
② 被告人宅の台所のプラスチック容器についていたヒ素 
③ カレーに混入されたヒ素
これらの成分は同一ではないとの再鑑定結果が出ている。

検察官の誘導尋問、利益誘導があった。
(以下が事実として明らかになっている ↓)
『検事は死刑囚の夫に対して「アホ、こんだけ世間を騒がしてマスコミが騒いで、パクッて今さら、間違えましたではすまんやろ」と言ってきたため、死刑囚の夫が「死刑事案なのに、想像でパクッてしまうんか?」と質した。すると、検事が「いや、今からそのストーリーをワシが考えてやる。しかし、証拠がないから困っている」と言い、死刑囚の夫に向かって●●(死刑囚)にヒ素を飲まされて殺されかけた被害者として、初公判の際、「私、今でこそ●●(死刑囚)が憎くて仕方ない。どうぞ、この女を死刑にしてやってくれ」と言って泣け!ととんでもないアドバイスを行った。
さらに、検事は死刑囚の夫の事件の公判も担当することから、求刑も自分が出すのでいいようにしてやる。ワシに乗れ。ワシに乗ったらお前は身体が不自由だから、エエとこに放り込んでやると言って、八王子の医療刑務所の資料を出し、死刑囚の夫に見せた。
そして、検事は「この事件でワシを出世させてくれ」「ワシもお前と同じで4人子供がいる。よい正月を迎えさせてくれ」と事務官2人とともに土下座したという。それでも、死刑囚の夫は応じなかったため、検事は「お前の人生は一生裁判になってしまうぞ!」と恫喝したが、夫は一切の供述調書にサインしなかった。』

科捜研主任研究員による証拠捏造
2012年、カレー事件を捜査していた和歌山県警科捜研主任研究員が、他の事件で証拠を捏造したとして証拠捏造、有印公文書偽造および行使容疑で書類送検されたことが判明した。(ただし、このカレー事件において証拠捏造があったかどうかは不明)

どうですか。すごい話ですよね。これで死刑判決となっているのです。
この状況で死刑判決が果たして正しいのでしょうか。

先日の投稿で<障害者郵便制度悪用事件>で取り調べ中の被疑者(村木氏)に対して検察は・・・
「あの事件だって、本当に彼女(カレー事件の死刑囚)がやったのか、実際のところは分からないんですよ」
と、検事自らがそんなことを言ったそうです。
そして、否認を続けることで罪が重くなることを暗示し、自白を迫ったと言われています。
(ちなみに同じ大阪地検が扱った事件です)

*<障害者郵便制度悪用事件>について綴ったnoteはこちら ↓

検察がやっていることも相当酷いですが、マスメディアが伝えることも、鵜呑みにしてはいけない気がします。
事件の真相をよくよく見ると、不自然な点が多々あったりします。
悲しいことに、そのことで人の命や家族を含めた「人」の人生が大変な結末に向かっていくのです。

幸いにもこの死刑囚は再審請求の受理がされております。
とはいっても、いつ刑が執行されてもおかしくない状況です。

私も無罪を主張していますが、この現実をみると本当に日本の刑事司法に恐ろしさを感じえません。

審理は尽くされるべきだと思います。

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