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ちょっと待って!それはクレーム?~その場で結論を出してはダメ

ずいぶん遅くなりましたが、
本年もよろしくお願いいたします。

さて、去年からクレームについて書いておりますが、今回は下記の記事に頂戴したてると様のコメントより。

そのコメントがこちら。

大変な思いをされましたね

貴重な体験談をありがとうございます。
せっかく老舗のお菓子を選んで贈ったにも関わらず、残念な結果になってしまいましたね。
もしかすると、製作段階では卵の状態だったために気づかなかったのかもしれません。そして、てるとさんが持ってきた幼虫を見たときに「こんなものがあったらそのまま使うわけがない!言いがかりだ!!」と反射的に対応してしまったのでしょうか。
そんな対応のまま「代わりのお菓子」と言われても受け取る気持ちになどなれるわけがありません。本人としてはそれでも必死に冷静さを取り戻そうとした結果なのかもしれませんが……。

結局その店は、貴重な事例から学んで品質を向上する機会と、大切な人に贈るためにその店を選んでくれた上顧客を失ってしまいました。もちろん、ご友人もその店で買うことはないでしょう。

もしかしたら、対応次第ではてるとさんもご友人も良いお客様としての関係性を続けることができたかもしれないのにもったいないことです。

それでは、実際に店側が取った対応とは別に、どのような対応が考えられるでしょうか。私なりに考えてみたいと思います。

すぐに結論を出さない

お客さまあってのお店。
それは、たぶん対応した「店の奥様」も十分に分かっていたはずです。それでも、想定の枠からはみ出た現実を見せつけられたときに、とっさに否定してしまいました。しかし、それでは「お客さまあってのお店」という自分で作った建前を自分で壊してしまうのです。

※「お客さまあってのお店」というのは、お客さまの言うなりになって卑屈になることではありません。お客さまが商品を買ってくださらなければ営業は成り行かないという当然のことを言っているだけです。

そんなときは、まずは何も結論を言わないということが大事です。
想定外の事柄に答えは用意されていないのですから、時間をかけて答えを考える必要があります。目の前から客が消えて幼虫が這う商品だけを見れば、何か原因が思い浮かぶかもしれません。一晩寝ればすっきりして印象が変わることもあります。三人寄れば文殊の知恵というように、複数人で原因や対応を考えることもできます。

どんな対応だったらよかったのか

相手から信頼されるために必要なことは、まず相手を信頼することです。
安易に「あり得ない」と否定せず「確認します」と受ければよかったのです。

情報として信用されては困りますが、対応例を挙げてみます。

(てるとさんに向かって)いつもご利用いただきありがとうございます。
この度はせっかく大切な方への贈り物としてわたくしどもの桜餅を選んでいただきましたのに、このようなこととなりまして誠に申し訳ございません。

(ご友人に向かって)わざわざご足労いただきまして申し訳ございません。
問題があったのはお持ちいただいたこの一つだけでしたか?
当店が申すのもなんですが、この地域では老舗として長年皆様にかわいがっていただいております。お客さまはそのような当店を信頼して、大切な方だからこそお贈りになったものですので、どうぞそのお気持ちに傷がつくことのないように、わたくしどもからお願い申し上げます。

(二人に向かって)恐れ入りますが、一度こちらの商品をお預かりしてもよろしいでしょうか。店主にも確認して、あらためてご連絡さしあげたいと思いますが、ご連絡はどちらにさしあげましょうか?

このように対応すれば、ほぼ確実にてるとさんが「では私に連絡をください」と言ってくれるはずです。そのうえで差し出された代わりの品であれば、受け取る気持ちになれたのではないかと思いますが、てるとさん、いかがでしょうか。


次回は、波多さまより頂戴した体験談をもとに、私なりの対応をお伝えしたいと思います。

企業の対応に傷ついたことはありませんか?
ほかにも、こんなひどい対応をされたという経験がおありの方は、ぜひお教えください。どんな対応だったら良い体験として前に進んでいけるのか、今更かもしれませんが代案をご提示したいと思います。ずーっと胸の中にあるモヤモヤをすっきりさせてあげませんか?

それでは、また。



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