【テクテクライフ遠征記】 佐賀と諫早と佐世保とハンバーガーと
前回の旅行記はこちら。お暇でしょうがない時に振り返ってください。
夏休み初日。奥さんは子どもたちを連れて札幌へ帰省し、わたしは仕事があるので福岡残留。そうはいっても多少の休みはあるもので、これ幸いと西九州を一周するローカル路線の旅に出ます。
遠征へ
スタート地点は博多駅。夏休み初日のコンコースはどこか浮かれているものの、意外と混雑してないですね。
まずは佐賀を目指します
本日のゴールは佐賀。SAGA佐賀。福岡の通勤圏内なので目的地に設定するには近すぎるのですが、のちのちのことも考えるとここがベターなのですよ。松雪泰子も佐賀だし。
初めて鉄道で鳥栖へ来ました。高速道路のジャンクションは芸術的なまでの造形と激しい交通量で、さすが古の頃からの要衝という感じなのですが、どうですかこの鉄道駅のつくりは。哀愁を感じません? ギャップがすごい。
ホームからサガン鳥栖のスタジアムがちらっと見えますね。
乗り換えたところで、わたしの目の前にトレパンの紳士が立ち、500mlのペットボトルを呷っていたんですよ。よく見たらデカビタCだったんですよ。思わずバモラ!と挨拶しそうになりました。勘弁してください。
南国少年パプワくんに登場していたわけではないようです。太鼓とか瓢箪とか、意外と情報量が多い。髪型的にリクームの可能性が捨てきれません。
佐賀は美しい人が多い。駅前でミストが出るせいでしょう。松雪泰子も佐賀だし。
至るところで議論をする論客を目にします。
わたしの祖父にそっくりということで有名な大隈重信です。
信じられないだろ。これガード下なんだぜ。計画性を感じる素敵な構造の飲み屋街になっています。なんか、ガラスと直線っていいですよね。
今夜の夕飯は海の幸。さかなや道場でいただきます。生簀で泳いでいるイカも美味しそうだったのですが、高級品のため断念。
諫早へ向かいます
ネイビーブルーの格好いい車両に乗ります。駅舎の感じと非常に合いますね。
扇風機が回る車内。なんだか懐かしい。蛍光灯剥き出しですし。平成前半には山手線もこうだった気がしますよ。
ついに有明海が見えた! 本当に巨大な干潟のよう。海面が穏やかで美しい。車窓が汚いのが玉に瑕ですが、ノスタルジック車両なのでご勘弁ください。
ここは諫早。にしいさはやと、ひがしいさはやの間、それはいさはや。さあて、どんな昭和レトロ心をくすぐる駅舎なのか、降りてみるとしますか。
え。え。
え。ちょっと……。
でかすぎる! 近代的すぎる! 諫早になにが起きたというのでしょうか! どうやら西九州新幹線の停車駅として最近整備されたばかりのようです。全然知らなかったのでショック!
でもカメラを右に向けるとこんな感じでした。ポストアポカリプスのような世界観で無性に安心。そうそうこれこれ。
コーラとジンジャーエールがやたらと売れる店。瓶だと余計に美味しいですし。
諫早神社にやってきました。奈良時代の神亀五年からあるそうな。にもかかわらずオンライン遥拝御祈祷をやっているアグレッシブな姿勢はまさに神。
アマビエさんもいらっしゃいます。本当にお世話になりました。今後もよろしくお願いします。
尋常じゃなく大きいクスノキ。幹回り7.8mとのこと。スカイツリーで最も太い鉄骨は直径2.3mなので勝負になりません。この樹が本気出したら、ソラカラちゃんなんて鼻息で松戸まで吹き飛ぶ。
諫早公園の眼鏡橋。天保10年に架橋されたとのこと。歴史の教科書レベルの話が続いてなんだか目が回りますが、だぶん熱中症です。木陰へ行け。
出た! ここにもあった! 有害図書を食べて大きくなれよ。
諫早駅の改札横。見開いたその瞳はなにも映していない……ヴィヴィくん。疲れたんだね。ゆっくりお休み。
続いて佐世保へ
電飾的なパレードのイメージなのか、北斗の拳的な鋲打ち革ジャンのイメージなのか、どちらにも寄り切れない迷いのある車両がやってきたぜ、ヒャッハー。
