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帰国子女未満な自分が無我夢中で英語フレーズを盗み続けていたら、外資ITでアジア&日本14か国担当上級エバンジェリストで上司はシンガポール人になっていた話

自己紹介代わりに、自分の仕事人生をまとめてみました。外資ITの第一線で働く人間と聞いて、皆様が思い浮かべるイメージを少しでも変えることができれば幸いです。

幼少期〜大学卒業まで

自分は5歳から7歳半までアメリカに家族の都合で住んでおりました。こう書くと「なんだ帰国子女か」と思われそうですが、自分では結構苦労したパターンかな、と思っています。まず、前提として帰国子女の厳密な定義は「3年以上海外で過ごした子供」とのことです。つまり自分は厳密には名乗る資格なし。実際、自分の英語力は今でも中途半端と自認しています。5歳だの7歳だのの男子のボキャブラリーなんて知れたもの、というのは日本人でもアメリカ人でも当然のことです。発音は少しアメリカンな感じで習得したものの、それ止まります。それ以降はずっと日本で英語を勉強した程度なので日本人とほぼ変わらないと言う結果になりました。そのまま日本で15年育った結果、平均的な日本人と大差ないけどちょっと英語の発音が良い人間が出来上がりました。

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新卒〜今の会社初期まで

さてそうなってくると、当然就活のタイミングで英語力をなんとかしたいと思うようになります。
しかし、じゃあどうするのか。
英会話学校に通うか?
留学するか?
いやいや今更そんな、お金かけて英語学び直すのも、やたら親やら何やらに申し訳ない気がしたんですね、当時の私は。

で、結局辿り着いた結論は「アメリカに住んで英語を習得したあの環境と同じ方法を再現・繰り返すのがきっと自分にとってベストだろう!」でした。

そのために海外赴任させてもらえそうな会社や、海外本社とのやり取りで英語必須、と言ってくれそうな企業ばかり狙います。しかし賢明な読者の皆様ならすぐにお分かりになると思うのですが、こんな面倒な新卒は就職氷河期時代のさなか、なかなか内定もらえず苦しみます。何十社も受けては落ちました。自分の興味分野を自分で見つけるためにいろんな業界を片っぱしから受けていたから、というのももちろんあるのですが。(今風に言うと、就職活動で壁打ちしてたようなモンです。何やってんだかw)

それでもめげずに、新しい面白いことをやりたい、英語使わせろ、という志向で延々就活してると、自然と外資IT企業に絞り込まれていきました。結局その中のとある通信事業者の日本支社に新卒で入社し、幸運にも英語使いまくりの部門に配属させていただきました。当時のマネジメントには感謝しかございません。

さて、そんな経緯でどう英語力を鍛えたか。
単純です。
使いまくるしかない。
メール書きまくる、もらいまくる、読みまくる。

頻繁に出てくる表現は日本人外国人問わず、きっと使い勝手いいフレーズなんだろう、盗んでやれ、という勢いで真似っこして使い始めます。
もちろん失敗も何度もしますが。

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また、メールで済む内容でも「早くレスが欲しいから」という大義名分で会社に残り、深夜にアメリカの担当者に電話かけたりもしました(実際、急ぎの仕事も多かったのも事実です)。
そんな機会の中で、
議論する、
交渉する、
質問する、
などの喋る機会をひたすら増やしました

もちろんうまくいかなかったり、「お前なんでこんな時間にいるんだよ(汗」と気味悪がられたり、色々ありました。

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実はこれら、私は意識せずにやってました。
そんな戦略的に考える余裕もなく無我夢中で当時は仕事していたのが実際のところです。でも振り返ってみると英語習得には非常に自分の中で適したアプローチをしていたのかな、と今では思っています、、、なので、後付けで英語習得の過程としてご紹介してます。繰り返しますが、後付けです。結果オーライですw

シンガポール組織に異動し、担当する地域が一気に広がる

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そんなこんなで、数社転職しながら基本的には延々と仕事でキャリア積みながら英語力も鍛え続けました。転機が訪れたのは現在の会社に入社して2年ちょい経った時。ある日、当時の上司に部屋に呼ばれ、朝イチで開口一番こう言われました。

「今日から君の上司、シンガポールのXXだから!」

詳細は割愛しますが、要は組織変更と人員調整で私は同じ仕事内容のまま担当地域が日本オンリーから「追加でアジア13カ国もよろぴく」となりました。仕事内容は良いんですよ、2年以上必死に覚えて自分なりに工夫してなんとかまわしてきた業務内容ではあるので。ただ、14カ国担当するというのがどうにも当初は全くイメージできない状態でした。

例えば営業でもSEさんでも人事でも経理でもいいんですが、明日からそのまま日本以外も担当ね、と言われたらビビりませんか?昨日までトヨタ担当営業だったのが明日からヒュンダイとかタタ・モーターズとかも担当するようなものです。頭真っ白になります。

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ただ、ココで大事なのは

このような環境をカオスすぎてマジで無理と思ってしまうのか

もはや何でもありだなこりゃと開き直って笑い飛ばして楽しむか

ここが大きな分かれ目かと感じています。幸いにも自分は後者に当てはまるタイプの人間だったようで、日本人の感覚からするとありえないようなことを笑い飛ばして何とか日々業務に勤しむことができました。

ここはもはや、向き不向きも絡んでくる問題なので何とも言えません。しかし、この本にも書いてありますが、このような文化の違いを理解して、且つその違いを楽しむ事。これは国際的な環境でビジネスを進める上で英語力以上に必要な素養であると感じています。

