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一発逆転を狙うトランプ・共和党の秘策「ダラムレポート」

今日は10月10日。大統領選の本投票日まであと23日です。

トランプ氏の新型コロナ感染は、選挙戦の行方を決定づけるようなインパクトを与えませんでした。長らく「コロナ以外」を選挙の争点にしようと努力していたトランプ陣営にとって、選挙直前のタイミングで大統領本人が感染してしまったのは痛いでしょうが、まだトランプ陣営には本選での勝利の可能性があります。

米選挙分析サイトのファイブ・サーティー・エイトによれば、10月9日時点でトランプ氏が勝利する確率は15%。世論調査の値が2016年と同程度の誤差を有していたと仮定すると、トランプ・バイデン両氏が獲得する選挙人はそれぞれ269人と同数になるという選挙分析もあります。

とはいえトランプ氏は接戦州のフロリダやアリゾナ州でリードを許しており、勝利への道が狭まっているのは確実です。
そんなトランプ陣営、そして共和党が終盤での一発逆転のために"用意"していると噂されているのが「ダラムレポート」です。

「ダラムレポート」とは、2016年の大統領選挙時に、オバマ前政権がトランプ陣営とロシアの関係を探るためにスパイ活動をしたとする疑惑についての捜査(とその報告書)のこと。ジョン・ダーラム検事がこの件を担当していることから「ダラムレポート」と呼ばれます。

「オバマがトランプをスパイした、なんてことだ!権力の乱用だ!」ということで、トランプ氏は既にこの件について言及しバイデン陣営・民主党批判の材料としています。

捜査は現在も続いており、結果は公表されていません。(つまりこの嫌疑自体がでっち上げに近い可能性があるということです)

米政治サイトAxiosの記事によれば、トランプ陣営関係者はこの捜査結果が11月3日の大統領選挙前に公開され、その後にオバマ前政権の高官が逮捕されるというシナリオを想定しているようです。

前回の大統領選では、投票日の11日前(直前!)にFBIがヒラリー候補のメール疑惑について追加捜査をすることを発表。これがヒラリー氏のイメージ悪化につながり、同氏敗北の大きな要因になったとも言われました。

つまり、トランプ陣営・共和党は再び選挙直前に民主党の印象を悪化させる「爆弾」=「ダラムレポート」を投下することで勝利を呼び込もうとしているのです。

問題はこの「ダラムレポート」がいつ公表されるのかという点ですが、米報道によれば選挙前の公開の可能性は低いという話です。ダラム検事は慎重な捜査を行なっており、かつ選挙前までの公表を目指していないと報道されています。

共和党関係者はAxiosに対して「もしダラムレポートが選挙前に公開されなければ悪夢のような展開になる」と失望感を露わにしています。

もちろんトランプ大統領は「早く公開しろ」と怒りのツイートをしており、ダラムレポートを管轄するバー司法長官に圧力をかけ早期の公開を要求しているといます。

2016年に続き、再び民主党大統領候補に関する「爆弾投下」が選挙結果を左右するのでしょうか。「新型コロナ」から争点を逸らしたいトランプ陣営にとって都合の良い「ダラムレポート」は注目の論点の一つです。

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