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「逮捕=犯人」?

皆さんはテレビで「犯人が逮捕された」というアナウンサーやコメンテーターの言葉を聞いたことはありませんか。

たまたま今私は刑事被告人になっておりますが、この言葉が【冤罪】の原因ではないかと思っています。

犯人が逮捕されたのではなく「被疑者(容疑者もしくは参考人)が逮捕された」という言い方が正しいかと思います。なぜかというと事件の犯人は裁判の中で確定するからです。それまでは、いくら被疑者が認めていても厳密には犯人でないのです。過去には「誤認逮捕」や「身代わり」というケースも多々ありました。

逮捕というのは  ”犯人である疑いが強く”  逃走や証拠隠滅の恐れがある為、警察が身体を拘束することを言います。ただ、ほとんどの人は「逮捕=犯人」という方程式が頭の中で成り立っており、間違って逮捕されても結局はその人物が犯人という結論に至ってしまうのです。これは、一般市民だけではなく一部の裁判官にも言えることのようです。

犯人と決めつけられ逮捕された被疑者に対し、捜査機関はその身体拘束の中でここまで集めた証拠の裏付けを行います。その証拠の頂点に立つのが自白です。自白はその供述自体が証拠となるのは勿論、集められた証拠の信用性をも補強します。

やってもいないことをやったと言ってしまい、あとからそれを覆そうとしても、裁判所は認めてくれません。供述が変わることに対して「この人の言っていることは信用できない」という判断をするからです。だから、やってもいないことは絶対に認めてはいけないと言われています。

警察や検察は長時間の取り調べで言葉巧みに自分達の立てたストーリーに誘導してきます。時には強圧的な態度で迫ってきます。なので普通の人だと、そこで間違った答えをしてしまうことがあります。

自分が話したことは全て記録に取られます。供述調書に署名指印しなくとも捜査メモという形で証拠に残ります。
正常な判断ができない状況下では記憶が曖昧であったり、何が自分にとって有利で何が不利なのかが分からなくなります。これは経験した者しかわかりません。

だから、弁護士は「黙秘」を薦めるのです。

よく、「黙秘などせず、堂々と真実を話せば良いのではないか」という人がいますが、取り調べでは真実を話しても否定されることが往々としてあります。それに加え、警察が作ったストーリーを無理矢理押し付けてきます。認めなければ、脅してきます。何を話しても無駄な時が沢山あります。なので、黙秘するしかないのです。

黙秘をしていると「反省していない」とか言われますが、もちろんそういう人もいるでしょう。でも一方で、事件の犯人でなく自分を守るための黙秘をしている人もいます。世論的には「往生際が悪い」と思われたりしますが、これは少し前に述べた「逮捕=犯人」という方程式があるからでしょうか。事件の真実は本人以外誰にもわかりません。

捜査機関は証拠をもとに被疑者を逮捕しています。
起訴されるということは、捜査機関もそれなりの証拠を用意してきていますが、私の事件ではその全ての証拠を否定しています。
やってもいないことに対する証拠は、矛盾やおかしな部分が必ず生じます。そこを裁判官がどう判断してくれるか。。。

もうすぐ初公判が始まりそうです。

今まさに最終の類型証拠開示手続を行なっていますが、私にとって争点となる有利な証拠について、検察は「ない」「破棄した」と言っているようです。これが彼らのやり方です。あるはずの証拠を彼らは隠しています。

報道される事件も、証拠書類を黒塗りにしたりとかよくありますよね。
これでは公正な裁判が実現するはずがありません。そんな裁判が日々行われているのがこの国の司法の現実なのです。

我々は戦うのみです。
事実に基づき最後まで全面的に争います。

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