:1年前の今: 収穫から消費までの一気通貫

 久しぶりの書き込みです。9か月ぶり・・・・

1年前に、大学中退で起業した若者3人の企業と出会った。
これがおもしろい。
その中退するという素性が普通でないだけでなく、試行錯誤と発想のすばらしさで、世界をも動かす「ビジネスモデル」を作り上げていた。
 彼らの行動の最初は、日本酒のすばらしさを実感したことであった。日本酒が若者に支持されていない、このすばらしさを若者に伝えたいとして活動を開始した。
 日本の酒蔵数百社を回ってあるいた。そしてその中で本当においしい酒蔵を選び、日本酒販売店を開店した。上級のものだけを冷蔵ショーケースに入れて販売するお店である。角打ちというカウンター越しに立ち飲みをする日本古来の習慣のお店でもあった。当然、堅いファンが増えた。
 次にチャレンジしたのが、農業であった。休耕田を借りて、機械も譲り受けて、若者3人が重労働を開始したのである。全国の酒蔵を回ったとき知ったのであるが、酒米をつくる農家が減少していること。日本酒のサプライチェーンは、農業、醸造、販売、飲食、消費と、分断されていることも、わかった。よい日本酒には素材である酒米は必須である。そこで販売店である彼らが、農業もやりだしたのである。これも、農業関係者の強力な支援がもらえた。
 ここで分かったのは、農業はそれだけでは採算がとれないものであるということであった。重労働の割には、高く売れないし、利益をだすことは難しい。したがって、多くの農家さんは、撤退するか、大量生産するお米を作るしかなくなる。したがって、特殊な酒米ができる基盤は衰退の一途であった。
 しかし、販売店が農業をやりだすと、販売価格の極一部が酒米の原価であることがわかった。酒米での不採算は、解消できるのである。むしろ、日本酒の素材である酒米でできたオリジナル日本酒は、その販売店で一番おいしいものができたのである。したがって、最高額での販売ができ、すぐ完売もした。収穫から、販売まで一気通貫にやることの意味はすばらしいものであった。
 彼らはさらに、飲食店にも進出した。角打ちを発展させ、カウンターごしに日本酒とつまみのコラボを楽しむお店である。これも成功している。かれらのチャレンジはビジネスの世界ですばらしい事例と功績をあげているのである。しかし、彼らは気が付いていない。



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