コロナ禍で海外を飛び回っていた生活が一変

ご多分に漏れず自分もコロナによって生活が一変しました。
なんといっても大きいのは海外出張がなくなったこと。

今まで飛行機に乗って何時間もかけて現地に赴き、イベントのステージ上に登壇したり、お客様や販売代理店様を現地で訪問などしていた出張が一つ残らずZoom経由でやるのが当たり前になりました。

たまたま時を同じくして、今勤めている会社の日本法人のブランディング強化プロジェクトを日本国内で担当することになり、日本市場への情報発信やコミニケーションなどをどうするか、といったことを考えるようになった矢先に出会ったのがLinkedIn(リンクトイン)で爆発的に増えている日本のユーザコミュニティーの皆様でした。

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LinkedInで情報発信に覚醒する。そしてNote開始。

私の会社は華やかなB2C(消費者向けビジネス)ではないため、市場への情報発信も大規模な広告というよりは適切な企業ユーザさんに届けるのを主眼とします。当然、今の時代SNSが重要なコミュニケーションチャンネルになります。勉強も兼ねて、日に日に勢いを増すLinkedInの日本のユーザの動きを観察するのは非常に勉強になったし、見ているだけで楽しいものでした。(2021年初頭ぐらいの時期です)その日本のLinkedInユーザの皆様の投稿やコメントを数ヶ月に渡り見ているうちにいくつか気づいたことがあり、それをベースに自分の情報発信のスタンスが固まって行きました。

主に下記の3つになります。

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1. 20年ほど前新卒から飛び込んだ外資系企業の文化・しきたりといったものが、実は今でも日本の多くのビジネスパーソンにとって得体の知れない謎の世界であると判明したこと
→外資系の世界の「今」を情報発信

2. 外国人とビジネスでやりとりをする・一緒に働く、そういった文脈でグローバル人材と言う単語が極めて注目を集め始めており、その曖昧な定義の中でも自己研鑽に励まれているかたが多いようであること
→外資・日本企業問わず、異文化でのお仕事にまつわる情報発信

3. 自分が20年前から苦しみ続けて習得した英語と言うコミニケーションツール。自分と同じく様々な理由で業務上の必要性やキャリアアップを目指し、たくさんの方々が英語の習得スキルの向上に向けて様々な方法を模索していること。そして、多くの学習方法やトレーニングなどが既に市場にあるにもかかわらず、あまり成果を出せていないと感じている方が多いようであること
→現場で使える英語フレーズを情報発信

これらを踏まえ、LinkedInの中で情報発信や交流を開始し、ありがたい事にLinkedInクリエイターコミュニティに参加させていただき、毎日たくさんの方々とビジネスの話題やキャリア観について交流するようになりました。その中でも、上記の3点が自分のこだわりであり、皆様に提供できる自分「ならでは」の価値と思っています。

終わりに - なぜ、意識低い英語なのか

英語を習得したい方々の期待するスキルを全て同時に満たす方法は存在しないと考えています。「読む・書く・聞く・話す」この4つのスキルの中で自分が業務上・キャリアプラン上、特に重要であると決めたものの中で、どれを優先的に習得するか。その中でおそらく私が最も貢献できる分野は「話す・書く」の2つの分野です。つまり、誤解を招きたくないので言っておきますと、当然このフレーズだけで英語ができるようになるなんて言いません。キチンとした英語の塾や習得は別で必要だと思います。ただ、実際に仕事で英語を書く、話すときに、知っておくと便利なフレーズがある。自分が20年かけて、もがき続けた経験・知識を凝縮し、教科書に載っていないようなフレーズでありながら、現場で多用し、使い勝手が良く、日本人の気質に合った、「あえて濁したり、はぐらかしたりする言い回しなどのフレーズ」になります。

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そういったものを現在進行形の自分の日々の業務そして過去の経験からまとめ少しずつ紹介していく。このような形で投稿を始めたのが意識低い実用英語シリーズとなります。これも、普段から投稿やコメントを通して楽しく交流させて頂いているLinkedInのユーザさんとの会話や投稿内容から思い至ったものです。また、当然僕自身も現役のビジネスパーソンであるため、日々の業務でネタを仕入れ続けています。これからもご紹介するネタは増え続けることでしょう。

先に述べたように私にとって大事なキャリアのテーマは異文化・外資系・英語力、この3つを軸にしたものになっています。そんな自分にとっての目標は「和魂洋才」、すなわち日本人の心を持ちながらグローバルに戦えるスキルを備え、日本人の心を広くあまねく世界中のビジネスパーソンに知らせたい。それが自分の中で極めて大事なキャリアの根幹をなす考えになっています。

こんなことを言っておきながら恐縮ですが、自分自身まだグローバル人材とはなんぞやと言う定義があまり綺麗に整理できておりません。ただ、自分は少なくとも担当している業務の地域の範囲は、西はインド、東はオーストラリア・ニュージーランドまで幅広く、多様な地域の仕事仲間と一緒に日々ケンケンガクガクと様々なプロジェクトを進めております。

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この経験は日本人のサラリーマンとしてはレアな体験であり、おそらく英語力をつけたい・グローバルに働きたいと考えている方々のお役に立ったり参考になるものも多いのではないかと考えております
まだまだ荒削りなところも多いかと思いますが、私の情報発信が1人でも多くの日本人の素敵な未来につながり、世界中の人々と楽しく一緒に仕事ができる状況を作り出す - そんな事に少しでも貢献できるならば、これ以上幸せなことはありません。

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