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コンクリートでできること、いろいろ 20220820解説

先日、スカイツリーに上って撮った景色。コンクリートの海というか、なんというか。
コンクリートは、砂利・砕石・砂・セメント・水、大量の資源を使い、生産工程でも大きな環境負荷を発生させ、使用後は大量の廃棄物発生源となるわけですが、ここ最近、いろいろ新技術のニュースが出ていたので、まとめてみました。

コンクリートを100%再利用 セメント使わず強度2倍

※これもアップサイクルというのかな。

古タイヤで耐久性に優れたコンクリートを作ることに成功

※骨材を古タイヤに。その次のリサイクルはどうなるのか。

大成建設、コンクリート脱炭素化で先手 工場で水素活用

※グリーン水素を熱源に。グリーン水素が安価潤沢に手に入る世の中になれば、工場熱源の脱炭素は、このパターンでしょう。

生コンに粉を混ぜるだけで3時間の時短に、清水建設が新工法を構造床に初適用

※建設現場の生産性向上、工期短縮。

伊藤忠商事・大成建設・豪社、CO2固定化で提携

※炭酸塩をつくるってことのようです。

清水建設が開発、CO2を固定するコンクリートの仕組み

※カーボンネガティヴ!ほんと⁉︎

「二酸化炭素を吸収するコンクリート」で年10億トン削減も? 建築業界が期待、作れば作るほど脱炭素できる夢の材料

※こちらはまた別の手法で。年10億トンというと、日本国の排出量に匹敵しますよ。

余談

鉄筋コンクリート。いかにも無機質・非生物・人為的なモノの代表ですが、何億年というスケールで考えると、そうでもありません。
セメント(一般的に使用されるポルトランドセメント)の主要原材料は、石灰石です。石灰石の多くは、元をたどれば太古のサンゴの骨格です。サンゴが骨格に取り込んだCO2を、加熱して大気中に放出すると、セメントの原料になります。現在は、廃棄物がセメントの主原料といってもよい状態ですが。
鉄筋の鉄は、鉄鉱石から作られますが、これもまた、シアノバクテリアという何十億年も前からいる微生物が光合成でつくり出した酸素で、海中で酸化された鉄が沈殿してできたもの。シアノバクテリアがいなければ、そもそも地球の大気に酸素はほとんどありませんでした。
ついでながら、製鉄プロセスでつかわれるコークスの原料は石炭、その元は太古の樹木です。樹木も、光合成により、大気中のCO2で自分の体を作っています。
で、シアノバクテリアやサンゴや樹木が、億年単位の時間をかけて、営々と大気中から取り除いてきたCO2が、いま、100年・200年という、地質学的に見れば一瞬にして、大量に大気に戻されているわけです。

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