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電話応対における自信と謙虚

電話応対において、私は姿勢が重要だと思っています。姿勢がピッと伸びれば対応も決まります。謝罪するときも、伸ばした背筋をきちんと“く”の字に折って、深々と謝罪する。業種によって対応も変わるとは思いますが、背中を丸く曲げて小さく何度も頭を下げるのはあまりよろしくないように思います。

電話応対の根底は

それは、電話応対の姿勢の根底にあるのは、“自信”と“謙虚”さだと思っているからです。

対極にあるものは“尊大”と“卑屈”です。
お客さまを「わがまま」だとか「誰が対応したってこんな人うまくいくはずがない」などと勝手に判断したり、相手を理解しようとすることもなく、「うわぁ怒鳴ってる、いやだ、とりあえずなんとかしなきゃ」と正論など放り投げて怒られないようにすることを第一目標にしてしまう。
これではお客さまはきちんと対応してもらったとは思えないでしょう。

自信とは

“自信”とはgoo辞書によれば「自分で自分の能力や価値などを信じること。自分の考え方や行動が正しいと信じて疑わないこと。」だそうです。

私が伝えたい自信は少し違います。ここで私が言いたいことは「私は能力がある。私は素晴らしい人間だ。私はマニュアルを熟知している。私は接客がうまい。私の対応は正しい。」と信じて疑わないことではありません。

私がコールセンターで働く全ての人に持ってもらいたい自信は『私はお客さまのお役に立とうとしている』という一点に尽きます。それ以外は、すべて客観視し、“自分の”話し方、“自分の”対応、“自分の”考え、と思わず、“お客さまにとってもっと良い”話し方はないだろうか、“お客さまにとってもっと良い”対応はできないだろうか、と、“お客さまにとってもっと良い”を常に模索するのです。

自分の”と思っていると変化をさせるのが難しく、何か指摘されると“自分が”傷ついたように感じます。しかし、”お客さまのお役に立つこと。今はそれが全てだ。”と思っていれば、もっとお客さまに伝わりやすい話し方に気づいたとき、喜んで話し方を変えることができます。「あんた失礼だな!」と言われたときにも、話し方や話の方向性を変えた方がよいのか、上司に代わったほうが良いのか、お客さまにとって一番良い選択をすることができます。

尊大な自尊心にとらわれていると、”私が失礼だなんて、失礼なのはあんたじゃないの!”と心に不要な荒波が立ったり、”上司に代わってほしいなんて言ったら、使えないヤツと思われないだろうか”などと余計なことを条件に加えて考えてしまうことになり、最適な選択肢から遠ざかってしまいます。

謙虚とは

“謙虚”とは、同じくgoo辞書では、「控え目で、つつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること。またそのさま。」だそうですがこれも、私の伝えたい意味とは、少し異なります。お客さまに言いたいことを言わず、一方的に言われることを受け入れて、お客さまがおっしゃることだからと何でも「はい、はい」と言うことではありません。

企業の代表として接している以上、お客さまは尊重し立てるべきです。

しかし、謙虚であるべきはお客さまに対してではありません
事実に対して謙虚であること』が重要です。

例えば、店舗ではこのように対応するマニュアルになっている、でもお客さまはそれに反する対応をされたと仰っている。その時に、2つの相反する事実があることを認め、実際はどうだったのか確認するという作業を怠らない、というようなことです。「事実はどうなのか」ということを確認することが先で、その後で、ではどう対応すればよいのか、ということを考えるべきです。

毎日100件も1000件も電話がかかってくるなかでは、「確認するとはどういうことだ!客の言うことが信じられないっていうのか!?」と怒鳴る人も一人ぐらいはいるかもしれません。

そのような場合であっても、怒鳴られたから、もしくは怒鳴られるかもしれないからとお客さまのいうことを確認もせずに正しいと受け入れてしまうことは謙虚ではなく卑屈な保身です。

姿勢は、普段の仕事の取り組み方

もうひとつ例を挙げると、普段からマニュアルも見ず、「どうせそんな質問来ないよ」とサボっている人が、“そんな質問”を受けたら、どうするでしょう。なかには慌てて誤魔化してなんとかやり過ごそうとする人もいるのではないでしょうか。
逆に普段から勉強して、「どんな質問が来てもお答えできるようになりたい」と思っている人が答えられない質問を受けた時にはどうするでしょう。きっと「せっかくお問い合わせくださったのに申し訳ございません。お調べしてからご回答差し上げますので、折り返しお電話させていただいても宜しいでしょうか。」と心をこめて謝罪するのではないでしょうか。そしてきっとその謝罪は誠意としてお客さまにも伝わるはずです。

そして、このような“自信”と“謙虚”を自分の中にがっちりと取り込むことができていれば、姿勢はピッと伸びるはずだと思うのです。そんな感じがしませんか?

では、また。

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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。