この海は大村湾。有明海の反対側です。ほんのわずかな海峡で繋がっているだけの深い内海。海というのが意外なくらい。それにしても美しい色。
さすが快速。1時間18分で佐世保に到着しました。ここが本日の目的地。
ホームから階段を降りるとパティを焼く良い匂いがするんですよ。コンコースに佐世保バーガーのお店がありました。あえて嗅覚に訴えるとは。こんな間の抜けた顔してなかなかの策士。
駅からすぐの船着場。佐世保五番街というショッピングモールになっていますよ。家族連れとか制服姿の高校生とかすごく多い。
これが佐世保バーガー。すごい厚さ。マリオブラザーズのバネくらいあります。つぶしてから、かぶりつく。パティ・パティ・ベーコンのコンボがたまりません。
よく見るとハートマークになっている。店員さんも親切だし、素敵なお店に出会えてよかった。C&Bさん、美味しかったです。
ひたすら長く続くアーケード。四ヶ町商店街というらしいですよ。なにしろ四つの街を貫いているそうです。そりゃ長いわけだ。
道中で発見した魅力的な路地。
国道に出ると、どことなく南国感が漂います。
佐世保川。あの有名な精霊流しはここでやるらしいですよ。
米海軍の兵士らしき人たちとすれ違いました。明らかに屈強。丸太のような上腕に見惚れてクラクラします。たぶん熱中症です。木陰へ行け。
カトリック三浦町教会。普通に街の教会らしいですよ。3Dライドのアトラクションはやってないと思います。
どことなく波動砲を撃ちそうなフォルム。それになんだかエビフライが食べたくなってきた。
鯨瀬ターミナル。
島に向かうフェリーに乗り込む人たち。ここでは船は生活の足。
対岸は米軍基地ゆえ、何人も立ち入ることまかりならんのです。
侵入者は警告なしで射殺すると書かれています。よく読んでください。
セーラー服の男子学生。海の漢たち。
ここにも現れやがった。くそっ! いったい何だってんだ!!
夕飯は地元の人たちに愛される店、お栄さんのちゃんぽん。あと瓶ビール。完璧なる長崎の夕暮れです。経度のせいか、なかなか夜がふけないし。
そして帰路へ
前回途中下車してしまった松浦鉄道を、今回は端から端まで乗ります。
おひさしぶりです。西浦ありささん。
一両編成のはずなのに連結されている車両があります。なんでも、幼稚園の遠足だそうですよ。園児のために専用車両を繋げるなんてハートウォーミングすぎて幸せが溢れてきます。
園児への愛も深いが、アジフライへの愛はさらに深い。みなさん、松浦鉄道をよろしくお願いします。
あ…なんだ…そうそう、それならよし…
車窓から。絵に描いたような日本の原風景。長閑な路線。
幼稚園児たちの目的地はここ、たびら平戸口駅でした。大人に引率されて次々と降車していきます。後ろの車両に園児が満載されているという事実だけで心が満たされていました。ありがとね。
もうひとつご褒美がありまして。車両の切り離しがおこなわれたんですよ。なかなかお目にかかれない鉄道の貴重な産卵シーン。運転席越しに見える園児たちが可愛い。
松浦発電所。前回の旅行記で遠くに写っていたやつです。自然とエネルギープラントの対比って素晴らしい。
伊万里から、何度目かのロマサガ車両に乗ってさらに東へ。唐津経由で福岡市へ帰ります。
そして帰還
ということで、今回のテクテクライフの成果はこんな感じです。気温が気温だけにあんまり歩けなかったんですけど、初めての土地を移動するのは新鮮で楽しかったです。
とにかく佐世保はいろいろな表情があって、実に奥深い都市でした。観光地の顔があり、軍事の顔があり、キリスト教の顔があり、レジャーとショッピングの顔もあり、港湾労働の顔がある。ブロックが変わるごとに表情が変わるのが印象的でしたね。たぶん、そう遠くないうちにまた行くことでしょう。
最後に
無数の銃弾の最新号が出ているじゃありませんか! 買いましょう!
電子書籍の表紙制作費などに充てさせていただきます(・∀・)